11巻:キングダム

キングダム(11) (ヤングジャンプコミックス) [ 原泰久 ]

価格:555円
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時は始皇3年(紀元前244年)。
11巻は政のいる王宮から始まります。

呂不韋の号令の下、20万を超える大軍勢が隣の「韓」目指して出陣。
先日の戦、魏との戦いに参加した地域には徴兵がかからなかったため、信は不参加。
(蒙毅が言うに、先生=昌平君の配慮なんだとか)

蒙毅は軍について行きたかったのですが、祖父に断られてしまいます。
その祖父は、韓戦の総大将である大将軍・蒙驁(もうごう)です。

その6日後の夜、韓の高右が落ちた知らせが政の耳に届きます。
それを聞いた壁は、
「魏戦では城に近づくこともできなかったのに、さすがは筆頭将軍だ…」
と。

昌文君によると、蒙驁は極めて凡庸な将軍だけど、冒険をせず普通に戦い普通に勝つ。
強い敵と戦うのには向いていないけれども、弱い相手には絶対に失敗しないと。
…ある意味、失礼じゃね?

「しばらく韓への侵攻が進みそうです」
という昌文君の言葉通り、蒙驁は1カ月間に11の城を落とします。

その勢いは止まらず、目的である安方を落とし、さらに奥へと侵攻しようとします。

ただ、侵攻を進めるにあたっては、昌平君が条件を。
なにか気になることがあるようです。

 

その戦況を、蒙毅や河了貂などの塾生が教室で議論を交わします。

河了貂は、入りすぎではないかと心配します。
本陣が遠い場所に出払っている今、秦本土は手薄になっている。
韓以外の敵…趙・魏・楚が攻めてきたら、危ないのではと懸念します。

が、蒙毅はそんな心配はないと。
魏との国境には麃公が目を光らせており、楚に対しての守備は厚いうえに張唐将軍が守備長になって万全。
趙については、三人の大将軍がすでになく、中華最強の騎馬隊を率いれる者がいないので攻め入ることができないと。
つまり、転換期にある趙は戦どころではないと言うのです。

秦の上層部も、この考え。
だからこそ、強気に出たのかな~。

ところが、趙の中枢外に騎馬隊を率いれる者がおり、趙の大王はその者…龐煖(ほうけん)の到着をもって、10万の軍を率いて秦への侵攻させる動きをみせていたのでした。

 

趙の軍は、まず国境付近にある馬央(ばおう)を攻めます。

その知らせは政の元にも届きますが、今の秦の20万もの兵は韓を攻めている真っ最中。
援軍はおろか、中央地帯に秦を守る戦力もなし。

馬央を攻略し、その先の馬陽(ばよう)も攻略されてしまうと、秦国内に一気に趙の軍が流れ込んでくることになります。
それはまずい!

政は中央一帯に緊急徴兵を下し、10万の軍を立ち上げ、前線の援軍に向かわせることを指示します。
「急がなければ前線地帯から秦人は一人もいなくなるぞ」
と、趙の秦への恨みを知る政は言い切ります。

政の言う通りで、趙軍は城を攻めながらも周囲一帯の村を襲撃し、壊滅させていったのです。
怖いよ~

馬央の陥落と周囲の惨状が王宮にも伝わり、急ぎ兵がかき集められている頃、ようやく信が修業の地を平定し、崖を登ってきたのでした。
崖下から聞こえる声援から、信の力量が伝わってきます。

 

ぞくぞくと徴収される村人。
懐かしのメンバーも健在です。
皆が百人将である信との再会を待ちわびています。
友情ですね~

一方、馬央を陥落した趙の軍は、次の砦・馬陽に猛攻撃。
秦の首都・咸陽では、蒙武が秦軍総大将に任命されるべく呼ばれていました。
それに対して、昌文君が「おやめください」と止めます。

怒る蒙武。
止める昌平君。

昌平君は、正論を述べつつ昌文君に理由を尋ねます。

昌文君は、今回の戦いには「守」が必要だ。
でも、蒙武の強さは「攻」であり「守」がないと。
守る力がないのに行けば大敗するリスクが高く、そうすると秦が滅亡するきっかけにもなりかねないと断言します。

この言い分に蒙武は激怒しますが、呂不韋はあっさりと「話の筋は通っている」とうなずきます。
そして、では他に誰がいるのかと昌文君に問います。

昌文君は王騎の名を上げようとしますが、そこでご本人が登場。
副官の騰と信を率いて入ってきます。

王騎の登場に皆がびっくり。
政は信が一緒にいることに気が付いてびっくり。

蒙武VS王騎かぁぁ!?
と思うも、昌平君が「私が呼びました」と。
これには昌文君もびっくり。

そもそも、昌文君は王騎を呼んでいなかったんですね。
昌平君が蒙武よりも先に声をかけていたのですが返事がなかったので、仕方なく蒙武を呼んだのです。

納得できない蒙武ですが、軍総司令である昌平君の言葉には逆らえません。
捨て台詞を残して去っていきます。

 

続けて、今度は王騎が皆を一人残らず外に出るように仕向け、政と二人っきりで話をします。
王位についての3年間はどうかと聞き、昭王の姿を実際にみていない大王は不幸だと。
そして、昭王より伝言を預かっていると。
これには政もびっくり。

その伝言は読者には内緒。
内緒の話が終わったら、いよいよ任命式です。
政の激に、王騎が神妙に受けます。

その様子に、信は心を打たれます。
王宮から出る際に政と話し、「あの大広間でお前に任命されるのも悪くないな」と。
そうなる日も、そう遠くないかな!?

 

その頃、昌文君の副官である壁が、歩兵隊の先導を任されて進行していました。

そこに羌瘣が登場。
緑穂(りょくすい、羌瘣が持つ刀)が苛立っていると伝えます。
つまり、苛酷な戦いになるよと忠告に来たんですね。

そして、信がようやく徴兵された皆の元に到着。
馬に乗って登場した信に、懐かしのメンバーが歓声を上げて迎えます。

信は、百人将とはいえ特殊百人将として、王騎将軍直属の特殊部隊であることを皆に伝えます。
檄を飛ばして皆の心を一気につかむ信。
成長しましたね~

 

その夜。
戦略会議が終わった王騎の前に昌文君が立ちはだかります。

どうして急に戦う気になったと問う昌文君に、王騎はとつとつと語り始めます。
かつて、王騎・昌文君・摎と3人で戦った馬陽での事を。

あれは悪夢だったという昌文君。
その元凶は龐煖。
王騎は決着をつけに行くと。
一体、何があったの!?

 

その頃、寝ている信のところに羌瘣が来ます。
気配で察した信。
羌瘣の仇は魏から趙へ移ったということで、再び参戦したのでした。

羌瘣が来ると信じていた信は、副将として皆に紹介します。
皆の温かい言葉に、羌瘣の心を少しばかり動かしているようでした。
よかったね

 

翌朝。
王騎が咸陽を出発。
いつの間にか蒙武が副将として隣にいました。
おうっ

王騎の進軍は、各国の諜報員を通じて列国に伝わり衝撃を与えました。
一方、馬陽は王騎が援軍に来ることを知らぬまま、必死に耐えていました。

進軍を進める信たち。
馬陽が近づくにつれて戦場の趙の情報が歩兵隊にも入ってくるようになり、その凄惨な殺され方におじけづき脱走を図る者が現れ始めました。
3日後には、脱走者の数は1,000を超すと大変なものに。

志気がだだ下がりになる歩兵隊。
やばいと感じるもどうする術もなく唇をかみしめる信たちのところに、王騎たちが騎馬隊が追い付きます。

その力強い姿と、王騎の「全軍、前進」の一言で一気に士気が最高潮に!
さすが、伝説の将軍ですね。

 

その夜。
信は羌瘣に剣の相手をしてもらいます。

王騎に剣を取り上げられた状態が長かったので、勘を取り戻すために相手をしてもらっていたのでした。

政の暗殺事件の時に見た羌瘣の必殺技を教えてもらおうとするのですが、あれは蚩尤の奥義「巫舞」であり、蚩尤の巫女体質だからこそできるものとして断ります。

ただ、武の達人の中にも似たような奴はいると。
巫舞よりももっと恐ろしいのは「武神」だと教えます。

 

首都・咸陽では、趙軍の大将の名がようやく判明。
その場にいたもののほとんどは、龐煖という名に「?」。
昌平君でさえ「?」。
年の差かしらぁ。

ただ、よく知っている昌文君は真っ青!
汗をダラダラ流して、ここまで動揺した昌文君は初めて見るかな!?

龐煖は、9年前の馬陽での惨劇の元凶。
六大将軍の一人、摎を殺した人物だと話し始めます。
ただ、その話は誰もが初耳。
なぜなら、摎は病死したと伝えられていたからです。

何があったのか…その惨劇を話す昌文君。
その話に皆が言葉を失います。
昌平君は「あってはならんことだ」と際しい顔で言います。

龐煖は、騒ぎに駆け付けた王騎によって斬られたと。
あんなにも激情にかられた王騎を見たのは最初で最後だと
王騎が今回の戦を引き受けたのも、龐煖がいるのを知っていたからではないかと、昌文君はいいます。

今はなき六代将軍の一人、摎は女性。六将のなかで一番若かったけど、その戦いの苛烈さは六将一だったと。
華々しい戦歴は伝わるものの、素性については一切記録なし。

昌文君は、龐煖は人を牽いて戦うような男ではない。
今回の戦いに参戦しているのは、王騎と戦うためなのかしれないと。

そしてついに、信たちが馬陽に到着。
援軍の姿に、馬陽で必死に戦う兵士が涙を流します。
一方、河了貂も蒙毅たちと共に、戦場が見渡せる安全地帯に。
戦の見学です。

千人将の壁、百人将の信も自身の場所に待機。
陣形が揃い始めます。

緊張が紙面から伝わってくるよう。
いよいよ開戦です!

信の活躍は?
王騎将軍と龐煖は決着をつけられるのか!?
次巻に続く~!!




<関連書籍>

【次巻】12巻:キングダム

【前巻】10巻:キングダム

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