【キングダム】71巻:番吾の戦い

宜安を巡る戦いに敗れ、六大将軍・桓騎を失った秦軍。
韓への訪問、尾平の結婚式、羌瘣へのプロポーズと目まぐるしい日々を送る信。

そして年が明け、番吾の戦いが幕を開けます。

キングダム 71 (ヤングジャンプコミックス) [ 原 泰久 ]

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戦いを前に、期待の新人が入る飛信隊。
さらに、元麃公兵の岳雷の後を満童、那貴の後を青石族、医術班として砂鬼一族が加わります。

そして趙北部に再び進軍です。



 

昨年の失敗を繰り返さないよう、南の列尾経由ではなく太行山脈の北の太原を通って趙へ。

まずは秦北東部にある太原で、信のところに1万5千、羌瘣のところに8千と追加参入。
合計3万にまで膨れ上がります。

 

太原北東部軍が東に向かうには狼孟を落とす必要があることから、新生飛信隊の練兵としてこれに参加。
1日で陥落させます。

狼孟陥落で北東部軍が東に抜けられるようになり、閼与から総大将・王翦率いる本軍と山の王・楊端和、玉鳳王賁が北上。
祭蛇平原で合流します。

そして始まる作戦会議。
総司令・昌平君から宜安攻めを伝えられていた面々ですが、この場で手前にある番吾に変更されます。

すべては「皆がそう思っていることは、李牧もそう思っている」です。

 

その夜。
王賁に話しかける信。

「番吾攻めで李牧を本当に出し抜いていると思うか?」と問う信に、「その考えは危険だ」と李牧はあらゆる場合を想定し準備していると思ったほうがいいと答えます。

「番吾が無防備ではないことは、王翦将軍も承知の上のはずだ」と続ける王賁。

「大丈夫なんだろうな、お前の父ちゃんは」と再び尋ねる信に、「父は勝つ戦しかせぬ人だ」といってその場を去ります。

 

李牧の告白

秦の軍が番吾に向かったことは、宜安にいる李牧にも報告が入りました。
その報告に傳抵が「あらら、やっぱり読み通り」とポロリ。

李牧は周囲の城に待機中の各軍に出陣するように指示を出します。

「今回はさすがに去年のように一方的にはならなさそうだな」という傳抵に、「そうとも限りませんよ」と李牧。
その理由は、趙軍が「地の利」「数の利」「軍容の利」で優っているから。

今回の秦軍を構成する主力はすでに戦ったことのあるよく知るメンバーであり、逆に秦軍にとっての趙軍は真逆だからです。

※出典:キングダム71巻

 

皆が準備を始める中、ただ一人残り考えこむ李牧。
そこに馬南慈がきます。

最初は防衛線について話をするものの、突如、「嫁などもらう気はありませぬか」と切り出す馬南慈。

思ってもみなかった話に面食らう李牧ですが、「今はそれどころではない」と話を終わらせようとします。
が、そこは馬南慈。
食いついてきます。

それを、外で聞いてしまうカイネ。

しかるべく姫君をもらうのだろうと涙しますが、李牧は高貴な方を嫁に向かえるつもりはないと一蹴します。

そして、「昔からよく知っていて、ずっと苦楽を共にしている者、側にいて安心する者に」とカイネであることをほのめかします。

その言葉に満足する馬南慈。
扉の外では、カイネが声を殺して泣いていました。

※出典:キングダム71巻

 

番吾の戦い開幕

秦軍総勢25万、趙軍総勢30万の兵が軍を展開。

秦軍の中央は王翦5万、田里弥1万、糸凌と倉央の3万、亜光3万。
遊軍に王賁3万、右翼に信と羌瘣の3万、左翼に山の民7万です。

一方、趙軍の中央は司馬尚3万、カン・サロ2万、ジ・アガ2万、楽彰とフーオンの1万。
遊軍に李牧とカイネの1万、傳抵3万。
左翼に袁環7万(相対するのは秦軍右翼)、右翼に骨珉伯2万、舜水樹3万、馬南慈3万、馬風慈1万(相対するのは秦軍左翼)。

開戦の口火は、王翦の指名で飛信隊の信に。
飛信隊が動いた後、それに山の民が続きます。

山の民に相対する舜水樹の軍が矢を放つも止まらない山の民の勢い。
馬南慈も動き始めます。

 

袁環7万の軍に突っ込んでいく信。
自軍の倍以上の兵の数で、練兵されて士気も高いと分析する河了貂。

※出典:キングダム71巻

李牧に勝つには李牧の想像にないほどの動き・働きしないといけない。
この戦いは右翼から崩して李牧に勝利するんだと、場の変化を少しも見逃さないように戦場を見据えます。

 

李牧の策

左右で戦いが始まるも、依然として静かな中央。

まずは亜光が動きます。
それに呼応するように、楽彰とフーオンの軍が前進。

が、走る様子はなく少しずつ距離を縮めていく両軍。
その様子から、「趙は何か狙っている」と王翦が感知します。

それは、遠くから見ていた王賁も感じたことで、朱海平原での戦いから亜光が狙われていると推測。
いつでも援軍にいけるように準備しておけと指示を出します。

 

亜光が「全軍突撃!」と叫ぼうとした瞬間、右手に李牧の姿を確認。

突撃の馬脚を上げない亜光の様子から、別動隊の存在に気が付く王翦。
「誘い」であることに王翦だけでなく亜光も悟りますが、李牧を討ち取るべく右方に転進します。

李牧が姿をわざとみせたのは、もちろん計略から。
危険を承知で自分をエサにし、この戦で最も厄介な敵を狙っての事でした。

李牧に向かって走り出した亜光を、フーオンが横から当たってきます。
同時に、状況が見えずに前進していた残りの亜光軍が、同じく前進していた楽彰の軍と激突。
亜光が陣形を崩したため勢いがなく押され気味です。

※出典:キングダム71巻

 

ところが王翦は「亜光をその程度だと思っているのなら…それは大間違いだぞ、李牧」と慌てるそぶりはなし。

王賁も「亜光を知る身からすればそれは下策」と一蹴します。

次第に状況がわかってきた亜光軍の兵たちが、持ち場を離れて右側に動き出します。

李牧は後ろで隠れ控えていた傳抵を呼び、楽彰隊に加勢して亜光を討つように指示します。

楽彰・フーオン・傳抵に狙われ危ない状況の亜光。
頭に一撃を受けた際、頭に浮かぶのは王翦と出会った時の事です。

 

もとは敵として戦っていた亜光。

「国をつくる」という王翦の言葉を「正気の沙汰と思えぬ」と一蹴するも、今の国々の姿の方が正気じゃないとやり返されます。

さらに、亜光の国は滅び秦に糾合されたのでそこで生きていくしかないが、秦に忠を尽くすなどバカバカしいだろうから自分に仕え忠を尽くせと。

部下を傷つけないからそれでよいなと勝手に決める王翦。
「長い旅になるぞ」と言います。

 

3人がかりでも倒せない亜光。
次第に李牧も追い詰められ、後は楽彰に任せて離脱します。

その頃、飛信隊に亜光から追撃戦に参加するように伝令が届きます。

信は赤飛麃と楚水隊を連れ李牧に向かい右側から攻め、カイネに阻まれつつも李牧めがけて突進。

実はそれこそが、李牧の狙いでした。

※出典:キングダム71巻

 

信が抜けたことで手薄になった飛信隊。
危ないところを遊軍の玉鳳王賁に助けられます。

さらに、残っている飛信隊と玉鳳で右翼をしばらく預かるから、指揮系統を残して信を追えと、河了貂を行かしてくれます。

河了貂が去ると、その様子をみていた番陽が「飛信隊をいきなり使うのは相当難しいかと」と懸念。

それに対して王賁は、「敵を止めるだけなら問題ない。それに、かすかだが、今のこの状況に何か違和感を覚える」と。

こういう時は判断できる人間は要所に散らしておいたほうがいいという考えからも、河了貂を行かせたのでした。

 

番吾の仕掛け

その頃、番吾城を目指して奮戦する山の民。
番吾城では、壁を含む囚われの秦軍が息も絶え絶えの状態でいました。

長く続いていた土木作業がパッタリとなくなり、食料ももらえなくなっている状況に不安を覚える壁。
やっともらえると思った食事も、床に投げ捨てられるなど、趙兵のおこないはヒートアップしています。

趙兵が去った後、なんとか壁を生き延びさせようと手にしていた少ない食料を壁に渡す秦兵。
いつでも先頭に立って励ましてくれる壁が、いまや皆の心のよりどころになっていました。

ところが壁の心は、「よりによって番吾を狙うとは…」と暗いまま。
番吾の外の頭佐平原にある仕掛けを心配していたのでした。

 

違和感の正体

遠くから信と李牧の様子をうかがっていた王賁は、右翼に感じていた違和感の正体に気が付きます。
つまり、趙軍の左翼の違和感。

総大将である李牧の逃走劇に反応する秦軍に対して、追われている李牧が脇を通っているのにも関わらず趙の左翼は何の反応なし。

つまり、趙軍の左翼はこうなることを事前に知っていたことになり、李牧の逃走劇は李牧のシナリオ通りになっているということです。

 

その頃、李牧を追っていた信は、その先に土塁の砦をみつけます。
中に入っていく李牧。

追いついた河了貂が、壁の様子からここ最近できた急ごしらえの砦あると推測。
作りからみて1万の兵で落とせるとの言葉に、李牧の狙い通りに信は砦を囲ませます。

この砦は、信をこの戦いの外に張り付けるために作られたもの。
その間に、大将である王翦の首を狙うという筋書きでした。

李牧が砦に入り信が張り付いたことで、中央にいた司馬尚が動き始めました。

 



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