「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」志賀 晃

スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼 (宝島社文庫 このミス大賞) [ 志駕晃 ]

価格:702円
(2018/11/21 17:57時点)

ネットの怖さが身に染みてわかる、誰にでも起こりうる話「スマホを落としただけなのに」。
その続編です。

前作からまだ日も浅い、まさに捕まった直後と言ってもいいぐらいのホヤホヤ(これは言いすぎかしら?)の続きです。

しかも、今回は前回の犯人が一緒に事件を調べることになるのですからびっくり。
まぁ、ここまではありがちなパターンですが、最後は見事に意表をついてくれます。

できれば1冊目「スマホを落としただけなのに」を読んでからの方が、話の流れ的にはわかりやすいです。
本に巻かれている帯にも、「第1弾の前には、絶対に読まないでください!」なんて書かれています。

ちなみに、シリアルキラー・浦野が、なんだか「金田一少年の事件簿」に出てくる「地獄の傀儡師」もしくは「犯罪芸術家」とも呼ばれている高遠遙一(たかとお よういち)にイメージがかぶる…。

さて、ストーリーはこんな感じ↓


神奈川県警生活安全サイバー犯罪対策課の桐野良一はあるPCから、死体で見つかった女の情報を探っていた。
そのPCは、「丹沢山中連続殺人事件」の犯人のものだった。
秘密を探るうち、犯人は桐野にある取引を持ちかけ――。

その頃、巨額の仮想通貨流出事件が発生。
セキュリティ会社で働く美乃里のもとに、ハッカーらしき男からコンタクトがあり……。

情報化社会の恐怖を描くサイバー・サスペンス!

*「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」背表紙より抜粋


 

神奈川県警生活安全部サイバー対策課に配属されたばかりの主人公・桐野良一。
刑事課から調べてほしいと頼まれたパソコンのハードディスクを調べていました。

特命の案件ということで、恋人の松田実乃里の誕生日でデートの約束があるからと、勝手に切り上げることもできない。
急いで仕事を片付けて結果を報告しようとしていたのですが、別の案件を急ぎで申し付けられてしまいます。

それが、前作のシリアルキラー・浦野善治が使っていたパソコン。
このパソコンに中に、長谷川祥子という女性の情報がないかどうかを調べるように言われます。
しかも翌朝までに。
という事で、デートもドタキャンです。

その頃、すっぽかしを食らった実乃里を見つめる男が一人。
スマホをハッキングして、個人情報を細かく入念に調べていきます。

翌朝、桐野は「長谷川祥子という女性に関するデータはなかった」と説明するために、浦野を捕まえた毒島徹刑事に会いに行きます。
そこで、浦野が殺して埋めたと思われる被害者について話を聞きます。

取り調べでわかったのは6名。
前作では出てこなかった名前も。

浦野は、大人しく素直に聞かれた事に答えるのですが、最後に見つかった長谷川祥子という人物については何も話さないのだと…。

しかも、長谷川祥子は黒髪ではなく、茶髪で軽くカールをかけたセミロング。
これまでの浦野の好みとはかけ離れたヘアスタイルなのです。
毒島は、桐野に「宇浦野と会ってみないか」と持ち掛けます。

その頃、ネットでは仮想通貨流出事件で大騒ぎ。
実乃里を調べている男も、この事件に関係があるようで…。




今回はの作品には、前作の主人公・稲葉麻美は出てきません。
出てくるのは刑事の毒島さんと犯人の浦野。

桐野良一…サイバー犯罪対策課の天才ハッカー。実は秘密である事件について調べている。
松田実乃里…桐野の恋人。

浦野善治…シリアルキラー。Mについて何か知っているよう。桐野と共に事件を調べる。

JK16…ホワイトハッカー。天才美少女ハッカーと噂される秘密の人物。

M…ダークウェブ界で有名なカリスマクラッカー。
兵頭彰…Mの正体ではないかと言われる。でも実は…。

宮本まゆ…デリヘル嬢。浦野に殺されて山に埋められた最初の犠牲者。
池上聡子…デリヘル嬢。2番目の犠牲者。
小森玉枝…デリヘル嬢。3番目の犠牲者。
猪俣明日香…派遣のOL。4番目の犠牲者。
西野真奈美…浦野の一番のお気に入り。5番目の犠牲者。

長谷川祥子…派遣のOL。宮本まゆよりも前に殺された可能性も。
吉見大輔…長谷川祥子の同僚であり恋人。プログラマー。

神宮寺紗綾子…全裸で山に遺棄されていたのを発見。埋められてはいない。

毒島徹…浦野を捕まえた刑事。
斉藤…本部長。帳場を仕切っている本部長。

優香…実乃里の親友。桐野との仲についていろいろと相談する。
森岡一…桐野が勤めていたセキュリティ会社の社長。実乃里の上司でもある。

丹沢秀一…仮想通貨流出事件の被害を受けた会社・ビットマネーの社長。
久保田稔…ビットマネーの副社長。

桐野の母…入院・手術と、体の調子がここのところ良くない。
桐野の父…公安警察官。殉職している。

 

山からは男の死体が発見されるなど、前作とは別の殺人も起こっていたことが発覚。
仮想通貨流出事件も絡まって、話が進んでいきます。

クライマックスでは、日本の警察や市民も巻き込んだサイバーテロも起こり、まるで映画のようなハラハラドキドキが!
思わず、最後は一気読みしちゃいます。

<関連書籍>

スマホを落としただけなのに




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です