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前巻の事件、会いに訪れた大学の広田教授が死んでいるのを発見したコナンたち。
今回は、阿笠博士が探偵役です。
コナンの見事な推理に「どうしてお姉ちゃんを助けてくれなかったの?」と泣き崩れる灰原。
そこで初めて10億円強奪事件の苦く悲しい事件を思い出したコナン。
泣きじゃくる灰原に何も言う事ができませんでした。
その後、フロッピーはコナンたちの元に届けられたのですが、組織が仕掛けでデータがすべて消滅してしまいうのでした。
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テレビドラマ・名探偵松田佐門次を見ながら食事中のコナン・蘭・小五郎。
誰が犯人か当てて盛り上がる、平和な時間です。
そこに、テレビドラマ・名探偵松田佐門次の原作者である新名任太郎の娘・新名佳保里が訪ねてきます。
2か月前から行方不明の父と母を探してほしいという依頼。
「ちょっと出かける」という書置きだけを残して消え、今どこにいるのかもわからない。
ただ奇妙な事に、毎週土曜日の午前0時に、Faxで編集部に原稿だけは送られると。
送信元もわからないように設定されているので居場所がつかめず、何かあったのではと警察に捜索願いを出すものの、原稿が届いている事からも取りあってもらえない。
他の探偵事務所にも断られたため、小五郎の事務所に来た…というのでした。
小五郎は新名佳保里の話から、さっそく原稿が送られてくる編集部に向かいます。
タイミングよく、その日はちょうど原稿が送られてくる日でした。
担当者から「ワープロだけど、文体はまさしく先生の物。毎回、タイトルの横に直筆サインが入っています」として、これまで送られてきた原稿を見せてもらいます。
作品タイトルは「1/2の頂点」。
「何か先生の様子で変わったことはなかったですか?」と問う小五郎に、「しいて言えば、この探偵左文字シリーズを再開したことかなぁ…」と答える担当者。
シリーズの再開は4年前からお願いしていたものの、「左文字は死にました」とずっと断り続けていたと。
ところが、2か月前に急に「左文字を再開したい」と持ち掛けてきたと。
また、作品の献辞が先生らしくないと…。
さらに、小説の中に作家の新名任太郎自身が、左文字の古い友人として登場。
その設定は、フランスに滞在する売れない小説家。
シリーズでも初めての事と、担当者は目を輝かせながら言います。
原稿を見せてもらったコナンは、「この原稿はおかしいよ」と、漢数字と数字が混在している部分を指摘。
ところが、それは先生の指示だと。
その奇妙さに、何かが隠されていると察するコナン。
また、新名先生の直筆サインにも注目します。
…と、そこに噂の新名先生の原稿が届きます。
すかさず手に取り、前回の原稿とサインを照らし合わせたコナンは、途中の回からコピーされたようにピッタリ重なることを発見。
「書けなくなった状態にあるのかもしれない」という言葉に、小五郎は慌てて警察を呼びます。
やってきたのは目暮警部。
ただ、今の段階では公開捜査には踏み切れないと…。
その様子を見ていたコナン。
気になるのは挑発的な献辞。
そして、シリーズ初の原作者の登場。
数字、漢数字、英文字が入り混じった奇妙なセリフ。
セリフの中に新名先生からのメッセージがあるはずと見入っていると、担当者が「先生から送られたきた『1/2の頂点』の第8話を入稿しても構いませんか?」という言葉にハッとします。
タイトルが暗号を解く鍵になると考えたコナン。
…と、そこに関西弁の少年から編集部に、「暗号が解けたから警察を呼べ」と電話が入ってきます。
なんと、電話の主は大阪の服部平次。
服部もコナンと同じ様にタイトルから暗号を解読したのでした。
ただ、タイトルだけでは解読できないセリフも…。
ふと耳にした編集部員の会話から、残りの暗号も解読するコナン。
ところが、監禁された場所を突き止め「眠りの小五郎」で一気に解決に持ち込もうとするのですが、間違って声も知らない編集長に当ててしまい大ピンチ!
とっさの機転で切り抜け、監禁場所に向かいます。
向かった先には、思いがけない意図が待っていたのでした。
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服部平次の案内で、大阪見学するコナン・蘭・小五郎。
わざわざ大阪に呼んだ理由を問うコナンに、「人間なんか…いつ死んでまうかわらかへんからのぉ…」と応える平次。
なんでも、夢でこれから犯人を捕まえるという時に、工藤が死んでしまう夢をみたそうで…。
通天閣で大阪の眺めを堪能していると、そこに平次の父親(警察の本部長)から言付かった捜査一課刑事・坂田祐介が到着。
平次の希望で、署内でも一番のパトカーに乗って大阪を回ります。
小五郎、大激怒。
蘭、照れ。
コナン、冷めた目線。
喜んでいるのは平次だけ。
まずは、うどん屋さん。
次にたこ焼き屋さんと向かう一行。
…と、なにやら鋭い視線を感じる蘭。
お好み焼き屋さんに行った際に、蘭が感じていた視線の主が判明します。
平次がちょっと席を外した隙に蘭に近づいてくる女の子。
コナンたち一行を尾行し蘭を見つめていたのは、平次の幼馴染の遠山和葉。
東京で平次をたぶらかした「工藤」を蘭と勘違いし、「あたしと平次はその昔、“鉄のクサリ”で結ばれた仲やねんから、平次にちょっかい出す時は、このあたしを通してからや」ち一言忠告するために付け回っていたいたのでした。
戻ってきた平次から、蘭は工藤の彼女だと聞かされ一段落。
話題は和葉が口にした“鉄のクサリ”に。
それは、幼い頃、服部の家の屋根裏部屋で父親が使っていた古い手錠をみつけ、ふざけて刑事の真似事をしていたら外れなくなってしまったと。
「記念に手錠の鎖のカケラをもろて、お守りにいれてんねんで」という和葉と平次のやり取りをみていた蘭は、二人が付き合っているのだと思うのですが、二人はただの幼なじみと否定。
和葉と平次は家族ぐるみで仲が良く、和葉の父親は大阪府警の刑事部長で、平次の父親とは子どもの頃からの親友。
「なんでおまえがここにおんねん?」という平次の問いに、「平次のお姉さん役として、平次が変な東京の女にたぶらかされん様に見張っといてあげたんや!」と頬を赤くしながら言うのでした。
お好み焼きを堪能し、外で待ってくれていた坂田刑事(+パトカー)に乗り込んだ瞬間、パトカーのボンネットに人が落下!
腰にロープを巻き、胸にはナイフ。
ただ、財布が間に挟まって刺されているという異様な死に様。
辺りに悲鳴が響く中、頭上を見れば、屋上から身を乗り出すようにして見ている男性の姿が。
コナンと平次はすかさず屋上に駆け上がり、屋上にいた男性に迫ります。
犯人かと思ったその男性は、ビルの2階で茶店を経営している方。
「屋上に変な男がおる」という電話で行ったら、今回の事件に遭遇。
茶店の主人がドアを開けると死体が落ちる仕掛けをしていたのです。
「こんなに派手な死体の発見をさせるのは、誰かに向けた見せしめかもしれない」という平次。
さらに、死体の状態から「こら、どーみても例の事件と…」という平次の少し後ろで、恐怖に顔を引きつらせている女性の姿が。
周囲の人もいぶかしげに思うほど。
平次が気が付くと、車に乗って去ってしまいます。
その様子を見ていたコナンは、とっさに車のナンバーを暗記。
ついでに、平次が口にした「例の事件」についてたずねます。
場所を大阪府警東尻署に移したコナンたち。
さきほど上から落ちてきた男性が、捜査中の事件の三人目の被害者であることを話します。
いずれもナイフが財布を突き抜けて胸に刺さり、首を何かで絞められて殺されていると。
これまで2人の共通点が全く見えなかったのですが、3人目の被害者が加わったことで共通点が見つかります。
府議会議員の郷司宗太郎との関連がわかり、「俺んちに先に行っといてくれや」と和葉に道案内を頼み、坂田刑事と議員の元に向かう平次。
コナンは平次の協力の元、蘭たちの目をすり抜け平次と一緒に向かいます。
道中、平次がみかけた不審な女性(岡崎澄江)の住所と電話番号が判明し、議員は後回しにして先にこちらに行くことに。
電話すると在宅中。
刑事からの電話だとわかると、「早くここに来て、私を守って!昔の事、しゃべるから!!」と取り乱した様子。
道路状況から遠回りしなければならず、先に平次とコナンだけが車から降りて岡崎澄江が住むマンションに向かいます。
ところが、マンションに岡崎澄江の姿はなく…。
…と、マンションの外から男性の叫び声が!
慌てて駆け付けると、そこには財布を貫いたナイフで胸を一突きされている岡崎澄江の姿が。
謎が深まる中、さらに“昔の事”に関係している人物が登場。
“鉄のクサリ”がコナンと平次を守ります。
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少年探偵団で、国立競技場にサッカー観戦。
天皇杯決勝です。
夢中になっているコナン君とは対照的に、灰原さんはサングラスに雑誌とすみっこで目立たないように大人しくしています。
万が一、テレビカメラに映りでもしたら、小さい頃の顔を知っている組織にバレてしまう事を危惧してでした。
「これなら大丈夫だろ」と帽子をかぶせ、見えるところに連れていきます。
盛り上がる会場の外に停められている中継車には、不審な電話が着信していました。
「最前列の手すりに乗り出しているガキ連中をみろ」と。
そのガキ連中とはコナンたちの事。
被っていた帽子が風で飛ばされ下に落ちた瞬間、真下にあったボールが急に弾んだかと思ったら、空気が抜けたようにしぼんでいきます。
すかさずコナンは下に飛び降りると、ボールに穴が二か所空いているのを確認。
さらに、近くの土にめり込むように入っていた7.62弾のフルメタルジャケットを見つけます。
不審な電話から通報したテレビディレクターの元に、目暮警部たちがやってきます。
「誰かが競技場の中で発砲した!」と説明するディレクター。
「エアガンを撃った可能性もある」という目暮警部に、「たぶトカレフだと思うよ」と、見つけた銃弾を渡します。
銃弾を見た目暮刑事は試合を中止して選手や観客を避難させようとするのですが、「試合を止めたり客を逃がしたり妙な素振りを見せたら無差別に殺す…銃を乱射するって…」という犯人からのメッセージでそれもできないものに。
犯人の要求は、五千万円の現金。
テレビ局側への要求で、もっかこちらに向けてお金を持ってきているところ。
目暮警部は、私服警官を総動員する作戦に出ます。
犯人とディレクターのやり取りから、今回の犯行には2人以上の人間が関わっている事を指摘。
その推理に、目暮警部も「わしが指示するまで絶対に動くな!」と強い口調で無線で伝えるのでした。
再び犯人から通電。
お金の置き場所を指定されます。
私服警官の働きで、犯人からの電話がかかってきた時に携帯電話を使っていた人物が8人に絞られます。
こっそりと目暮警部の無線に盗聴器を仕掛けたコナンは、少年探偵団のメンバーがいない事に気が付きます。
なんと、犯人を捕まえるお手伝いがしたいと、再入場していたのでした。
身代金が入ったバックに近づく、一人の男性。
目暮警部の指示の元、近くに誰もいない事を確認すると、近くに潜んでいた私服警官が一斉に飛び掛かり確保します。
…ところが、その様子をどこかで見ていた犯人の仲間が、「これ以上触るな!観客を撃ち殺すぞ!」と携帯越しに脅し、目暮警部たちの動きを封じます。
見せしめに一人死んでもらおおうかと言うも、埋め合わせのチャンスをくれてやると言うもう一人の犯人。
追加料金10億円を要求してきました。
そして、私服警官の撤退を命じます。
電話の先にいる犯人には、警官の位置が丸わかり。
一人一人、私服警官の動きを口にします。
そんな目暮刑事らの様子をと盗聴器を仕掛けた無線機から知るコナンと灰原。
少年探偵団に無線を使って連絡を取り、双眼鏡を除いている人物を探させます。
そこで、イヤホンマイクを携帯に付けている男性を発見!
元太たちが飛び掛かり、コナンが麻酔銃で動きを封じようとするのですが、なんとその正体は高木刑事。
無線が壊れたため、携帯電話にイヤホンマイクをつけて目暮警部と連絡をとっていたのでした。
高木刑事から、犯人の一人がお金をもって堂々と競技場を出ていった話を聞いたコナン。
もう一人いる犯人は、誰かを撃ち殺すつもりでいることを察します。
10億円の要求はカモフラージュ!?
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