スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) [ 志駕晃 ] 価格:702円 |
現在、絶賛映画公開中の「スマホを落としただけなのに」。
誰にでも起こりうる内容で、他人事とは思えない怖さがあります。
これは、スマホを持つ人すべてが読んだ方がいい!
ストーリーはこんな感じ↓
麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。
拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。
麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。
セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。
一方、神奈川県の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され…。
*「スマホを落としただけなのに」背表紙より抜粋
始まりは、富田のすまほを拾った男が、それに気が付いたところから。
タクシーに乗った時に、酔っぱらっていた男はそこに忘れられていたスマホを、自分のと勘違いしてカバンに入れてしまった事に気が付きます。
待ち受け画像に設定されていた麻美の写真から、男は麻美に興味を持ちます。
なぜなら、美人で黒髪と自分の好みにストライクだったから。
なんとこの男は、何人もの女性を殺している殺人犯。
黒くて長い髪を持つ女性ばかり狙い、まるでまだ生きているかのように演出して楽しんでいるのです。
そんな凶悪犯に目をつけられた麻美。
無事にスマホは麻美の手元に戻る(?)のですが、男は麻美の前に姿を現さず。
静かに情報を集め、なりすました人物を使って自然な出会いを設定。
じわじわと包囲を狭くして、麻美を捕まえようとします。
急に姿が見えなくなっても不自然にらないように、状況をうまく持っていくのだからこわーーー!!
その狡猾な手段は、読んでいてハラハラしつつ、「こんなこともできるのか!?」と驚かされっぱなしです。
じわじわと追い詰められていく麻美さんの話とは別に、山で見つかった連続殺人遺棄事件も進行。
野生動物が掘り起こした死体を、山菜を取りに来たおばあさんが発見。
それをきっかけに、いくつもの死体が芋ずる式に発見されていくと…まさに「姥捨て山」ならぬ「死体捨て山」。
こわ~!!
神奈川県警刑事の毒島徹(ぶすじま とおる)とその部下の加賀谷学(かがや まなぶ)が、山中でヒルに噛まれながらも死体を次々と発見していきます。
ヒルがたくさん出てきて血を吸われている場面って…日本でもそんなところ、まだあるんだとびっくりしたものです。
最初の死体が見つかったところから離れた場所で大雨が降り、その影響で土砂が流れ落ち、ちょうど近辺を探っていた捜査員が不審に思って調べたら死体を発見!
歩いていたら、こんもりとした土のかたまりと細長く掘られた穴を発見。
他にも似たようなものがあったな…と。
次から次へと発見される死体。
でも、身元がわからない。
かろうじて判明しても
「連絡がありますから、別人ですよ」
と、不可思議な現象。
犯人の頭の良さと手際の良さで、捜査も難航です!
この2つのストーリーが、やがて一つに結びついていきます。
最後はアクション並みにハラハラドキドキの流れです!
登場人物は以下↓
稲葉麻美(いなば あさみ)…美人の派遣社員。過去に秘密あり。
富田誠(とみた まこと)…麻美の恋人。優男。
男…天才的ハッカー。麻美を狙う。
加奈子(かなこ)…麻美の友人。
山本美奈代(やまもと みなよ)…卒業後、麻美とルームシェアしていた友人。自殺している。
稲葉洋子(いなば ようこ)…麻美の母親。血はつながっていない。
武井雄哉(たけい ゆうや)…麻美の大学時代の先輩。イケメンだけど女性関係が派手。
戸部真彦(とべ まさひこ)…麻美の大学の同期。今はセキュリティ会社に勤めている。
小柳守(こやなぎ まもる)…富田と同じ人事部の社員。麻美のSNSに頻繁にコメントを送る。
浦野善治(うらの よしはる)…ランサムウェアに乗っ取られた富田のスマホを助けてくれる技術者。
毒島徹(ぶすじま とおる)…神奈川県警刑事。
加賀谷学(かがや まなぶ)…毒島の部下。
斉藤本部長…毒島の上司。
宮本まゆ…デリヘル嬢。最初に山に埋められた犠牲者。
西野真奈美(にしの まなみ)…山に埋められた被害者。
池上聡子(いけがみ さとこ)…元デリヘル嬢。山に埋められた被害者。
波多野淳史(はたの あつし)…犯人と思われる男
最後、最終的に何人の死体が埋められているのか、はっきりとは書かれていませんでしたが、男は他人名義の携帯を13個持っていたので、それに近い数が埋められているのでは…なんて。
それだけの数の死体が埋められているのは怖すぎる…。
映画はこちら↓
キャストはご存知こちら↓
稲葉麻美…北川景子さん
富田誠…田中圭さん
杉本加奈子(すぎもと かなこ)…高橋メアリージュンさん
武井雄哉…要潤さん
小柳守…バカリズムさん
浦野善治…成田凌さん
毒島徹…原田泰造さん
加賀谷学…千葉雄大さん
北川さんはもちろん、田中圭さん、バカリズムさんはイメージにピッタリだと思いました。
ただ、田中圭さん・成田凌さん・千葉雄大さんのお三方の顔が同じ様に見えるのは、歳のせいかな。
若い人の顔がお馴染み見える…。
SNSの怖さはもちろんですが、ネットワークなんてプロにかかればなんでもないなと恐怖。
気軽に個人情報を載せてしまうことがどれだけ怖いことなのか、またインターネットは便利だけど、使い方次第で凶器になる…諸刃の剣であると再確認させられます。
そう意味では名作です!
映画化バンザイ!!