03巻:凪のお暇ー凪の闇落ちー

凪のお暇(3) (秋田レディースコミックスDX) [ コナリミサト ]

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そもそも価値観が違った。

水族館でのイワシの群れ。
一匹だけはぐれてしまったイワシ。

心の中で応援する凪とは反対に、慎二は「なにはぐれてんだ。空気読めよな」。

挙句、「おまえイワシとか食うの!?あんなん貧乏人の食い物じゃん」

足立さんに言ったはずの言葉が自分にも刺さったことから、一体どこが好きだったのかを一晩中考えるものの、何一つ思い出せない。

 

理想の家族

モラハラまがいの仕打ちに耐えていたのも、好きだったからではなく、「営業部のエースで出世頭でみんな大好きな我聞慎二くん」だったから?

そこまで囚われてしまったのは、慎二の実家をみたからかもと、慎二の実家に挨拶にいった時の事を思い出す凪。

きれいで少し天然な専業主婦のお母さんと、誠実で優しそうな公務員のお父さん。
モデルルームみたいな大きい家に豪華な食卓。

ただ、実家にいるのに慎二の態度が完全によそ行きモードなど、違和感が半端ない。

でも、この波にうまいこと乗れば、表面上はこの理想的なおうちの一員になれる?
誰がみても?
あの人が見ても?

 

その頃、慎二は用事があるため実家に来ていました。
入る前に呼吸を整えると、作り立ての笑顔で「ただいま」。

テレビを見ながら「慎一かとおもったわ」と言う母に、「二の方でごめんね!」と笑顔でピース。

お父さんの所在を聞くも、「アッチのおうちじゃない?」とつれない返事。
母親の横顔から、「また顔をいじったな」と勘づきますが口には出しません。

きれいで少し天然な専業主婦とされる母は、実は美容依存の整形モンスター。
誠実で優しそうな公務員とされる父は、実は外に愛人4人と子どもまでいる。
物心ついた時からずっとこんなで、兄の慎一はトンズラ状態。

なのに、第三者の前では理想の家族ショーを演じる家族。

いつか前に見た水族館でのイワシの群れを思い出す慎二。

同じ方向に向かって見せつけるようかのように泳いで回るのが、嫌悪感を感じた。
一刻も早くその場を離れたかった。
一匹だけはぐれた力強く逆方向に泳ぎだしたイワシに、畏怖と憧れと懸念を抱いた。

そんなイワシに対して言った言葉に、向きなって言い返してくる凪が可愛かったと、「何か食べていく?」と出されたデリのおかずを食べながら思い出されます。

 

「キライ」

八百屋さんで、一山100円のイワシをお買い上げした凪。
ゴンさんとうららちゃんと一緒に調理し、おいしくいただきます。

そんな中、北海道の母から着信が…。

後でかけなおそうと無視していると、今度は知らない番号から鬼のように電話が。

その様子に、「第二形態に入ったか…」と、覚悟を決めて電話に出ます。
自分の呼びかけに出ないと、今度は周りの人間から固めてくる第二形態発動は、母がかなり怒っている証拠でもあります。

案の定、怒り心頭の母。
「お母さんを心配させて楽しんでるの?」と言う母に、必死に弁解します。
そして、母が望む通りの返答を心がけながら、母の話をいい子ちゃんよろしく母の話を聞きます。

今度、いとこの優ちゃんが結婚する事に対抗心を燃やす母。

「うちの凪は、東京で立派に働いているうえに、素敵な彼を捕まえてますからご心配なくって言ったやったわ」

でもそれは、おそらく本当は母が思っていることを、誰かが言ったていで凪に伝えてきているだけ。

「お母さんだけは、凪を信じているからね」という母の言葉に、「うん。いつもありがとう」と言う凪。

でも、その心の中では、私はこの人のこういうとこが…と思うも、結局は母の望むルートをなぞろうとしている自分がいることもわかっていました。
「これなら文句は言わせない」と。

そして、母の「結婚式が東京でおこなわれるので、そちらに行くからね」という言葉に真っ青になるのでした。




 

ゴンさんへの恋心

後日、母が働いている農家でとれたトウモロコシが凪の元に。

トウモロコシを見つめながら「どうしよう」と母が来ることに恐怖を感じていると、ゴンさんが。
そこで、ゴンさんにとうもろこしをおすそわけ。

実は、凪はトウモロコシが苦手。
味は好きだしバラバラになっているのは平気なのだけれども、一皮むいたぎっしりと並んでいる感じが苦手なのです。

さらにトウモロコシには、母との苦い思い出が…。

罪悪感をあてこするしかり方…私はあの人のああいうところがと思っていると、それが表情に出ていたらしく「相当キライなんだね」とゴンさん。

母の事を言われたのかと思い、「大人になった今ならわかるんです」と、父親が蒸発して女手一つで娘を育てる苦労についてフォローする凪。
でも、ゴンさんが言っていたのは「とうもろこし」。

凪の思いもよらぬ話に「キライなことを口に出して自覚すると楽になる事はあると思う」と言います。

その言葉に、母の自分は悪者にならないように細工するとことか、家では標準語で話すのに外では方言を使って良い人ぶるとか、とにかく口やかましいところとか「キライ」と言葉にすると、不思議なほどスッキリ。

「この数か月で鋭気を養って、凪ちゃんなりの闘い方を身につけて挑まないとね」というゴンさんの言葉に、気持ちが楽になるのを感じる凪。

ゴンさんといい感じの雰囲気になるのですが、「もー、からかわないでくださいってば!」と思わずかわしてしまいます。

が…

その夜は、動悸がバクバク。
モヤモヤしてちっとも寝付けないのでした。

 

公園でおにぎりをたべる凪。
思い出すのはゴンさんとの缶詰BBQ。

モヤモヤしている理由は、凪自身もわかっていました。

何回ともなくゴンさんといい雰囲気になったけど、いつもはぐらかしていた。
でも、心の底では「チューくらいしとけばよかった」と。

ブレーキをかけてしまうのは、「ちゃんと」経由の路線を外れないようにと、おかあさんに叩きこまれてきたから。

いや…その言い方はずるい。
私が怖くて踏む込めなかったんだと考えなおす凪。

そして、ゆらゆらふわふわ自由でいいなと、こんなにも惹かれていたのだと自分の気持ちに正直に向き合うことに。

 

夜。
勇気を出して、ゴンさんの家にお邪魔した凪。
見た事のない本やCD、そしてハンモックに大興奮です。

ゴンさんが作ってくれたお酒がおいしくて、ハイスペースで飲んでしまう凪。

「もしかして意外とお酒に強いの?」という問いかけに、「はい」と素直に答えます。

そして、これまでずっと飲めないふりをしていたことを話します。
その方が彼(慎二)が喜ぶと知っていたから。

凪の話に、「ちょっと自分に厳しすぎるんじゃないかな。もっと力を抜いてイイとおもうんだよ」と、ゴンさんとまたもやいい雰囲気に。

 

一線を越えた後、背中に感じるゴンさんお心音を心地よく感じる凪。
ふとゴンさんの方を向くと、まさかのソシャゲ!

凪の視線に気が付くと、さっさとシャワーを浴びにいくゴンさん。

凪が考える恋人たちとの時間とのギャップに違和感を感じ、「あれ?」となります。

 

その後も、連日カーテンを閉め切って、日の当たらない部屋で、朝のめざましからスッキリしてヒルなんですねと、ただただ、ただれた時間を過ごしている二人。

一緒に過ごすようになって、凪はゴンさんがとにかく自由な人であることに気が付きます。

まだ素っ裸の状態でかかってきた電話。
「うん、俺、今家だから、全然平気」と、慌てる凪の横で涼しい顔。

そんな事もあり、自分たちの関係は一体なんなのか不思議に思うのでした。

 

そんな気持ちを大島さんに相談。

凪の話に大興奮の大島さん。
恋の参考書と称して、少女漫画をどっさりと貸してくれました。

 

大島さんから借りた少女漫画を読みながら、どれも胸にギュンギュンきて面白いとは思いつつも、どの作品も「二人が付き合うまで」のプロセスであって凪が知りたい「fin」の後がない事に気が付く凪。

ゴンさんと一線を越えたのは早まってしまったのかなと真っ青になりつつ、思い出すのは慎二と付き合う事になった時の事。
一応、階段は踏んで始まっていたので、今のように悩むことはなかった。

隣の部屋から物音がしないことに、今夜はイベントだから朝までいないんだっけと思う凪。

ついさっきまで一緒にいたのに、もう会いたいと思う自分に少し怖さを感じていました。

のどからからで、よくわからない道を全力疾走。
この道で合っているのか不安に思いながらも、とにかく止まれない。

そんな感じに似ていたのです。

 

結局、朝まで漫画を読んでいた凪。
主人公の一途な思いが最後に彼に伝わってよかったと涙を流していると、ゴンさんが履いている雪駄の音が。

「帰った来た!」と慌てて顔を整えゴミをまとめて外に出ると、そこにはゴンさんの姿が。

「ゴミ出しがてら、眠気覚ましのコーヒーにつきあってくれる?」というお誘いに凪は笑顔。

コンビニでコーヒーを買って、ゴンさん行きつけの駄菓子屋さんに。
駄菓子屋さんの前にあるベンチに座って、しばしのひと時。

ゴンさんと過ごす時間に、心のモヤモヤが一掃されていくような凪。
徹夜で読んだ少女マンガから、段階うんぬんよりも自分の気持ちを伝えないとと、勇気を振り絞って「ゴンさんの事が好きです」と告白します。

凪の言葉に「うん、俺も凪ちゃん大好き!」と答えるゴンさん。

ゴンさんの言葉は嬉しいのだけれども…それで終わってしまっている状況に、やっぱり今の二人の関係がわからず。

…と、ゴンさんがポケットからカギを取り出し凪に。
「俺がいない時でも、勝手に入っていーよ」と。

これはそういう仲という認識でいいのかと、喜ぶ凪。

「ごはん、作って待っててもいいですか?」という凪の提案に、「何それ、めっちゃうれしー。今日のイベント、早めに切り上げられると思うから」とゴンさんも笑顔です。

 

依存

ゴンさんの帰りを待ちながら、夕食を作る凪。
そこにエリイさんが入ってきます。
レコードを取りに来たのでした。

「もしかして、ゴン待ち?あいつたぶん、朝まで帰んないよ。急きょノリで深夜DJタイムに代打で回すことになったから」と、レコードを探しながらいうエリイさん。

さらに、「あいつ誰にでも鍵を渡すからね。人との距離感がおかしいから、勘違いしちゃダメだよ。約束スッポかすとかデフォだし、マジくそだよ」との話に、真っ青になる凪。

見つけたレコードを持って出ていこうとするエリィさんを引き留め、詳しく話を聞きます。

 

凪の手料理に「うっまーーー!」と絶賛するエリィさん。
そして、ゴンさんのクソなところを話し始めます。

「あいつって優しいでしょ。一緒にいるとめちゃめちゃもてなしてくれて、その時に一番言ってほしい言葉をくれるでしょ」との言葉に、激しくうなずく凪。

目の前にいない人には不誠実。

そんなゴンさんにやられて横たわる老若男女の屍を称して「モーゼの海割り」という通り名まであり。

その昔、エリィさんもゴンさんの虜になったけれども、倒れていく屍を見て正気に戻ったと。

ゴンさんとうまくやっていくコツは、適度な距離を保つこと。
用法用量を守らないとダメ。
依存したら終わり。

…そう忠告して部屋を出ていくエリィさん。

見送りながらも、ゴンさんと会えない時間に感じる焦燥感に、「依存」の初期症状かもしれないと思う凪。

鍵…誰にでも渡してたんだ。
ゴンさん昔、エリィさんとも。
本当に朝まで帰ってこないの?
こんな簡単に約束反故されちゃうの?
舞い上がっちゃって私、バカみたいじゃない?

…と、思考が奈落の底にズブズブと落ちていきます。

 

そのままゴンさんの部屋で寝てしまった凪。
ふと気が付くと、そこにはゴンさん。

「昨日はごめんね。でも疲れて帰ったら、可愛い顔して凪ちゃんが寝ててうまい飯があって、ご褒美感ハンパなかったなー」と顔をすりすり。

そんなゴンさんの様子に、鍵や約束を反故された悲しみも解けていきます。

 

用法用量を守ってと忠告を受けたのに、連日のようにゴンさんのイベントに通うようになった凪。
すっかりイベント仲間とも仲良しに。

ゴンさんといると吸えるこのおいしい空気が大好きと思いつつ、終電の時間にはきっちり帰ります。

なぜなら、夜中組としてエリィさんが来るから。
忠告を受けている手前、後ろ暗い。

ただ、帰りの電車の中では、「やっぱり、朝までいるべきだったかな」と屍のような状態になってしまっています。

さらに、交通費・イベント代・ドリンクチケットと大きな出費が続いて貯金残高も寂しいものになってきている事も、不安な気持ちを増大させます。

気持ちはどんどん暗くなり、被害妄想や幻聴幻覚が日に日にひどくなっていくばかりです。

 

眠れぬ夜を過ごした凪。
さすがにこれではヤバいと真っ青。

気分を一掃するために、スーパーに言って図書館寄って、貯金通帳を記帳してこようと現実を見るために外に出ます。

が…

そこにはバイクに乗ったゴンさんが。
ドライブに誘われた事で先ほどまでの気持ちは吹っ飛び、ゴンさんの後ろに乗ってドライブです。

 

着いた場所は海。

はしゃぐ凪に「元気が出たみたいでほっとした。イベントの帰り際、一瞬ちょっと暗い顔してた気がして、ずっと気になってて」と。

その言葉に、「目の前にいる人に誠実なら、それで良くない?」と、ゴンさんと一緒にいるときのおいしい空気を、ずっと吸っていたいと思う凪。

ゴンさんと会えない時、ぐるぐる考えちゃう弱い自分を掌握しなくちゃと強く思うのでした。

 

アパートに帰ると、ゴンさんのところに女性が訪ねてきます。

美大生のモルちゃん。
イベント用のディスプレイ用の絵を店に来ると約束していたのでした。

「私はヤオニアの特売にでも行ってきます。ごゆっくり」とその場を離れる凪。

自分のとっての王子様が他の誰かの王子様だってことが、想像を絶する辛さだという事にうっすら気が付いていた凪。
目を閉じ、見なければないものと一緒だと、予防するようになかったことにしようとしていたのでした。

 

慎二とゴンさん

貴重な日曜日。
大雨の中、片道1時間かけて都落ちした元カノ・凪に会いに行く慎二。

タイムロス・コスパ・メリット・デメリット・メンツ…ちょっと検討すれば、バッサリ切る事だとわかる。
でも、この件に関してだけは割り切れない。
そんな自分に引きぎみ。

 

その頃の凪は、ゴンさんが留守ということでふとんから出ないまま。
不安な心を寝ることでやり過ごそうとしていました。
耳には耳栓を入れて。

なので、慎二がいくら呼び鈴を押しても気が付かず。
連打する慎二に、「凪ちゃんに用事?」と来たのはうららちゃん。

「いてもいなくても出てこないと思うよ」という言葉に、「どゆこと?」と聞くと、うららちゃんもここ最近まったく会えていない様子であることを言います。

「正直、凪ちゃん最近おかしいよ。あの人と『青春』するようになってから変」と、指し示すのは、これまた丁度帰宅してきたゴンさんでした。

 

「この寒い中、外で凪ちゃんを待つのは辛いでしょ」と、ゴンさんの部屋に招き入れらる慎二。

「最近、あいつとつるんでんでしょ?凪と二人して『青春』してるってうららちゃんが」というと、「確かに最近、ちょいちょいかまってもらってるけど。我聞君が心配するような仲じゃないから安心して大丈夫だよ」と笑顔。

出された麦茶のミルク割りを「この麦茶自体がうまい気がする」と絶賛するのですが、なんと凪が入れてくれたもの。
その事に、「部屋に来るくらいの関係性ってことじゃねえか」とイラッ。

そして、なぜか凪を待つ間、PS1で勝負をすることに。
布団を丸めた簡易ソファに座り、スナック菓子を食べながらゲームに興じる二人。

ゴンさんと話しをすることで、「垣根のない奴か」と分析します。

こんなん隣に住んでたら、確実に落ちるだろと思うのでした。

 

出かける時間にり、「凪ちゃんが帰ってくるまでゆっくりしてきなよ」と鍵を渡すゴンさん。
そんな様子に、「カジュアル過ぎんだろ」と思う慎二。

何をやってんだと簡易布団ソファにごろんと横になると、そこに数本のちぢれ毛を発見します。

間違いなく凪の髪。
「どの面下げて、あの野郎」と毒づくのでした。

そして、トイレに入った際に、ユニットバスの洗面台に大量にあるものをみて青ざめます。

 

帰り道、「とんでもない深淵を見ちまった」と顔色の悪い慎二。

もしもあんなの相手にしてるんだとしたら…とコンビニの方がを見ると、そこには凪の姿が。

思わず「な、凪!」と声をかけますが、振りむいた凪は別人のように顔色が悪い。
その様子に何も言えず。

一方、凪は慎二に気が付くと、「なんでまた来たの!?」とダッシュで走り去ろうとします。
が、慎二もその後を追いかけます。

とにかく話をしねぇとと、引き留めるためにとっさに慎二の口から出たのが「今日、お前の隣の男んちに上がったぞ」。

その言葉に、食いつく凪。

そんな凪の様子に、うららちゃんが言っていた言葉が本当だったと知る慎二。

でも凪は「心外だよ。私は毎日こんなに健やかなのに」と、自覚していない様子。

凪が持っていたコンビニの袋を取り上げると、「どこが健やかだ!節約魔のおまえがコンビニでこんな散財ありえねぇ」と、明らかに自堕落な生活をしている証拠を指摘します。

そして、ユニットバスの洗面台に大量に置かれた化粧水を指摘。

「おまえ以外に何人も女がいるような男でいいのかよ」と言いますが、「全然いいよ。だって二人でいるときは幸せなんだもん。むしろゴンさんみたいな人は、みんなでシェアしなくちゃ」と返されます。

「自由にやらせてよ。だってせっかくのお暇なんだしさ」と言う凪に、呆然とする慎二。

手で顔を覆うと、「おっ、まえ、さあー。マジですべってんなよ…っ」と言うのでした。

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