【ゴールデンカムイ】1巻:三つ巴の金塊争奪戦

ヤングジャンプで2023年夏まで連載していた「ゴールデンカムイ」。

アニメで第四シーズンまで放送されており、最終章も制作も決定。
現在絶賛映画公開中!

北海道を舞台にした三つ巴の近海争奪戦!
アイヌ民族の文化にも触れ、歴史の勉強にもなるマンガです。

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感想(18件)

過酷な戦場で鬼神のように戦う姿から「不死身の杉本」の異名を持つ杉本佐一。
除隊した今は一攫千金を狙って北海道まで移り、川で金塊を探す日々を送っています。

そこで知り合った男(元網走刑務所の囚人)が、酔った勢いでアイヌの埋蔵金について話を聞かせます。



 

アイヌの埋蔵金

明治期、日本人によるアイヌの人への迫害行為として、鮭や鹿の漁を禁止して土地を奪うなどがひどくおこなわれていました。
それに腹を立てた一部のアイヌたちが結託し、軍資金として金塊を集め始めます。

集まったその量は20貫(75キロ)。
現代の価値でおよそ8億円相当もあります。

ところが、その金塊を一人の男が盗り、仲間のアイヌを全員殺害。

男は金塊を隠した後、警察に捕まり網走監獄に入れられてしまいます。

※出典:ゴールデンカムイ1巻

網走監獄に投獄された男は、外の仲間に金塊の在処を伝えるため、囚人の体に金塊の在処を示す暗号を刺青にしました。
それも複数の囚人に分けて…。

そして囚人たちに、「ここから脱獄しろ。成功したら金塊を半分やる」と持ち掛けます。

その噂を耳にした屯田兵が、暗号をもつ囚人を移送するとして囚人全員を連れ出しますが、相手は凶悪な死刑囚。

護衛の兵隊を皆殺しにし、死刑囚全員が脱走してしまい、そのまま行方が分からなくなりました。

 

アシㇼパとの出会い

最初は与太話として適当に聞いていた杉本でしたが、男に殺されそうになったことで埋蔵金の話が本当だったと確信します。

どとめは、逃げた男がヒグマに襲われ、土饅頭にされたのを掘り出した時。
男の上半身に刺青が彫られているのを見て。

そこで杉本もヒグマに襲われますが、間一髪のところをアイヌのアシㇼパに助けられます。

さらにアシㇼパは、囚人の男を食べて埋めたのは別のヒグマで、ヒグマは執念深いから仕留めた獲物は諦めずに追ってくると警告します。

刺青をダメにするわけにはいかないことからも、ヒグマ猟になれている様子のアシㇼパに、杉本は協力を願い出ます。

 

被害者の娘

杉本がお金を必要としている理由は、戦争で死んだ幼馴染との約束から。

失明しつつある幼馴染の奥さんの目の手術費用が必要なため、アイヌの埋蔵金を探しているとアシㇼパに話します。

アイヌの埋蔵金なんて信じてもらえないかと不安に思う杉本ですが、アシㇼパは驚くほどすんなりと信じます。

なぜなら、殺されたアイヌの中にアシㇼパの父親もいたからです。

 

男の刺青をみたアシㇼパは、「なんて冷酷なことを…」をつぶやきます。

胸や腕にも廻りこんで彫られている刺青がすべてが体の正中線で途切れており、これは熊や鹿を解体する際の切込みと同一だと説明するアシㇼパ。

殺してはぐことを前提にした刺青であり、彫った男は最初から山分けするつもりなどなかったとアシㇼパは推測します。

 

それなら皮をはいで死体だけ置いておけばいいのではと提案するも、熊は獲物からそんなに離れた場所にいかないからそんな時間はないと却下。

ヒグマを迎え撃つ準備を始めます。

 

カネと敵討ち

エゾオオカミのレタラの助けもあり、なんとかヒグマを仕留めることに成功した二人。

ヒグマを解体しながら、アシㇼパが知っているアイヌの埋蔵金をめぐる殺人について話します。

それは5年前。

村の男たち7名で金塊の隠し場所を変えるために移動している最中に起こりました。

死体はバラバラに切り刻まれ、獣に食い荒らされていた状態で発見。

アシㇼパは犯人が捕まって網走監獄にいる事、囚人に刺青を暗号として残していたことも知りませんでした。

杉本は「事件に関わった役人が、金塊欲しさに隠していたんだろう」と予測します。

 

杉本はアシㇼパに一緒に金塊をみつけようと申し出ます。

そして、金塊はもとはアイヌのものであることからも、山分けではなく分け前を少しだけほしいと。

そんな杉本の提案をアシㇼパは断ります。

人を殺す前提で彫られている刺青から、「人を殺したくない」と。

※出典:ゴールデンカムイ1巻

 

そんなアシㇼパに杉本は、犯人はおそらくまだ生きていて、金塊が見つかれば利用価値がなくなり犯人は殺される(死刑が執行される)。
金塊を見つけることが父の敵討ちにつながるといいます。

「手を汚すのは俺で、アシㇼパさんは知恵だけ貸してくれ」と申し出ます。

 

刺青を入れた男

脱走した囚人たちを探すため、まずは小樽を訪れた二人。

聞き込みをするなか、二人のように同じことを聞いてきた人間がいたという情報を耳にします。

 

その日の捜索を切り上げ、山の方へと移動する二人。

そんな二人を尾行する一人の男がいました。

人気のないところまで来ると、アシㇼパが仕掛けた罠に男はひっかかり、あえなく確保となります。

 

捕まえた男に他の囚人がどこにいるのかを聞くも、殺し合いになってバラバラになってわからないことが判明。

殺して皮をはがすわけにはいかないので、男の両腕を木に縛り付けて固定させ、アシㇼパが暗号を紙に模写します。

描きながら「刺青を彫った男はどんな奴だ?」と聞くと、顔がないのっぺら坊だと答える元囚人。

その瞬間、男の頭が血しぶきを上げ絶命します。

 

陸軍最強部隊第7師団の襲来

樹に隠れながら杉本が銃でけん制し、アシㇼパが生木で煙幕をはったところでその場から離れる二人。

アシㇼパが仕掛けた人間用罠で追ってきた狙撃手の銃を奪い、銃で殴打しようとするもひらりと交わされてしまいます。

取っ組み合いのになる中、狙撃手は杉本の腰にある銃剣を抜き、さらには銃のボルトを引き抜いて使用不可能にするなど、生け捕りをするには難しいなかなかの手練れ。

かぶっていたマントを脱いだ狙撃手は、金塊を追う屯田兵、陸軍最強部隊第7師団の兵士でした。

 

おとなしく死体を渡したほうがいいという兵士に、「カネじゃねぇ、惚れた女のためだ」と一蹴する杉本。

再び格闘になりますが、兵士の腕を折って有利な状況に。

ところが、アシㇼパが止めに入った隙に兵士はその場から離脱。
とっさに杉本が投げた銃を頭に受け、がけ下に落ちてしまいます。

※出典:ゴールデンカムイ1巻

 

杉本の過去

翌日、仕掛けておいた罠にまたしても囚人が。
「脱獄王」の異名をもつ白石由竹です。

木に括り付けて暗号を写している間に囚人やのっぺら坊について聞くも無言。
やっと口を開いたと思えば「そのアイヌはおまえさんの飼い犬か?」と。

顎を砕いてやろうかと手をかける杉本に、「よせ杉本、私は気にしない。慣れている」と冷静なアシㇼパ。

そんなアシㇼパの言葉に、「なれる必要がどこにある」と自分の昔の事が思い出されます。

 

数年前、家族3人が結核にかかり、村人から避けられ、冷たい仕打ちを受けた杉本。
父親が死亡後、家に火をつけて燃やしてしまいます。

幼馴染の梅子に、「寅次は真面目ていい奴だ。小さい頃からお前を好いている。あいつならまかせられる」といって村を去ります。

※出典:ゴールデンカムイ1巻

1,2年たって発症しなければ村に帰り、必ず迎えに…。

その思いで数年過ごし村に戻ってくるも、奇しくもその日は梅子が寅次に嫁入りする日。

杉本は梅子の花嫁姿を、ただ遠くから見つめていました。

 

囚人の親玉は新選組、鬼の副長

うさぎを捕まえている間に、白石は隠し持っていたカミソリで逃亡。

アシㇼパが気づき杉本が追いかけますが、急激な気温低下による寒気の影響を受け、二人は川に落ちてしまいます。

 

凍え死にそうな寒さの中、なんとか火を起こし難を逃れた二人。

そこで杉本は白石から、刺青の囚人は24名いる事、脱獄の指揮をした囚人の親玉は新選組の鬼の副長・土方歳三であることを聞きます。

さらに、のっぺら坊から「小樽へ行け」と指示されていたことも。

 

乾いた服を着て去ろうとする白石に杉本は、囚人とのっぺら坊の仲間だけでなく第7師団も狙っているから北海道を出ろと警告。

ところが白石は「俺は脱獄王だ。誰に捕まろうが煙のように逃げてやるさ」と余裕の構えで去っていきます。

 

その頃、川岸で発見され病院に担ぎ込まれていた兵士…いつかの杉本が撃退した尾形上等兵の意識が回復。

単独行動をしていた尾形の意識が回復した知らせは、第7師団の鶴見中尉の元に。

「そうか、では見舞いにいってやろう」という鶴見中尉の後ろには、刺青人皮が飾られていました。

 



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