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小日向さんとジルベール・ワタルから、クリスマスに食事会をやりたいとの申し込みが。
場所はシロさん&ケンジさん宅。
料理はシロさんが担当で、小日向さんたちはケーキとお酒を持参すると。
「言い出しっぺはワタル君に違いない!」と内心、その小悪魔ぶりにイラつくケンジさん。
その様子に「断ろうか?」と言うシロさんですが、「ワタル君がその気なら、こっちも受けてやろうじゃないの!」という事でクリスマスのホームパーティーが決定します。
当日、気合を入れて身だしなみを整えるケンジさん。
玄関で二人を出迎えるやいなや、ジルベール・ワタルの余計な一言でさっそく火花を散らします。
ケンジさん、「今夜は何としても、俺とシロさんの愛の絆をみせつけてやらなくちゃ!」と意気込んでいます。
今夜のメニューは…
・鶏肉の香草パン粉焼
・明太子とサワークリームのディップとバゲット
・ツナサラダ
・ほうれん草入りラザニヤ
・ブロッコリーとあさりのペペロンチーノ
乾杯してさっそく頂きます。
大絶賛するケンジさんと小日向さんとは別に、ジルベール・ワタルは「デブ製造機みたいなメニュー!嫌がらせでしょ」と怒りながらも、パクパク食べています。
「野菜を食べなよ」と言う小日向さんに「セロリ大っ嫌いなの!あと、アサリは砂をかむ時があるから嫌」とわがまま言い放題。
でも、結局人一倍食べている一番の最年少。
「全部たべちゃったじゃないのよーーー!」と絶叫です。
ケーキの前に手作りシャーベットで、これまたジルベール・ワタルは文句を言いつつもりっと食べちゃいます。
そこから話はお正月について。
お正月にもまたホームパーティーしないかと提案するジルベール・ワタルに、シロさんは「正月はケンジを連れて俺の実家に帰ろうと思って」と、ケンジさんも初耳の発言を。
「それはやめた方がいいよ」と止めるジルベール・ワタル。
ただでさえ息子がゲイでショックなのに、ヒゲの生えた恋人をリアルにみたらダブルショットだよと。
そこでシロさんは、自分の気持ちを打ち明けます。
「ジルベール・ワタルの言う事はもっともなんだけど、両親は俺がゲイだってわかった時、最初にどう思ったんだろうと。
可哀そうな子だと思ったんだろうなと。
次に、こんな風になっちまったのは、自分たちの育て方が悪かったのじゃないかと自分を攻めたのかもしれない。
だから、少なくとも今俺が両親が思ってるよりは不幸じゃないんだって事をわかってほしくて、ケンジを連れて行こうと思ったんだ」
その言葉に、ケンジさんは「絶対に行くから!」と答えます。
そして、ケンジさん。
ジルベール・ワタルに(心の中で)勝利宣言。
ジルベール・ワタルくん、おもしろくない顔で帰路についたのでした。
あれ~?
二人はこんな仲だったかな?
#
お正月。
二人でシロさんの実家に。
二人の姿に、ご両親、ショックを隠せません。
ぎこちないながらに食事スタート。
でも、すぐに会話が途切れてしまい…沈黙。
重い空気に耐えられず、「他に何か温かい食べ物があったほうがいいわよね!」とお母さんとシロさんは台所に。
父親という人種をあまり知らないケンジさんは、残されたお父さんと何を話していいのかわからず。
でも、すかさずお父さんの方で「高校の卒業アルバムをみるかね?」と誘われ、喜んでシロさんの部屋に。
高校生姿のシロさんに感激のケンジさん。
「史郎さんってどんなお子さんだったんですか?」と質問すると、「とにかくよく勉強ばかりする子だった」と言うお父さん。
お母さんは喜んでいたけれでも、お父さんとしては他にもいろいろとやりたい事もあるだろうにと、感心しつつもあきれていた様子。
そんなお父さんにケンジさんは、ケンジさんなりの見方でお父さんにゲイの気持ちを語ります。
「その頃の史郎さんは、自分が同性愛者だってわかっていたと思います。一匹狼でもちゃんと稼げる弁護士になろうって心に決めたんじゃないでしょうか。
それと、これは僕の憶測ですが、孫の顔を見せることができない罪滅ぼしとして、せめていい大学に入って弁護士になって…それが自分にできる親孝行だとおもったんじゃないかなあって…」
その言葉に、深くうなずくお父さん。
思い返せば、シロさんには思いつめたような顔をしてはいたものの、親を邪険にしたり反抗することはなかったと振り返ります。
一方、料理を作り終えた母とシロさん。
・鶏のから揚げ
・カブの葉のじゃこ炒め
・かぶとにんじんの酢の物
・小松菜のからしあえ
・えのきとわかめの味噌汁
大好きな唐揚げに喜ぶケンジさん。
と、お父さんがお母さんを部屋の外に呼び出します。
シロさんが不思議に思っていると、ニッコリ笑顔で戻ってきたお母さんでした。
そして、時間は夜。
帰路につく二人。
歩きながら、お父さんと何を話していたのか聞くシロさん。
いろいろと話したけど、お父さんが一番にずっと聞きたいことがあったと。
それは、「家にいるときに女装をしているのはどちらか?」という事。
ケンジさんは「史郎さんは一度も女装をしたことはありませよと答えたら、すっごくほっとしていたよ!」と。
その話に、最初に二人を見た時に驚いた理由と、食事の途中で二人で席を離れた理由を理解したシロさん。
「恋人の実家に遊びに行って、親御さんと一緒にごはんを食べる日が来るなんて夢みたいだ」と涙するケンジさんに、シロさんは優しく寄り添うのでした。
#
ジムで、ただひたすら遠泳するシロさん。
サウナに入っている時に、佳代子さんのご主人にバッタリ出会い(捕まり)ます。
シロさんの今夜の夕食は外食だと聞くや否や、自宅に招くご主人。
「タダだよ!ヘルシーだよ!」という言葉に断り切れずお邪魔することに。
自宅に伺うと、満面の笑顔で待ち構えている佳代子さんが。
夕食は鍋。
ついいろいろと欲張ってしまい、二人では食べきれない量になってしまったので助かったと嬉しそう。
お酒を飲みながら、ミチルさんが結婚することを聞きます。
そこで、ミチルさんの結婚を祝して乾杯です。
話題は自然とミチルさんの結婚について。
同棲していた男性との間に子供ができ、入籍することにしたのだ。
お金がもったいないから、結婚式も旅行もしないという話を聞きます。
出産予定日は9月末。
「あたしがおばーちゃんか…」と感慨深げにつぶやく佳代子さん。
実は、佳代子さんは不妊治療でやっとできた子が死産しちゃった経験があり、諦めた時に妊娠が発覚したのがミチルさんでした。
「人生、何があるのかわかんないもんだなー」とサラリと告白します。
「ですよねえ」とうなずくシロさん。
シロさんが帰宅した後、「ミチルが産まれるまでのいろんな事、あんなにあっさり人に言えるようになったんだなーって自分でも驚いちゃった」と言う佳代子さんに、「筧さんは海千山千の弁護士だけあって、さらりと流してくれたしさ」と言うご主人。
その頃シロさんは、「ちょっと待て!あれ、けっこう深刻な告白だったよね!?」と顔面蒼白。
でも、少し考えて落ち着きを取り戻すと、ミチルさんの幸せを心の中でつぶやくのでした。
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ケンジさんが勤める美容院のベテランさんが、故郷でお店を開く為に退社いたしました。
「新しい人、いれるの?」と店長にこっそり聞くと、「最近、アシスタントからスタイリストに昇格したタブチ君もいるから…」と心配顔で答える店長。
店長の不安をよそに絶好調のタブチ君。
タブチ君の接客に胃を痛めている様子ですが、技術面も接客面も心配いらないと感じているケンジさん。
…と、シロさんとの食事の席でポロリとこぼします。
そして、タブチ君よりも大きな問題があると…。
それは、新しく始めたエステ。
リフォームした際に店内に小さなエステルームを設け、そこに三宅玲子さんというエステシャンを配置。
お客さん受けもよく、着実にお客さんが付いてきています。
しかも、元美容師であることからも、予約が入っていないときはアシスタントとしてシャンプーとブローぐらいはやりますよと言ってくれるほど。
その話に、「どこら辺が店の経営において思わしくないわけ?」と不思議顔のシロさん。
「店の経営じゃなくて…」とケンジさんがいうのは、三宅玲子さんが店長(三宅祐)の奥さんであり、顧客となった妹島さんは店長の不倫相手というところが問題だと。
「こんな面白い職場、カンタンに辞められるわけねーじゃんっつーね!」とは、ゴシップ大好きのタブチ君の言葉です。
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ゴールデンウィークで休暇中のシロさんとケンジさん。
久しぶりに二人で商店街に買い出しに。
買い物からの帰路で、「隣駅に可愛いカフェを見つけたんだよー」と寄り道を提案するケンジさん。
近所の珈琲館でいいじゃんというシロさんでしたが、「喫茶じゃなくてカフェに行きたいの!僕がおごるから」というケンジさんの猛プッシュに押され、地下鉄に乗ってカフェに。
訪れたカフェでは「かわいいー!」と連呼し、「シロさんと一緒に来たかったんだよね。こんなお天気の良い日でラッキー♡」とハイテンションのケンジさん。
ちなみに、ケンジさんは一人で何回か来たことがあり。
今夜の夕食は、ゴールデンウィークのちょびっとだけごちそう。
・卵とアスパラ入りエビチリ
・にんじんともやしのナムル
・梅わさびやっこ
・じゃがいもとわかめの味噌汁
食べながら、カフェに付き合ってくれてありがとうというケンジさん。
シロさんはかわいいお店でお茶する事に興味はなく、周りの目も気になるだろうに付き合ってくれたと。
そんなケンジさんに、「お前がああいうシチュエーションに幸せを感じるタイプなのもわかってるし、相方としてはなるべくお前にハッピーでいてほしいと思うじゃん」とサラリ。
「お茶飲むくらいならすぐに行けるんだし、これからは何度でも付き合うよ」と言ってくれるシロさんに感激するケンジさん。
そんなシロさんの心のうちは「おまえにムダ金使わせんのが嫌なだけだよ。俺の小遣いから出すならちゃんと対応できる」と。
ケンジさんに、湯水のようにさらーっと使うのではなく、少しは貯金してくれることを願うのでした。
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今回は、ジルベール・ワタルの生活について。
ジルベール・ワタルは、デイトレーダー。
…とはいえ、東証しかみないゆるゆるのデイトレーダーなので、モニターも2台しかありません。
そこまで張り付いているわけでもなく、お茶したり昼寝したり。
しかも、1日2万円稼げたらそれ以上は欲張らないというマイルールあり。
毎日2万円の稼ぎがあるわけではないですが、家賃も食費も小日向さんが出している為、月に大体10万稼げればいいという典型的なその日暮らし。
怠け者ですが、「美」と「若さ」への執着は高く、仕事後はジムで汗を流しています。
時間は夕方前。
朝からクロワッサンとカフェオレしか口にしていないことからも、急激に空腹を覚えるジルベール・ワタル。
がっつり焼肉をと思っても店は開いておらず、夕食は小日向さんが作るという話に考えたのは、自分で作る事に。
作ったのはキムチチゲ(ジルベール風)。
すきっ腹にがっつりにんにく味!
あさりの出汁もがっつり!
野菜も豆富も卵も入って一品で完全食!
…と、大絶賛&ご満足。
帰宅した小日向さん、ジルベール・ワタルがご飯を作って食べたのを知り、慌てて謝ります。
謝る小日向さんに「『ノルウェイの森』って読んだことある?」と話し始めるジルベール・ワタル。
本の中の一節を紹介し、「僕はね、大ちゃんのそういう愛がほしいんだよ」と説明します。
つまり、「にんにくの匂いはお腹が空いている時はいい匂いだけど、満腹になるとただの悪臭だよね」という事から、「台所をきれいに片づけて」という話。
さらに、小日向さんが作った煮干しの水出しを全部使った事、どこからかお取り寄せした豆腐を使った事、小日向さんがジルベール・ワタルの為に作ったヘルシーな煮物にはまったく手をつけていないことにも「いーよね?」とにっこり。
小日向さん、「当然だよ!」「当たり前じゃないか!」と涙目です。
そして、「チゲの残り、全部たべちゃって」というジルベール・ワタルの言葉に、仕事でちょっと食べている事、明日の仕事で人と会う事からも一瞬返事が遅れる小日向さん。
ジルベール・ワタルはその“間”を逃しません。
結局、チゲを食べる小日向さん。
味はおいしいのが、せめてもの救いでした。
#
仕事中のシロさんに、お母さんから電話がかかってきました。
着付け教室で知り合ったお友達(皆川さん)が亡くなり、その後処理をしなければいけいから助けてほしいという頼みでした。
皆川さんは身寄りがなく、老人ホームに入られていました。
その老人ホームに入居する際の保証人になったのがシロさんのお母さん。
なので、皆川さんが亡くなったことでシロさんのお母さんに連絡が。
さらに、机の中から皆川さんの遺書と共に、「自分が死んだ後の事は、筧久栄さんにお任せする」と書かれた手紙までも出てきたのですからさぁ大変!
何をやればいいのかさっぱりわからないので、シロさんに電話で助けを求めてきたのでした。
話を聞き、さっそく手紙を見せもらい、必要な手続きは弁護士への依頼という形で受けることにしたシロさん。
手続きを進めていくうちに、皆川さんにはアメリカ人と結婚して帰化してるお姉さんがいることが判明します。
さらに検認手続きを経て、シロさんが裁判所に申し立てをして遺言執行者に。
皆川さんの預金を遺言通りに寄付し、いくばくかの報酬を受け取って仕事が完了です。
お母さんも、やっと一安心。
事務的な手続きが終わったら、今度はギャラ無の労働。
老人ホームの片付けのお手伝いです。
形見分けも兼ねているので、シロさんのお母さん以外の方も参加して皆で整理&掃除。
出てくる写真から、思い出話に花が咲きます。
そこで、シロさんは初めて皆川さんのお顔を拝見することに。
と…
片づけていたら預金通帳が。
シロさん真っ青。
見ると300万円ほど入っており、そのお金は遺言書の財産目録にはない預金だったため、急ぎアメリカにいるお姉さんを探さなければいけなくなってしまいました。
帰化しているため、領事館に問い合わせても不明。
いるかもしれないと思われる西海岸の日本人会に、片っ端から問い合わせていくしかありません。
メール、手紙、電話と考えられるところすべてに確認するのですが、皆川さんのお姉さんを見つけることはできませんでした。
7年以上行方不明の方には失踪宣言をする手段もあるのですが、国際裁判管轄が非常にややこしいものに。
なので、見て見ぬふりをすることに。
預金はいずれ国のものになります。
これで終了です。
夕食を食べながら、これまでの話を聞いていたケンジさんが「本当はシロさんのお母さんに300万円の預金をあげたかったんじゃないかな」と自身の考えを言います。
シロさんもそれは思ったのですが、遺言書に明言されていないので、シロさんが勝手にお金をお母さんに渡すわけにはいきません。
「準備をしっかりしていたつもりでも、いざ亡くなるとけっこう大変なんだね」としみじみ言うケンジさんにうなずくシロさん。
シロさんが弁護士を目指した理由の一つもそれでした。
自分が死ぬ時、法律上の事はきちんと自分で後始末つけられるから。
ちなみに、ケンジさんは「宵越しの金は持たない主義」と豪語。
その言葉に、「だから貯金しねーのかと」と納得するシロさんでした。
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シロさんが勤務する事務所に、倒産した講談製作所のお仕事が入ります。
大企業の大きな案件だけに、シロさん・若先生・志乃さんも緊張した面持ちに。
休憩中のケンジさんのところに、「夕飯作れない」というシロさんからのメール。
ということで、急きょ、ケンジさんが夕食を作ることになります。
ところが…
夕食の時間に帰宅する事ができず、帰ってきたのは夜中の12時過ぎ。
その翌日も、忙しさから夕食を食べられず。
そんな日々が2週間。
寂しくてつい職場で、煙草を吸うケンジさん。
ケンジさんが煙草を吸うなんて珍しいと、その異変にタブチ君が気が付きます。
話から、「別居すか!?ついに破局すか!?」と目をキラキラ輝かせて連呼するゴシップ好きタブチ君。
ケンジさん、大ダメージです。
寂しさをまぎらわせるために、その日の夕食はケンジさんの大好きなオムライス作りです。
シロさんなら絶対にやらないであろう卵3個使いや、マヨネーズや牛乳、バターたっぷり。
数日前に作ったおひたしと共に食べようとした時、シロさんが疲れた声で帰宅します。
「仕事が終わったの!?」と喜ぶケンジさんですが、そうではなくてシャワーと着替えを取りに戻っただけ。
これからまた事務所に戻って泊まり込みです。
丁度ごはんもできたしと、久しぶりに一緒の夕食です。
・デミグラスソースのオムライス
・ほうれん草のおひたし
・キャベツときゅうりとにんじんの浅漬け風
久しぶりの食事。
おひたしや浅漬けなどの感涙するシロさん。
ケンジさんも「やっぱり二人で食べるとおいしい~」と涙目。
でも、シロさんはオムライスを5分で食べ、30分後にはまた事務所に戻っていったのでした。
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