価格:849円 |
2018年10月15日発売と、まだ発売されて1ヵ月もたっていないこちら。
元は「可視える(みえる)」というタイトルで南雲堂から2015年に刊行されています。
こちらのお話は、幽霊画が引き起こす壮絶な殺人事件。
あまりの殺人描写に間違ってホラー小説を買ってしまったかと思ったほど。
そんななので、読んでいる最中は眉間に縦シワがめっちゃ深く刻まれていたと思います。
最後の推理もあまり頭に入ってきませんでした。
それぐらいに殺し方がひどく、殺害方法よりもどうしてそこまで残虐に殺せるのか、そっちの方の解明に注目していました。
ストーリーはこちら↓
「幽霊画が巻き起こす連続猟奇殺人!」
目を背けたくなるほどおぞましい幽霊が。
その「作者を探してほしい」という依頼をうけた探偵の槙野康平は島根県へ向かう。
作者・秋田と会えたが、なぜか怒りを買い追い返されてしまう。
それから一年後、秋田は神奈川県で自殺。
疑問を持った槙野は調査に乗り出すが、連続猟奇殺人事件に巻き込まれ……恐怖の本格ミステリー!
このお話は、探偵である槙野康平と、警視庁に勤める女性刑事・東條有紀という2つの視点から進行していきます。
槙野は、新宿御苑近くで画廊を開いている江口英明さんから受けた「この幽霊画の作者を探してほしい」との依頼調査に乗り出します。
無事に作者は見つかり、これにて依頼終了…となったのですが、1年後に再び調査依頼が。
なんと、作者である秋田秀次郎が自殺。
画商であり前回依頼した江口英明さんが「あれは自殺じゃない」と、報酬は支払うので調べてくれと再度依頼を受けることになったのです。そこから事件に巻き込まれていきます。
一方、東條刑事の方は、女性の惨殺死体が発見されたことから。
メッタ刺しにされた死体は腸の一部がはみ出してしまっているほどで、両足のアキレス腱は切られて逃げられないようにされていたと…なんとも悲惨な状態。
この後、発見される死体はさらに凄惨なものになりますのでご注意を。
最初の殺害描写もすごかったですが、まだマシだと思ってしまうほどです。
やがて二人が追っていた事件は一つになり、最初は反発しながらも協力して事件を解決していきます。
事件のキーポイントは「幽霊画」。
この幽霊がからすべてが始まったといえます。
幽霊画がどのようにして描かれたものなのか…それが事件に深く関係し、魅せられた犯人によってその技を得んとした殺人が起こります。
登場人物は以下↓
槙野康平…探偵。元は刑事。ある事がきっかけでクビに。
麻子…槙野と同棲している女性。ある事件で槙野と知り合う。
鏡博文…鏡探偵事務所の所長。元警察官。
鏡詩織…鏡所長の娘さん。
高坂左京…弁護士。オカルトに弱く、それが元でとんでもないことに。
堂島…槙野のかつての後輩。風俗店通い等をネタに、なにかと槙野から情報面で使われている。
秋田秀次郎…幽霊画の作者。過去のある事件から幽霊画を描いた。
秋田の妻…幽霊画のモデル。
秋田の娘…秋田と一緒に暮らしている。
江口英明…新宿御苑近くの画廊オーナー。幽霊画の調査と作者の自殺の真実を突き止めてほしいと依頼。
東條有紀…警視庁に勤める刑事。性同一性障害。
内山晴敏…有紀と警察学校が同じ同期。
元木真司…有紀の後輩
楢本拓司…有紀の先輩
長谷川正親…上司で警部補
戸田幸平…有紀と組む、多摩中央警察署の捜査員
丸山圭祐…科捜研に勤めるイケメン。有紀に付き合ってくれと付きまとっている。
峰村聖子…最初に発見された犠牲者
関口千春…性格に難ありで職場では嫌われていた。2番目の犠牲者。
佐伯理香…エアロビの美人インストラクター。学生時代はいじめっ子で、男に媚を売るタイプとして嫌われていた。3番目の犠牲者。
橋爪沙耶香…榎本の婚約者。おっとりしたお嬢様。学生時代、佐伯理香にいじめられていた。江口英明の贔屓客の娘さんで、昔から知っている仲。画廊でアルバイトも。
榎本拓哉…帝都芸術大学の助教授。女性関係で問題あり。
下平優一…榎本のスキー仲間で宝飾デザイナー。
戸田…榎本のスキー仲間。
白石圭子…現代日本画の旗手。アトリエを持ち、榎本と橋爪は弟子。
星野…白石の弟子。榎本をライバル視している。
田村明美…白石の弟子
藤田薫子…白石の弟子。以前、榎本と付き合っていた。
広瀬純子…白石の弟子。銀座のクラブのママ。
馬場美由紀…秋田が飛び込んだ現場に遭遇し、救急車と警察に連絡。
石崎法華…安徳寺の尼さんで養女。秋田が飛び込んだ車の運転手。槙野と高崎に魔除けと称するアイテムやアドバイスをするなど何かと絡んでくる。
大迫…秋田の過去を詳しく知る、退官した元警察官
龍源神社の宮司…幽霊画がある神社。
東條恵…有紀のお姉さん。事件で亡くなり、犯人はまだ捕まっていない。
生田友美…有紀の恋人。同じく性同一性障害。
この中に犯人が!
サイコパスです。
殺し方がむごすぎて、今回はまったく推理できずに読み進めていきました。
女性は無残な殺され方をするのに、男性はあっさり。
それも幽霊画が関係しているから。
合計、6人が殺害されます。
犯人はまさかの人で、犯行動機は幽霊画を会得するため!
絵を描く人ですが、白石アトリエ以外にもいたりして!?
最後、真犯人との決着はハラハラものです。
怖かったけど、(スプラッター物以外で)また読んでみたいと思わせる作者さんでした。