23巻:名探偵コナンー影の計画師ー

名探偵コナン 23 (少年サンデーコミックス) [ 青山 剛昌 ]

価格:499円
(2021/1/12 11:14時点)

博士がくれた割引券で、映画を観に来たコナン達少年探偵団。

どの映画をみるかで揉めるものの、ジャンケンで「ゴメラ」三本立てに。
コナンは子どもの頃に何度もみたことがある映画なので、少々退屈です。

そんなコナンとは裏腹に、大盛り上がりのあゆみ・光彦・元太。
はしゃぎすぎて、大学生・井出敏行から注意をうけてしまいます。

あゆみと元太の言葉からコナンも、ロープやらはしごやらとやたらと散らっている映画館の雰囲気に疑問が。
しかも、お客さんはコナン達と井出だけ。

その答えはすぐにわかりました。



 

2本目のゴメラ映画が始まる前に、小腹を満たすためにポップコーンを買いに行くのですが、注文数3以上の5つのポップコーンをサービスしてくれた売店のお姉さん・友里百合子。

「坊やたち、よくここへ来てくれるし。今日は最後のお客さんだから…」との事。
「今日で閉めることにしたんじゃよ…」と、杖を手にした映画館主・松村昭雄。

なんと、30年続いたこの映画館が本日で最後。
コナンが不思議に思った散らかり具合も、解体作業の準備だったのです。

 

「まったく、明日まで待ってくれればいいのに…」とぼやく友里の言葉に、「まあ、そういいなさんな。こちとらすぐにでもぶっ潰したいのを…今日まで引き延ばしてやってんだ…」と、ガラの悪い男がたばこを吸いながら近づいてきます。
張田政次、映画館を買い取る予定の不動産屋です。

「いっその事、ゴメラがここを踏みつぶしてくれると、われわれも助かるんだが…」と悪態をつく張田に、映写技師の古橋稔が「場内は禁煙だ!毎回毎回、注意させんなタコ!」とけん制。

張田は煙草をそばにある吸い殻に入れず、足元に落として踏みつけると「明日から気を付けるよ…」と言い、笑いながら劇場の中に。

 

気になったコナンが話を聞くと、張田は毎日のようにこの映画館にやってきており、張田が来た日には必ずと言っていいほど上映中にチンピラ同士のケンカが。
そのせいで、お客さんの数も減少。

「きっとあの人が雇ったチンピラよ!騒ぎを起こしてここの評判を下げて、閉館に追い込んだんだわ!」といきり立つ友里をなだめる松村。

そろそろ上映時間ということで、それぞれがまた仕事に戻る中、コナンたちも劇場の中に。

 

2作目のゴメラが始まると、張田は前に座っていたカップルに嫌がらせをして無理やり追い出してしまいます。

その様子に、チンピラを雇っていたという友里の話は本当だったんだなと確信するコナン。
思わず、少し離れた席で映画をみている松村に同情してしまいます。

 

と…

場内の寒さに震える光彦。
エアコンの効きがよすぎるようです。

寒さが気になりつつも映画を観ていると、スクリーンに大きく被る黒い影。

コナンが後方の映写室の小窓を見ると、そこには何かがぶら下がっている…。

その異変に松村、古橋、友里、井出も気が付き、場内の明かりが付けられます。

…と、そこにあったのは、ロープで首を吊るされ絶命している張田の姿でした。

 

***************

 

鏡を使ったトリックに気が付いたコナン。
阿笠博士に口パクをお願いして、事件解決です。

大切な映画への思いを踏みにじるような行為への怒りから起こった今回の事件。最後、少年探偵団によって映画館の廃館が却下されるのでした。

 

 

影の計画師

新聞に掲載されていた「小笠原イルカツアー無料ご招待」のクイズ。
コナンの推理で見事解き、コナン・蘭・小五郎は、小笠原行のクルーザーに乗り込みます。

そこで、2年前に定年退職したかつての上司、元捜査一課警視・鮫崎島治に会います。

鮫崎がいた事に驚く小五郎に、「今日は特別な日だからな…」と寂しげに返す鮫崎。
不思議そうな顔をする小五郎に「10年前に刑事を辞めたおまえが忘れちまうのも無理ねぇか…」と朗らかに笑い、別の話題に。

 

小笠原への無料招待は先着10名まで。

最後の乗客・海老名稔がチェックインしていると、「どこかで会った事ないか?」と鮫崎が声をかけますが、「人違いでしょう…」と足早に去っていきます。

その様子が気になる鮫崎でしたが、小五郎と話すフロント係の「この船で事件が起こっても安心ですね!元刑事さんや探偵さんが合わせて3人も乗られているんですから…」という言葉から、すぐに意識はそちらに。

 

夕食時。
和やかな雰囲気で、他の参加者と共に食事を楽しむコナン達一行。

が、まだ食事に来られていない参加者の名前をボーイが口にしたことで、コナン・蘭・小五郎以外の皆が瞬時に血相を変えます。

その名は、叶才三(かのうさいぞう)。

険しい表情で叶が泊っている部屋を聞く鮫崎。

「どっかで聞いたことがあるな…」と考え込む小五郎に、「馬鹿野郎、忘れたのか!?昔、ワシと共におまえが追ってた4億円強盗殺人事件の主犯、影の計画師だ!!」と怒鳴ります。

 

急ぎ叶の部屋に行きますが、そこはすでにもぬけの殻。
鮫崎はすぐさま他を探しにいきます。

小五郎も別方向に行くように指示されますが、もう一人、食事に来ていなかった人物…それも探偵と名乗る人物が隣の部屋だという事を同行していたボーイから聞き、扉を激しくノックして所在を確認しようとします。

激しく扉を叩いても出てこないので、ボーイに頼んで合鍵で開けようとするのですが、その瞬間、扉が急に開き、探偵と名乗る謎の人物の姿が。

なんと、服部平次でした。

 

小五郎から「影の計画師」について話を聞く服部。
「ガキの頃、オヤジに聞いた事があるなぁ…」とうすぼんやりの記憶があるようです。

「奴はあんな所で簡単にくたばる奴じゃない」と、いつの間にか戻ってきていた鮫崎が。

叶の時効は切れているけれども、他の3人の仲間の時効はまだ成立していないという鮫崎の言葉に、「小笠原についてから向こうの警察と一緒に探しましょう!」とのんきな小五郎。

「馬鹿野郎!そんな時間はねぇんだよ…」と鮫崎は、今夜の午前零時をもって時効が成立することを伝えます。
鮫崎が言っていた「特別な日」というのはこの事だったのです。

 

とりあえず、鮫崎と小五郎は船内を捜索するということで、蘭によってコナンと服部はレストランに無理やり連れ戻されます。

その去り際、「じゃー、待ってるからね…お父さん!」と蘭が小五郎に声をかける姿にハッとする鮫崎。

 

レストランでお茶をするコナン達3人。

「意外よねー、服部君がイルカ好きだったなんて!」と言う欄に、「ちゃう!ちゃう!俺がこの船に乗ったんは、変な手紙のせいや!」と、1週間前に届いた、今回のツアーの正体主である古川大からの手紙について話し始めました。

その手紙には、事件の依頼がしたいので小笠原まで来てくれと書かれていました。
依頼料として10万入り。
差出人の住所はないし、入っていたお金は古い札ばかり。
「船乗り場でそれをみせれば乗せてくれる」と。

面白そうな事件なので興味はあるものの、平次はお金をもらっての依頼は受けた事がないので、直接会ってお金を返そうと思い船に。

しかも、小五郎たちも誘ってみようと電話もかけていたらしいのだが、その頃には事務所を出ていたので、今までお互いに知らない状態になっていたのでした。

 

探偵と言う言葉を聞いた乗客の一人、磯貝渚が「それで、叶才三って人、みつかったって?」と話しかけてきました。

そのまま、磯貝の提案から他の乗客も誘ってトランプで遊ぶことに。

そこに、船内を懸命に探していた小五郎が。
時効まで、残り1時間を切っていました。

そして、時効が切れる間際、「タイムオーバーだ…」と残念そうに鮫崎も…。

がっくりと肩を落として残念そうな鮫崎でしたが、すでにあきらめがついたのか、小五郎を誘ってお酒を飲みかわすのでした。

 

…と、船外のデッキから銃声が!

すかさず走り出す鮫崎。
その後を追う、コナンと平次。

デッキに上がると、上空にある旗が燃えているのと、ナイフでデッキに止めたメッセージ入りのお金。

海神ポセイドンに生を受けてわが影蘇りたり

その言葉に、乗客の一人・鯨井定雄が悲鳴をあげます。
「い、生きていたんだ…やっぱり奴は…」と恐怖に顔が真っ青。

さらに、船尾から爆発が。
何かが激しく燃えています。

慌てて駆け付けると、燃えているのは非常用のはしごの箱。
崩れた箱の中からは、燃えさかる人の姿が確認できたのでした。

 

消化後、腕につけている時計から、燃えていたのが乗客・蟹江是久であると断定。

また、被害者の燃えた顔に変形したシリコンがあるのをみつけ、整形手術で顔を変えていた事を知ります。

 

鯨井の異常なほどのおびえっぷりと残されていたメッセージから、鯨井が何か知っていると目星をつけるコナンと平次、そして鮫崎。

さっそく、鯨井の事情聴取をおこなうのですが、真っ青になって「知らない!私は何も…」とだけしか言わないのでした。

全員のアリバイ確認にあたっていた小五郎は、姿が見えない乗客の亀田照吉に話を聞くべく部屋を訪問するのですが、そこに姿はナシ。

瞬時にコナンと平次は走り出すと、機関室に拳銃の殻薬莢と床にわずかに残る血痕、そして妙な手紙などを見つけ出します。
それらから、お互いの推理を披露しあう二人。

…ですが、お互いの推理が食い違うという展開になり、どっちの推理が合っているか推理勝負となります。

 

一人、懐中電灯を手に舳先を見回る平次。

「俺の推理があっとったら、どっか人目が届かん所にあの人が隠れてるはず…」と探していると、思いがけないものを目にします。

それを見た瞬間、自分とコナン、どちらの推理も間違っていることを悟るのですが、その瞬間、何者かに頭を殴られ、そのまま海へと落とされてしまうのでした。

 

***************

 

叶才三の昔の仲間に家族。
被害者の父と恋人と、関係者が一堂に集まったクルーズ。

クルーズの招待主・古川大、そして場違いなテニスボールなどのヒントから、犯人を推理したコナン。

平次も無事に救出され、生き証人として犯人に引導を渡すのでした。

 

 

優しい逃亡犯

コナン達少年探偵団が廃墟で学芸会の練習をしていると、そこに手錠をかけられた男の人が。
その後には、拳銃を手にした佐藤刑事。

男は歩美を人質にとると、その場から走り去ってしまいます。

 

「放してよー!!」と泣きながら声をあげる歩美。

と、男性がそんな歩美を下すと、「ごめんよ、お嬢ちゃん。怖い思いさせちゃって…」とその場に残し屋上に。

佐藤刑事とコナンが追いかけていくと、脚立を橋代わりに隣のビルに逃げ込む男性。

佐藤刑事は周囲を見回すと、身軽な動きで自身も隣のビルに。

 

追いかけてきた高木刑事も加わり、コナン達と共に隣のビルに。
追いかけながら、連行中の犯人の犯人に逃げられてしまったと、ことの顛末を聞きます。

「逃げられたら始末書だけじゃすまないんじゃないんですか?」という光彦の言葉に、「そうなんだよ~」と真っ青の高木刑事でした。

 

その頃、逃げた男に追いつき、背負い投げで動けなくした佐藤刑事。

手錠をかけるものの、間違ってトイレから抜け出せない状態に。
手錠の鍵もどこかに落としたらしく、身動きが取れない。

困り切っている佐藤に男が「私は無実なんです!殺しなんてやってないんですよ、刑事さん!」と訴えます。

 

そこに、高木刑事が合流。

「一課のみんなに知られた恥ずかしいから、こっそり合鍵を取ってきてくれる?」とお願いします。

高木がその場を去ろうとすると、またもや男が「私じゃない…なぜだかわらかないけど、朝起きたら死体があったんだ!」と。

そう繰り返す男…東田に、なぜ逮捕したのかを説明する高木。

 

殺されたのは、東田と同じマンションに住む職場の上司・村西真美。
現場は村西の部屋のバスルームで、死因は絞殺。

死体発見時、東田は村西のベッドで酔っぱらって寝ており、入り口の扉の鍵もチェーンロックもかかっている密室状態。
しかも、扉の鍵のツマミやチェーンロック、村西の首に巻き付いていたビデオコードからは、東田の指紋が検出されている。

そのうえ、仕事上でよくぶつかる事が多く、その日の飲み屋で「あの女にガツンと言ってやる」と友人に息巻いている。

「あなたは帰宅後の事をよく覚えていませんし…酔って彼女の部屋に行き、口論になって殺してしまったとしか思えないでしょ?」と高木。
「鍵をかけたのは彼女を逃がさないため。そして殺害後、酔いつぶれてそのまま彼女のベッドで寝ちゃったってわけよね?」と佐藤。

二人の言葉に、「確かに彼女を恨んでいましたが、殺したいほど憎んではいなかった!」とそれでも否定。

「じゃあ、なんで逃げたりしたのよ?」という佐藤の問いに、幼いころ離婚して離れ離れになった娘から、結婚式の招待状が届いたとその理由を話します。
ずっと恨まれているとばかり思っていただけに、どうしても行かなくてはいけないと、切実に訴える東田。

そこに、歩美が「そのおじさん、悪い人じゃないよ!」と助け船を出します。

人質として連れていかれたけど、すぐに解放してくれたし、きちんと謝ってくれた…というのが歩美の理由。
「ほんとに悪い人ならそんなことしないもん!」と強く言う歩美に、高木はたじたじ。

 

黙って聞いていた佐藤は、自分が東田を見張っているから、高木が明日の昼までに犯人をあげるように指示します。

二人は現在、被疑者追跡中。
そう見せかけて、高木が単独で密かに真犯人を見つける。
被疑者が検察庁へ送検される前なら、容疑の晴れた被疑者を警察だけの判断ですぐに送致前釈放できる。
それなら、娘さんの結婚式にも間に合う…。

タイムリミットは、今現在入り込んでいる美術館が開館する明日の午前10時。
このトイレに客が入り、手錠で繋がれた有様をみられれば通報されてしまう。

「それまで、あなたの事を信じるわ」という佐藤の言葉に、涙を浮かべる東田。
そして、「でも、僕一人ではとても…」と不安そうな高木には、「あら、一人じゃないじゃない」と。

佐藤の視線の先には、余裕の笑みを浮かべたコナンと少年探偵団の面々がいたのでした。

 



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