07巻:鬼滅の刃ー無限夢列車ー

鬼滅の刃 7【電子書籍】[ 吾峠呼世晴 ]

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(2020/3/14 17:03時点)

出立する炭治郎をケガの治り具合をチェックする胡蝶。

見送りができない事を謝る胡蝶に、炭治郎は“ヒノカミ神楽”や“火の呼吸”について知っているか尋ねます。
が、胡蝶の答えは「聞いたことがない」というもの。

事情を聞いた胡蝶は、火の呼吸はないが炎の呼吸のあると。
「詳しいことは炎柱の煉獄さんに尋ねてみると良いかもしれません」と、鴉にその旨を伝えます。

廊下で最終選別の時に一緒だった鬼滅隊員とぶつかる炭治郎。
それは、白髪の女の子に乱暴を働いた鬼滅隊員でした。

何か匂いに違和感を感じながら、「久しぶり!元気そうでよかった!」と声を掛けますが、まるで聞こえていないかのように廊下の奥へと消えていきます。

 

洗濯物を干しているアオイさんに世話になったお礼を言うと、カナヲのところにあいさつに向かう炭治郎。

出発することと修業のお礼を述べる炭治郎の言葉を、にこにこしながら何も言わずに聞いているカナヲ。
さすがの炭治郎も会話が続かず…。

…と、カナヲはおもむろにコインを取り出すと、ピンと空に投げて手の甲に。

“裏”と書かれているのをみると、「師範の指示に従っただけなので。さようなら」とにっこり。

 

すかさず「今投げたのは何?」と聞くと、「指示されていない事は、これを投げてきめる」と答えます。

自分で決めずにコインで決めるのは、すべてがどうでもいいから自分できめられないからと言うカナヲに、「カナヲは心の声が小さいんだろうな。指示に従うのも大事だけど」と思案顔の炭治郎。

そして、コインを借りると、「よし!投げて決めよう!カナヲがこれから自分の心の声をよく聞くこと!表が出たらカナヲは心のままに生きる!」と言うや大きく空に投げます。

落ちてきたコインが示したのは、表。

「がんばれ!人は心が原動力だから、心はどこまでも強くなれる!」と言う炭治郎に、「なんで表を出せたの?」とカナヲ。

小細工はしていなかったはずと思うカナヲに炭治郎は「偶然だよ。それに裏がでても、表がでるまで何度でも続けようと思ってたから」とにっこり笑うと、手を振りながらその場から走り去るのでした。




 

 

炎柱・煉獄

炎柱の煉獄に会うため、無限列車が止まっている駅に来た炭治郎・善逸・伊之助。

初めて見る汽車に、「なんだあの生き物はーーー!!」と大興奮の伊之助です。

挙句の果て、この土地の主だと突っ込む始末。

騒ぎを聞きつけた駅員が駆け寄ってくるのに気が付いた善逸が、あわててその場から二人を連れ出し事なきを得るのでした。

 

切符を買って汽車内に乗り込んだ伊之助は、今度は「主の腹の中だ!」と大興奮。

煉獄を探していると、「うまい!うまい!うまい!」と連呼しながら山のような弁当を平らげている煉獄を発見します。

声をかける炭治郎にも「うまい!」と言って答えるほど。

 

煉獄に会いに来た事情を説明する炭治郎に、「ヒノカミ神楽という言葉は初耳だ!」として、この話を終わりにする煉獄。

しかも「俺の継子になるといい。面倒を見てやろう!」と話が別方向に…。
ここでちょっと呼吸の歴史解説が始まります。

炭治郎の刀は黒刀と知ると、「それはきついな!黒刀の剣士が柱になったのをみたことがない。さらには、どの系統を極めればいいのかもわからないと聞く」として、自分のところに弟子に来ないかと誘います。

 

伊之助が興奮して汽車とどちらが早いか競争するというのを、善逸が止めている様子をみた煉獄は、「危険だぞ!いつ鬼が出てくるかわからないんだ!」と一言。

その言葉に青ざめる善逸。

なんと、短期間のうちにこの汽車で40人以上の人が行方不明になっている事件が発生。
数名の剣士を送り込んだものの、全員消息が分からずじまい。
そこで、柱である煉獄がやってきた…という事だったのでした。

煉獄の話に、「出んのかい!鬼のところに移動してるんじゃなくて、ここに出るの、嫌ーーー!降ります!」と叫ぶ善逸。
時すでに遅し。

 

 

夢の中へ…

そこに、汽車の車掌さんが切符を切りにやってきました。
嫌な匂いをかすかに感じる炭治郎。

切符を切った瞬間、鬼の気配に気が付いた煉獄が立ち上がります。
扉近くにいた大きな体格の鬼の姿を、煉獄はたやすく一撃で倒してしまいます。

そんな煉獄の様子に、「すげえや兄貴!おいらを弟子にしてくだせぇ!」と頼み込む炭治郎。
善逸と伊之助も「煉獄の兄貴!」と弟子入り志願。
煉獄は快く「いいとも!立派な剣士にしてやろう」と承諾します。

…が、それは煉獄が見ている夢。

現実世界では、4人はすっかり眠りこけていたのでした。

 

実は、車掌は下弦の一の鬼に命令されて、血気術がかかっている切符で炭治郎たちを眠らせたのでした。

「言われた通り、切符を切って眠らせました。どうか早く私も眠らせてください。死んだ妻と娘に合わせてください」と涙ながらに、目の間にある手首だけの状態の鬼に懇願。
眠り鬼・魘夢(えんむ)が「お眠り、家族に会えるよい夢を」と声をかけると、そのまま倒れるように眠ってしまいます。

さらに、その反対外に控えていた少年少女4名に、炭治郎たちの夢の中に入って精神の核を壊してくるように命令を下します。

 

善逸の夢の中では、禰豆子の手をとって山の中を走っていました。
「こっちの桃がおいしいから。シロツメクサもたくさん咲いてる」と楽しそう。

伊之助の夢の中では、禰豆子、炭治郎、善逸を従えて洞窟を探検中。

煉獄の夢の中では、父に柱になったことを報告した日に。

「柱になったからなんだ」と、ふとんに寝転がりながらやる気のない声で答える父。

煉獄が静かに部屋を出ると、廊下には弟の杏寿郎が「父上は喜んでくれましたか?」と駆け寄ってきます。

もともと父も鬼滅隊の一員で、柱にまでなった人物。
情熱的な人で、煉獄や杏寿郎にも熱心に稽古をつけてくれていました。

ところが、ある日突然に剣士をやめ、鬼滅隊の活動には目もくれず家でゴロゴロしてばかり。
煉獄にも、どうしてそうなったのかわからないまま…

煉獄は正直に「どうでもいいとの事だ」と杏寿郎に伝えると、「頑張ろう」とぎゅっと杏寿郎を抱きしめて励ますのでした。

 

一方、炭治郎の夢は、家族が生きている頃に。

「兄ちゃん、おかえり!」という兄弟の声に、駆け寄ってぎゅっと抱きしめます。

「悪い夢をみていたようだ」と、家族と幸せな時間を過ごす炭治郎。

 

その頃、現実世界では、下弦の鬼に命じられた少年少女たちが、夢の中に入る準備を済ませていました。

魘夢が作った、繋げたものの夢の中に侵入できる特別な縄で夢の中に侵入。
無意識の領域にある精神の核を破壊して廃人にするべく、見つからないようにこっそりと動いていたのです。

 

まずたどり着いたのは、煉獄の中に入った少女。

ガラス細工のような精神の核を見つけると、これまた魘夢から渡されていた道具で壊そうとするのですが、本能で察知した煉獄が少女の動きを止めます。

現実世界で受けている圧力に苦しむ少女。
人を殺すわけにはいかないので、煉獄もこれ以上動けない。
まさに、膠着状態。

 

家族と過ごす夢の中にいる炭治郎の中でも、本能からの警告が表れ始めていました。

禰豆子が入っている木箱が見えたのをきっかけに、水を汲みにいった川では、水面に隊服を着た自分が何かを伝えようと必死の形相をしている姿が。

瞬間、引っ張られて水の中に。
「起きろ!攻撃されてる。これは夢だ!」と自分が叫んでいます。

その言葉に、自分が今、汽車の中にいることを思い出す炭治郎。

ですが、次の瞬間、平和な食卓に座っている。

「だめだ。目覚めてない、夢の中だ」と、自分が今、夢の中にいることをはっきりと意識。
でも、抜け出す方法が見つかりません。

 

その頃、木箱から転がり出てきた禰豆子。

うなされている様子の炭治郎をゆさぶり起そうとしますが、なかなか起きない。
まったく起きる様子のない炭治郎に、今度は頭突きで起こそうとするのですが、禰豆子の額が割れて血がでただけ。

それでも起きない炭治郎に、泣きながら血気術で炭治郎を炎で包んでしまいます。

 

その炎は、夢の中の炭治郎の体にも。

そして、炎が消えると同時に、炭治郎の姿もいつもの鬼滅隊に。
腰には日輪刀があります。

少しずつ覚醒している事に気が付いた炭治郎は、「ごめん…いかないと」と家を飛び出します。
そんな炭治郎を引き留める家族。

「でももう、俺は失った!戻る事はできない!」と自分に言い聞かせると、目に涙を浮かべながら、振り返らずにその場を去るのでした。

 

その様子をこっそりと見ていた少年が。

「早く精神の核を破壊しなければ…」と、近くの空間を切り裂きます。

するとその先には、一面に広がる青空と水面。
炭治郎の無意識領域です。

その美しさと暖かさに、少年は絶句したように立ち止まるのでした。

 

鬼の匂いをかすかに感じるものの、膜がかかっているように場所を特定できないでいる炭治郎。
禰豆子が血を流している状態、他の皆も眠っているのなら相当まずい状況であると、気持ちは焦るものの突破口にが見つかりません。

…と、ふいに背後に感じる父の気配。

「炭治郎、刀を持て。斬るべきものはもう在る」との言葉に、何をすべきかわかります。

それは、自分の首を斬る事。

もしも違っていたら…。
夢の中の出来事げ現実にも影響しているとしたら…。

そんな迷う心を振り切るように自分の頚に日輪等を当てると、一気に刃を差し込むのでした。

 

 

覚醒

「ああああああっ!!」と叫びながら目覚める炭治郎。
首元に手を当てると、何事もなかったように無傷です。

禰豆子の無事を確認すると、自分の手首に巻かれている紐が禰豆子の血鬼術によって焼き切れている事、そして切符からかすかにする鬼の匂いから、これが原因で眠らされたのだと気が付きます。

煉獄や善逸、伊之助の縄も、そのまま切るのではなく、禰豆子の血鬼術で燃やしたほうがいいような気がしたことからも、同じように焼いてもらいます。

この炭治郎のカンは正解で、もしもそのまま日輪刀で切っていたら、夢の主でない者は意識から戻ってくることはできなくなっていました。

 

縄を燃やした後、煉獄たちを起こそうと声をかける炭治郎ですが、いち早く気が付いた少女に刺殺されそうになります。

「邪魔しないでよ!あんたたちが来たせいで、夢を見せてもらえないじゃない!」と、他の少年少女たちも武器を手に炭治郎を囲います。

ただ、そんな中、炭治郎の夢の中に入っていた少年は違いました。
その表情に殺意はなし。

炭治郎の精神の核の暖かさ、そして優しさの化身である小人に触れ、結核という不治の病に苦しめられていた少年の心は癒されていました。
しかも、目覚めるときに小人を一人つかんで離さなかったことにより、その小人が暗く沈んでいた青年の心を明るく照らしていたのでした。

「ごめん。俺は戦いに行かなきゃならないから」と少年少女を気絶させると、「幸せな夢の中にいたいよね。わかるよ。俺も夢の中にいたかった…」とつぶやくのでした。

 

客車から出た炭治郎は、重たいほどの鬼の匂いを察知します。
禰豆子に皆を起こすように言うと、屋根伝いに先頭車両へと。
そこには、魘夢が。

「せっかく良い夢を見せてやっていたでしょう。お前の家族みんな惨殺する夢を見せることもできたんだよ?」と笑顔でいう魘夢に怒り心頭の炭治郎。
「人の心に土足で踏み入るな!」と刀を抜きます。

炭治郎の耳飾りに気が付いた魘夢は、「運がいいなぁ。これでもっと無残様の血を頂ける」とニヤリ。
血鬼術で眠らそうとしますが、炭治郎はかかった瞬間にそれを認識して自決し、覚醒する事を繰り返していました。

その様子に、「自分で自分を殺すというのは相当な胆力がいる。このガキはまともじゃない」と思う魘夢。

 

魘夢が炭治郎に見せていたのは、家族から責められる夢。

「なんで助けてくれなかったの?」
「俺たちが殺されている時、何してたんだよ」
「何のためにお前がいるんだ、役立たず」
「あんたが死ねばよかったのに…よくものうのうと生きてられるわ」

この悪夢は、炭治郎の怒りを増しただけでした。

「言うはずがないだろう、そんなことを。俺の家族が!!」と一気に魘夢の頚を切り落とします。

 

…が、手応えなし。

頭からにょきにょきと生えたような姿になると、「あの方が、柱に加えて耳飾りの君を殺せって言った気持ち、すごくよくわかった」と言う魘夢。

なんと、すでに目の前にいた魘夢は本体ではなくなっていたのでした。
頭の形をしているだけで、頭じゃない。
炭治郎たちが眠っている間、魘夢は汽車と融合していたのでした。

つまりは、列車自体が鬼。
列車に乗っている人間すべてが餌であり、人質。

「俺に“あおずけ”させられるかな?」と言うと、列車の屋根に同化して消える魘夢。

 

「一人で守るのは二両が限界だ!」と、慌てて煉獄たちの元に戻る炭治郎。
そこに、覚醒した伊之助が雄叫びと共に、屋根をぶち破って出てきます。

「眠っている人たちを守るんだ!この汽車全体が鬼になっている!」と叫ぶ炭治郎の言葉に、「やはりな…俺の読み通りだったわけだ。俺が親分として申し訳なかったというわけだ!」というや、乗客たちを食べようとする魘夢の体の一部をなぎ倒していきます。

その頃、禰豆子も必死に乗客を守っていました。
間一髪のところを、同じく覚醒した(?)善逸が助けます。

煉獄も覚醒。

 

すぐさま状況を把握した煉獄は、炭治郎に伊之助と共に鬼の頚を探すことを命じます。

伝えるや目にもとまらぬ速さで消える煉獄。
同じく煉獄から指示された伊之助と共に、再び先頭車両へと向かいます。

 

「怪しいぜ、この辺り特に!」とたどり着いた先頭車両には、人間の運転士がいました。

四方八方から鬼の手が伸びて伊之助を掴もうとしますが、炭治郎がすべて薙ぎ払います。

着地した真下から鬼の匂いを強烈に嗅ぎ取った炭治郎は、この真下に鬼の頚があることに気が付きます。
伊之助が切り裂くと、そこには巨大な鬼の頚が…。

急所なだけあって、鬼も血鬼術で炭治郎を眠らせようとしますが、夢の中ですぐに自決して覚醒。
かかったと見せかけて現実世界で自決させようとする罠も、イノシシの皮をかぶった伊之助によって助けれます。

途中、運転士が「夢の邪魔をするな!」と伊之助に切りかかりますが、これも炭治郎が体でかばいます。

そして、伊之助との連携で、鬼の頚に一撃を放つのでした。

 

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