03巻:鬼滅の刃ー稀血と鼓の鬼ー

鬼滅の刃 3 (ジャンプコミックス) [ 吾峠 呼世晴 ]

価格:432円
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愈史郎の案で、炭治郎は矢琶羽を、愈史郎・珠世・禰豆子で朱紗丸を相手に戦う事に。

禰豆子は、愈史郎と珠世が傷つき血を流す母と弟に見え…一気に闘志を燃えたぎらせます。

炭治郎は必死に矢琶羽の隙の糸を探しますが、矢琶羽の血気術によって苦戦を強いられます。
それでも、戦いの中で矢琶羽の攻撃を読み取り、なんとか首をはねます。

ところが、矢琶羽の攻撃を数多く受けており、連続して起こる攻撃に対して連続に技を繰り出し、なんとかしのぐもののあばらと脚が折れるという重傷を負ってしまいます。

疲労で刀も握れない炭治郎。
口に刀を加え、這いながら禰豆子たちのところに向かいます。




一方、禰豆子の方は、朱紗丸が投げてくる毬によってズタボロにされてしまいますが、珠世の助けや禰豆子自身の能力からも朱紗丸と対等に渡り合えるぐらいに急成長。

はげしい毬の蹴り合い。
朱紗丸が本気を出そうとしたのを見計らい、「本気を出されたら厳しい…」と珠世が自身の能力・白日の魔香で朱紗丸を翻弄します。

珠世の幻惑によって、鬼舞辻無惨が仕掛けていた呪が朱紗丸に発動。

この呪は、鬼たちが束になって鬼舞辻無惨を襲ってくるのを防ぐためのもの。
鬼が群れることができない、共食いするように操作しているのです。

呪の発動によって、朱紗丸の身体の内側から腕がにょきにょき体をぶち破りながら出てきて、朱紗丸を握りつぶします。
そのあまりにもひどい仕打ちに、珠世は目をそらし、炭治郎たちは言葉を失っていました。

この呪は、体内に残留する鬼舞辻無惨の細胞に肉体を破壊されます。

鬼同士の戦いでは致命傷を与えることはできず、それができるのは日の光と鬼滅の剣士が持つ刀のみ。
ところが、鬼舞辻無惨だけは鬼の細胞を破壊できるようになっているらしいと、珠世は炭治郎に説明します。

そして、朱紗丸の身体から転がってきた目玉をみて、「この方は十二鬼月ではありません」と断言。

十二鬼月には、眼球に数字が刻まれているというのです。
さらに、矢琶羽も弱すぎるため十二鬼月ではないと。

 

…と、炭治郎の耳に、とぎれとぎれに毬で遊ぼうと言う朱紗丸の声が。

炭治郎は痛む体を引きずりながら、毬を朱紗丸のそばに置いてあげます。

日が昇り、消えていく朱紗丸を見ながら、自分を慕うものにすらこの仕打ちをする鬼舞辻無惨は本物の鬼だと悲しい顔で思うのでした。

 

日が昇ったため、建物の中に避難していた禰豆子・愈史郎・珠世の3人。

戻ってきた炭治郎をぎゅっとハグする禰豆子。
続いて、珠世をハグし、隣で怒る愈史郎の頭をなでなで。

禰豆子のハグに不思議がる珠世。
「家族の誰かと、人間だと判断し守ろうとしているのだと思います」と炭治郎が思った事を伝えると、珠世は「ありがとう」と涙を流すのでした。

その姿に愈史郎は、かつて病で病床にいた人間だった頃の記憶が思い出されるのでした。

 

鬼舞辻無惨に近づきすぎた、早く身を隠さないと危ないのでこの地を去ると、炭治郎に伝える珠世。
禰豆子を預かろうかと、禰豆子の安全を考えて提案する珠世の言葉に炭治郎は迷いますが、禰豆子のまっすぐな視線に辞退します。

「俺たちは一緒にいきます。離れ離れにはなりません。もう二度と」

と言う炭治郎に、優しく微笑みながら別れを告げる珠世。
去り際、「おまえの妹は美人だよ」と背中を向けて言う愈史郎に、炭治郎は満面の笑みを浮かべるのでした。




 

珠世たちと別れた炭治郎は、カラスによって次の目的地に向かっていました。

その途中、道のど真ん中で女性にすがりつき、「結婚してくれーーー!」とわめき散らす男性が…。

…と、炭治郎に気が付いた雀が一羽、炭治郎のところに飛んできて事の顛末を説明します。

それにわかったと答えて、男性をひっぺがす炭治郎。

なんとその男性は、最終選別にいた一人。
女性は、道でうずくまった具合悪そうにしていた男性=我妻善逸(あがつまぜんいつ)に声をかけただけ。
善逸が、自分を好きで心配して声をかけてくれたと解釈しての騒ぎでした。

怒ってその場から去る女性。
善逸は「お前のせいでけっこんできなかったんだから責任とれよ!」と大騒ぎ。

そんな善逸の醜態に、「なんで剣士になった!?そんなに恥をさらすんだ!?」と炭治郎が問うと、善逸は自分がなぜ鬼滅隊員になったのかを話します。

女性に騙されて借金。
その借金を肩代わりしてくれたのが育手。
毎日毎日地獄の鍛錬で、最終選別で死ねると思ったのに、運良く生き残るから今だに地獄の日々だと。

次の目的地に向かいながら、「善逸の気持ちもわかるけど、雀を怖がらせたらダメだ」と諭す炭治郎。

善逸だけでなく、雀からも「善逸は仕事に行きたがらないし、女の子にすぐちょっかいを出すし、イビキもうるさくて困っている」と話を聞いてたのでした。

 

鴉の案内で着いたのは、山名の中にある一軒家。
血の匂いが漂います。

…と、近くに怯えた様子の子どもが二人、佇んでいました。
炭治郎が近寄り「こんなところで何してるんだい?」と問いかけても、恐怖で声を失っている様子。

そこで、すずめと協力して、“手乗り雀”で恐怖心を和らげます。

その作戦は功をなし、何があったのか話し始めました。

夜道を歩いていたら、兄だけが突然連れ去られたと。
兄はケガをしており、その血の跡をたどったら、この家の前に来たと。

近くにいた善逸が気持ち悪い音がさっきからずっと聞こえると言うと、2階の窓から全身血だらけの男の人が投げ出されてきました。

慌てて炭治郎が駆け寄り声をかけるも、残念ながら死んでしまいます。
同時に、家の中から雄たけびが響きわたります。

「兄ちゃんは、柿色の着物をきている…」と震える声で言う兄妹。

炭治郎は兄妹に禰豆子が入っている箱を渡し、「もしもの時のためにこの箱を置いていく。何かあっても、二人を守ってくれるから」と言い、嫌がる善逸と共に家の中に入っていきます。

 

「守ってくれるよな!?」と連呼する善逸に、炭治郎は「ちょっと申し訳ないが…」と少し前の戦いであばらと脚が折れて完治していない旨を伝えます。

パニックになる善逸。

善逸を落ち着かせようとしたとたん、兄妹が炭治郎たちを追いかけて家の中に入ってくるのが目に入りますした。

箱の中からカリカリ音がし、怖くなってついてきてしまったと。
それを聞いた炭治郎は、「置いてこられたら切ないぞ!」と大慌て。

 

…と、家がきしむような音を立て、それにびっくりした善逸が炭治郎にぶつかり、炭治郎と妹は隣の和室に入ってしまいます。

その瞬間、「ポン!」という鼓の音と共に部屋の様子が様変わり!
炭治郎と妹(てる子)、善逸と兄とに二手に別れてしまいます。

しかも、部屋が変わってすぐに鬼の姿が。
炭治郎とてる子の近くを、体に鼓を何個も入れた鬼が通り過ぎます。

一方、兄(正一)と二人っきりになってしまった善逸。
炭治郎と離れ離れになってしまったことでパニック!

「てる子!」と探そうとする正一を、「大声出したらダメ!外に出よう!」と必死の形相でつかまえます。
その姿に、正一が冷静に諭します。

「子供だけでどうにかできることじゃないから!」と、入ってきた玄関扉を開けると、その先には見た事もない部屋。
さらに近くの襖を開けると、そこには猪のお面をかぶった怪しげな人物が…。

猪のお面の男は、何も言わずに走り去っていくのでした。

 

鬼と遭遇した炭治郎たちですが、鬼は炭治郎たちに気が付くわけでもなく、怒りながらぶつぶつと独り言。

炭治郎が名乗り鬼に向かっていくと、「俺がみつけた“稀血”の子どもなのに!」と叫び鼓をポン!

すると、部屋が回転。
それが、この鬼の血気術でした。

そこに、さきほど善逸たちと遭遇した猪のお面をした男が。
鬼殺隊が持つ日輪刀を手に、鼓を生やした鬼に向かっていきます。

ところが、鬼が鼓を打つたびに部屋が回転し、挙句の果てに鬼の姿も消えてしまいます。

猪男に踏みつけられているてる子を助けるために、炭治郎は猪男を投げつけます。
すると、「いいね!人間に投げ飛ばされたのは初めてだ!」と、今度は炭治郎に刃を向けてきます。

てる子を抱えながら猪男の刃をよける炭治郎。
同時に、姿は見えずとも鬼が鼓を打つことで繰り出される獣のような爪痕!

猪男は笑いながら廊下の奥に走り去り、残された炭治郎は鼓の音や部屋の変化、攻撃からその特徴をつかんでいきます。

そして、部屋が変わり、鬼とも猪男とも一時離れたように落ち着きます。

炭治郎は鬼の…複数の鬼の匂いをかぎ取り、鼓を生やした鬼以外にもいることを察し、てる子と共に別の部屋へと移動していきます。

途中、食い散らかされた人の姿をみつけつつ、これまでに嗅いだ事のない独特の血の匂いをみつけ、匂いを頼りにその部屋の前に。

扉を勢いよく開けると、そこには鼓を持つ少年が!
探していたてる子の兄(清)でした。

 

一方、外に出れずにさまよう善逸と、善逸にしっかりと手を握られている正一。
そこに、鬼が床下から登場。

鼓のない、別の鬼。
「ぎゃーーーーー!!」と逃げる善逸と正一を長い舌で追いかけます。

恐怖で動けなくなり、「俺のことはいいから一人で逃げろ!」と言っている間に鬼に追い付かれてしまいます。

「お前の脳髄を耳からぢゅるりとすすってやるぞぉ」と近づいてくる鬼の姿に、善逸の中で何かがぷっつり!
そのまま寝てしまいます。
正一、呆然からパニック!

「なんだそいつは!」と笑いながら長い舌を伸ばしてきた鬼。
ところが、善逸達に届く前にバッサリ切られてしまいます。

みれば、善逸が正一を庇うように立っており、空気を震わすように音を発しながら刀を構えます。
そして、一瞬にして鬼の首を一刀!

鬼の首が床に落ちると同時に、善逸が目覚め、足元にある鬼の首に驚き飛び上がります。

「急に死んでるよ!なんなの!?」と震えながら言うと、呆然としている正一に「正一君…まさか…」と正一が鬼を倒したと勘違い。

当の正一は、今目の前で見た事が信じられず困惑していました。

炭治郎は匂いから感じていたのですが、実は善逸は相当な腕の持ち主。

眠くなると強くなるといった特殊体質で、普段は緊張や恐怖で体がこわばりうまく動かせないのですが、命の危機を前にし極限を超えると失神するように眠りについてしまうのです。
本人に自覚はなし。

 

その頃、走り続ける猪男。
角から急に出てきた鬼の一撃を避け、とびかかっていきます。

これまで見たことがない3匹目の鬼。
猪男はあっさりと倒して、次の鬼を倒すべく、また走り去っていきます。

 

別の場所を、鼓を生やした鬼が「稀血…あれさえ喰えば、また十二鬼月に戻れる…」とつぶやきながら歩いていました。
向かうはてる子の兄・清の元。

鼓の鬼はもともと十二鬼月の一人でしたが、次第に人減を食べることができなくなり、鬼舞辻無惨から数字を剥奪されていました。
また認められるために、稀血の人間を探しており、清をさらったのです。

 

その頃、清を見つけることができた炭治郎。
清の傷の手当てをすると、何があったのかを尋ねます。

鬼に攫われた清は、喰われそうになったところに別の鬼がやってきて、3人の鬼同士で誰が清を食べるかで殺し合いが始まったと。
戦いの最中で、清をさらった鬼の身体に生えていた鼓が転げ落ちたのをとっさに広い、叩いて部屋を変えてなんとか逃げ延びていたのでした。

鬼は清を稀血と呼んでいたと知ると、いつの間に来たのか鴉が「稀血」について説明を始めます。

稀血は数少ない珍しい血で、稀血一人で50人から100人もの人間を食べたのと同じくらいの栄養がある鬼のごちそう。
大好物だというのです。

 

鬼の気配を感じとった炭治郎は、清とてる子にこれまでのように鼓を打って逃げるように伝えます。
そして、廊下から現れた鬼の姿を確認すると、「叩け!」といって自分は鬼に向かっていきます。

鬼の様子から、生えている鼓の位置による働きを違いを得る炭治郎。
鱗滝の言葉を思い出し、ケガや鬼の強さにひるみそうになっている自分を鼓舞して戦います。

 

炭治郎と戦いながら、鬼の中で蘇る過去の記憶。

自分が書いた作品をゴミのようだと、ひどい言葉で否定する男性。
原稿を捨て、「趣味の鼓でも叩いていたらいいんだ」と大事な原稿をぐしゃりと踏みつぶして出ていこうとする男性を、鼓を叩いて抹殺した時のことが思い出されます。

「消えろ!虫けらども!」

その時の怒りを発散するかのように鼓を連打する鬼。

必死に耐える炭治郎は、着地時に手書きの原稿を踏みそうになりますが、間一髪で避けます。
その姿に、鬼は一瞬目を見張ります。

紙を踏まないように避けたおかげで、ケガをカバーしながらの身体の動かし方、呼吸の仕方がわかった炭治郎。
攻撃をかわしながら隙の糸をみつけ、「君の血気術はすごかった!」と言い首を一刀します。

炭治郎のその言葉に、釘付けになる鬼。

事切れる前に、「小生の血気術はすごいか…」と問いかけます。

それに対して、「すごかった。でも、人を殺したことは許さない」と答える炭治郎。

鬼は「そうか…」とつぶやくと、自分の書いた原稿を大事にしてくれたこと、そして血気術や鼓を認めてくれたことに涙を流し消えていくのでした。

 

鬼を倒してる子と清を迎えに行くと、綴りは消えてなくなっていました。
匂いから善逸と正一は無事に外に出ている事を知った炭治郎は、急いで自分たちも外に出ます。
ところが血の匂いが…

外れた玄関扉の外には、禰豆子が入っている箱を必死に守る善逸に、「刀を抜いて戦え!」と蹴飛ばしている猪男の姿が。

炭治郎の姿に気が付いた善逸。

「俺、守ったよ…お前が…命より大事な物だって…言ってたから…」

…と、血が出て腫れた顔を上げて言うのでした。




 

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