【中古】 金田一少年の事件簿 file 10 / さとう ふみや / 講談社 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】 価格:328円 |
赤点補習中に、美雪からポケベルで呼び出された金田一。
向かった先にいたのは、フリーライターのいつき陽介と、彼の知り合いの音羽出版編集者・鴨下あきら。
呼び出した理由は、はじめに暗号を解いてほしいという依頼からでした。
日本のノンフィクション作家・橘五柳の新作をめぐって、橘が出題した暗号を問いた会社に出版権を渡すというもの。
それを、報酬10万で引き受けてほしいと。
最初は渋っていたはじめですが、いつきの挑発にまんまと乗せられて、橘氏の誕生パーティーが行われる別荘へと、美雪と共に向かいます。
会場となる橘の別荘には、出版権を狙う各社の担当者が集まっていました。
顔が広いいつきの知り合いも何人かいます。
TVディレクター・都築哲雄
飛躍社社長・大村紺
カメラマン・針生聖典
神田川出版・時任亘
フリー編集者・野中ともみ
そして、パーティー会場で佐木の亡霊…もとい、弟の佐木竜二(中学3年)と出会います。
父親である佐木連太郎の仕事の手伝いで来ていたのですが、他にも理由があり。
そして始まったパーティー。
そこで、橘がゲームについて説明します。
「完成したフロッピーディスクをある場所に隠しており、その場所は暗号に記している。
その暗号を最初に解いた者が、私の原稿を手にいられるというわけだ!」
さらに、ゲームの内容だけでなく話しは今回の作品についても語られ…
「今回の新作にはひとつ面白い仕掛けがある!
ある社会悪を暴いたノンフィクションなんだが、このパーティーに参加している人間が1名、実名で出ているんだ!
もし、これが公になれば、その人物は間違いなく罪に問われる」
その告白に驚く一同でしたが、暗号が公開されるや皆の意識はそちらの方に。
裏川辺奇々なる藻を
皆が頭を悩ませる中、瞬時に解いてしまうはじめ。
答えを迫る鴨下に「あせんない、あせんない。まだみんな解けた人はいないみたいだし、ちっとは自分で考えれば」とヒントだけ教えるのでした。
第一の殺人
暗号を必死に解こうと右往左往する他の参加者とは別に、優雅に別荘を堪能するはじめ。
2日目の夕食時、「も~降参だよ」とくたくたな様子ではじめに近づくいつき。
そんないつきの様子に答えを教えようとするのですが、美雪や使用人の葵に酔っぱらった橘に絡まれてしまうのを見て怒り心頭に。
ちょっと懲らしめるためにイタズラを仕掛けるのですが、これが逆に橘の怒りを買ってしまい、その矛先は連れてきた鴨下にまで。
「今後一切、音羽出版とは付き合わん!出版権も全部、引き上げさせてもらう!」との言葉に真っ青。
有無を言わさず、部屋に戻った先生に謝ってくるように言うのでした。
雨上がりのぬかるみを通りながら、橘を訪問するはじめ。
しばらくしてから、心配した佐木(弟)と、夜食を運ぶため棗(なつめ)が部屋を訪ねます。
するとそこには、凶器を持って呆然と立ちすくすはじめの姿があったのでした。
警察が呼ばれ、はじめに事情を聴く長野県警警部・長島滋。
状況、そして佐木が撮っていたビデオから、はじめを逮捕。
手錠をかけられ、パトカーで警察所まで連行されようとしますが、途中でなんとか逃亡するのでした。
第二の殺人
警察に連行される間際、こっそりポケベルを忍ばせていたはじめ。
これで、美雪との連絡は可能に。
さらに、いつきが鴨下・都築・針生・野中を集めると、金田一のバックアップを図ります。
はじめは、暗号が示していた人物・大村に会うため東京へと向かいます。
剣持警部の名を語って電話をし、暗号が大村を示していた事を伝えます。
そして、橘から何かもらったり言われたりしたことはないかと聞くと、「時任に聞けばわかる」と言われたと。
その瞬間、電話口から大村の悲鳴と争う声が。
はじめの必死の呼びかけにも答えません。
不安になって大村の自宅を訪ねると、そこには血を流して倒れている大村の姿が…。
しかも、はじめが発見したと同時にパトカーが到着。
駆け付けたのは剣持警部。
犯人がはじめの到着に合わせて通報したのでした。
第三の殺人
なんとか逃げおおせたはじめ。
現場にはじめの指紋があることが判明し、ますますはじめへの容疑が深まります。
大村の言葉から時任が危ないと察したはじめは、いつきから時任の居場所を聞きます。
その際、鴨下・都築・針生・野中から得た情報も。
今回の橘の新作は医学界について書かれたものらしい事、密輸に関しての取材もおこなっていたと。
さらに、はじめを逮捕するため警視庁の大物警視が投入されたという話に、なぜか悪寒が走るのでした。
時任が勤めている神田川出版社の前に来たはじめ。
ちょうどビルから時任が出てきたのでその後を追いかけると、なぜか工事現場に…。
不思議に思いながらも、時任の後に続いて工事現場に入り声を掛けたはじめ。
「警察の名で僕をこんな所に呼び出したのはお前か!?僕は大村さんのようにカンタンに殺されないぞ!」と、近くにあった鉄パイプで襲い掛かってきます。
でも、石にけつまずいて転んでしまい、鉄パイプははじめの手に。
すっかりおびえている時任に、はじめは自分が犯人ではないことを伝えつつ、大村にしたのと同じ質問をします。
すると今度は「桂にきけばわかる」と、またもや伝言ゲームのようなメッセージが。
その瞬間、後ろに積まれていた鉄材を縛っていたロープが何者かによって切られ、時任の上に落下。
下敷きとなって絶命してしまいます。
大きな音に集まる野次馬と警察。
野次馬と警察が過ぎ去るのを待とうと、はじめはマンホールの下に隠れるのですが、そこに知っている声が…。
なんと、明智警視でした。
第四の殺人
はじめを見つけることができなかった明智は、「追うのが難しいのなら、彼の方から姿を現すようにすればいい」と、佐木が撮ったビデオテープをエサにはじめの居場所をあぶりだす作戦を実行します。
佐木といつきが協力して、監視する警察の目をごまかしはじめにビデオテープを渡すのですが、明智によってつけられていた発信機で行動すべてが筒抜け状態に。
慌てて気が付き壊すも、時すでに遅し。
追い詰められてしまいます。
そんな状況を、偶然通りかかった都築が助けてくれます。
都築の家でビデオテープを見させてもらうはじめ。
そこに違和感を感じますが、その正体はわからずじまい。
…と、はじめは大事なことを思い出します。
それは、美雪の誕生日。
公園のベンチに、ささやかなプレゼントを置いて渡すのでした。
桂が参加する野外イベントにやってきたはじめ。
控室となっている桂のテントにこっそりと入り込み、なんとか「野中に聞け」というメッセージを聞くことに成功したはじめ。
ところが、桂がテントの布越しに刺されてしまい、驚いたはじめが悲鳴を上げてしまった事から警察が駆け付ける騒ぎに。
いつきから連絡をもらった針生によって、なんとか警察の追っ手を振り切るのに成功したはじめ。
橘が殺された日に撮影した写真と別荘のコピーを借り受け、その場から足早に去ります。
第五の殺人
いつきから野中が軽井沢にいることを聞いたはじめは、さっそく回送列車に忍び込んで向かう事に。
ところが、その通話内容は明智によって傍受されており、長野県警の長島によって車内点検に。
なんとかチェックの目をすり抜けるのですが、列車のドアに拳銃が挟まれてしまった警官を助けるため、その姿をさらしてしまいます。
追いかけてくる長島の追跡から逃れるため、走る列車の窓から川に飛び込むはじめ。
川から這い出ることに成功したものの、その場で力尽きて倒れてしまうのでした。
はじめが気が付くと、そこは橘家の仕様人・葵と棗がすむ家でした。
倒れているはじめを葵がみつけ、自宅まで運び手当してくれたのです。
食事を頂きながら、いつきさんの意外な一面を知るはじめ。
さらに、橘の新作で使われていた資料や、事件当日の行動など…話を聞き、事件を整理していきます。
葵が買い物に行っている間、いつきから野中の居場所を聞いたはじめ。
ちょうど戻ってきた葵に礼を言うと、すぐさま野中がいるホテルに向かいます。
ところが、はじめが葵と思ったのは棗。
棗は葵に知られないように、こっそりと警察に電話します。
はじめがホテルに到着すると、それと同時に明智・剣持・長島も。
慌てて隠れるはじめでしたが、いつきの名で呼び出された野中の姿をみつけ、慌てて後をつけます。
中野から、メッセージは「私で終わりよ」と聞いたはじめ。
思ってもみなかった言葉に愕然とします。
「真犯人が狙っています。すぐ警察に保護してもらってください」と言い、その場を去るはじめですが、偶然、風で飛んできた新聞紙から、メッセージの意図を読み取ります。
そこには、殺された4人の名前が殺された順番に載せられている。
「重要なのは伝えられたメッセージじゃなかったんだ!」と、自分の思い違いに気が付きます。
その頃、真犯人によって襲われた中野の悲鳴で戻るも、すでに中野はこと切れていました。
警察に囲まれてしまったはじめは、新聞に数字のメッセージを書いて中野のそばに置くと、警察から逃げるようにホテルの中に。
そしてキッチンでスタッフを人質にし逃げようとするのですが、明智によって撃たれてしまいます。
事件の解明
救急車で病院に運ばれたはじめ。
泣き崩れる美雪に、怒り狂って明智につかみかかる剣持。
「こいつが人殺しなんかする人間じゃないのは、あんただって知ってるはずじゃないか!」という剣持に、「確かに彼は人殺しなんてできるタマじゃないでしょうな?人をだますことはしてもね!」と、思いっきりはじめの髪をひっぱる明智。
その痛さに、狸寝入りしていたはじめも「いてててっ!」と起き上がります。
実は、はじめが新聞紙に書いていた暗号をみつけた明智は、それを瞬時に解読して、はじめの狂言に付き合ったのでした。
つまりは、キッチンでトマトジュースを仕込んだはじめを、明智が空砲を撃っただけだったのです。
時間が限られている事からも、急ぎ事件現場に向かうはじめたち。
そこではじめはすべての謎を解明します。
真犯人
真犯人は都築。
自分以外の人間が伝言の糸をたどるのを阻止するため、5人を殺害。
最後の中野の伝言でメッセージの意味に気が付きます。
伝言メッセージの答えは「大時計の中」。
事件現場である橘の書斎にある大時計の中に、新作が入ったフロッピーディスクを発見します。
橘の新作は、臓器売買について。
都築の幼い娘・瑞穂は重度の腎障害を患っており、都築の腎臓を提供した腎臓移植をするも失敗。
瑞穂の母はすでに亡くなっていたため、ドナーが現れるのを待つしかありませんでした。
そんな都築に、前田という医者が「海外から移植用の臓器を密輸する手伝いをしてくれるのであれば、臓器移植を優先する」と持ち掛けます。
テレビ局のディレクターという立場を利用しても取引でした。
自分のやっている事が最低なことだとわかっていても、従うしかなかった都築。そんな都築と前田の事を調べ上げ、実名入りで告白したのが橘の新作だったのです。
出版を想いとどめてもらおうと、橘の元に何度も通う都築。
ところが、「貴様のような社会悪をペンの力で告発するのがわしの使命だ!」という言葉に、「お前なんかに何がわかる…俺がどんなに苦しんだか…!」と、近くにあった鈍器で殴り殺してしまうのでした。
全ての告白を終えると、「こんなダメな男でも…ひとつだけましなことができる」と、自分の体にナイフを突きつける都築。
そして、娘に自分の腎臓を移植してくれと頼み、息を引き取ります。
「腎臓移植が可能な病院に運び込むんだ!早く救急車を!!」と叫ぶいつきに、すかさず明智が警察のヘリを使う事を提案します。
事件後…
橘の遺作「臓器密輸」は音羽出版から刊行され、一大センセーショナルを巻き起こす大ヒット作に。
ただ、都築の名前だけはイニシャル表示で実名は伏せられていました。
そして、都築の腎臓による瑞穂の腎臓移植手術は成功し、経過も順調。
はじめと美雪は、いつきに案内されて瑞穂のお見舞いに行くのですが、そこには元気な笑顔を見せてくれる瑞穂の姿が。
来週には退院できると嬉しそう。
「もうたくさん病院に行かなくていいから、お父さんにも心配かけなくてすむの!」と無邪気に言う瑞穂の言葉に、ハッと顔をこわばらせる美雪といつき。
瑞穂は、都築がなくなったこと、そして都築の腎臓を移植したことをまだ知りません。
「瑞穂ちゃん、お父さんと会えなくてさみしいかい?」とはじめが問うと、寂しそうに「うん…」と言うものの、「でも平気だよ!」とにっこりと笑うのでした。
病院からの帰り道。
別れ際にいつきは、瑞穂を引き取ることを考えていると話します。
「まぁ…男ひとりのガサツな生活だか…女の子ひとり、養えないわけじゃない…」と照れくさそうに言うと、その場から去るのでした。