「あなたの罪を数えましょう」菅原 和也

あなたの罪を数えましょう (講談社タイガ) [ 菅原 和也 ]

価格:745円
(2019/1/5 14:19時点)

ハッキリ言って、グロいです。
もう殺し方が半端ない。

「殺人鬼」や「館シリーズ」で有名な綾辻行人さんが激推しするだけあって、かなりのグロさと面白さがあります。
凄惨な殺人シーンは、「もうやめてくれ~」と心の中で叫びまくりでした。

あまりグロいのは好きではないのですが、話は面白いので別の菅原さんの作品が読みたくなる、そんな中毒性があります。
この本を読んだ後、一般的な推理小説での殺人なんぞ生易しく思えるほどです。

ストーリーはこちら!


キャンプ中に失踪した友人たちの捜索を頼まれた、探偵夕月と助手の亮太。
依頼人の三浦とともにたどり着いた山奥の廃工場で、彼らが見つけたのは、多数の人間が監禁・惨殺された痕跡だった。

時は遡り1ヵ月前。
工場に閉じ込められた六人が向き合わされた過去の罪。
仲間の自殺に隠された真実を暴かなければ、死が待つ。

過去と現在、二つの物語から逸脱種探偵が導く前代未聞の真相!


 

まずは、過去からスタート。
過去では、メンバーの一人の視点から話が語られていきます。

金属を打ち鳴らすような甲高い音とけたたましい目覚まし時計で目覚めたメンバー。
目が覚めると、そこは真っ暗な空間で、鉄の足かせがはめられて冷たい床に転がされている事に気が付きます。

目覚まし時計が鳴り終わると同時に、地に這うような音が響きわたり、足かせにつながったワイヤーでぐんぐん音のする方に引き寄せられていきます。
その先に見えたのは、2枚の刃が回転する巨大な機械。
ワイヤーはその回転に合わせて巻かれていたのです。

慌てるメンバー。
誰かが「ポケットに中に鍵が!」という言葉で、慌ててそれぞれの足かせを外します。
ただ、一人だけ眠りから覚めるのが遅かったメンバーがいて…そのまま引き込まれミンチに。

呆然とする残りのメンバー。
これから、過去の事故を巡り、犯人探しが始まるとともに、一人一人が罠にはまっていきます。




この過去の話の進行に合わせて、1か月後の現在が助手の亮太君によって語られていきます。

最初のシーンは、探偵の夕月さんにアッシー君として呼ばれるところから。
迎えに行き、依頼人である三浦さんと共に、連絡が取れなくなった友人たちの捜索に向かいます。

向かう先は、山奥のキャンプ場。
1ヵ月前に差出人不明で送られてきた、キャンプ兼飲み会のお誘いメール。
三浦は海外へ旅行に行くため欠席したのだが、他のメンバーは参加していたよう。

帰国後、連絡をしてみると誰にもつながらない。
家族から捜索願も出されているということで、三浦の方でも調べてみることにしたのが依頼の内容でした。

到着したキャンプ場は、荒れ果てており…すでに廃墟と化していました。
メンバーがキャンプする以前から、もう使われていなかったような感じです。

一角に、飲みかけのコップやお皿など、キャンプをしていたらしい痕跡が残されていました。
しかも、メンバー全員の荷物も携帯もすべて残ったまま。

依頼人が事前に航空写真で調べていた事から、近くに大きな建物があるということで、そちらに方に行ってみる事に。
行くと、そこにはメンバーが移動に使っていたらしい車を発見。

建物は工場として使われていたようですが、すでに封鎖されていました。
周囲を見ると、そこには畳ほどの大きさの板に釘がびっしりと並んだ、まるで剣山のようなものが。

建物の中に用心しながら入ると、そこには大きな粉砕機。
まるで人が巻き込まれたかのような有様に、3人は異様な事件がここで起こっていたことを察知。
中に入って調べはじめます。

 

登場人物はこちら↓

夕月…きれいな女性の探偵
亮太…探偵助手くん
三浦秀人…友人が行方不明になり、その捜索を依頼する

羽田あかり…3年前に自殺したサークルのメンバー。優しくかわいい皆のアイドル的存在。

加藤治…女好き。しつこいナンパで警察沙汰になったことも。粉砕機でミンチになった最初の犠牲者。
風見正善…熱血正義感の元消防士。罠にはまって動けなくなり、野犬に噛み殺される。
大島ほのか…実家で家事手伝いの20代前半。落下物による圧迫死。
架場しおり…子どもがいる主婦。ガソリンで焼き殺される。
竹本緑郎…大学を中退したフリーター。両脚の骨が見えるほど肉がそぎ落とされた状態で発見。実は生きていた!?

 

過去と現在が交互に進行。
今いるこの場所で、1ヵ月前に何が起こりそれが現在はどのようになっているのか掴めて、よりリアルで臨場感を感じさせます。
その場にいるような恐怖心が半端ない。

また、最後にどんでん返し。
なんで三浦さんが警察を頼らず探偵を連れて探しに出たのか…その本当の理由がわかります。

真相を知ると、表紙の絵が言わんとすることが、読む前とは違って受け取れて…それも怖い。
あの笑顔が怖い!

すごく意外だったのが、意図してかどうかはさておき、探偵の夕月さんが最後の復讐を完成させてしまった事。
これまでの小説で、探偵が復習を手伝ったのは初めて。
まぁ、本人的には手伝う意図があったのか、それとも状況的にそうなってしまったのか…それは読者の読み方次第!?

グロい話だけれども、不思議と中毒性のある本。
この後に読む推理小説が物足りなくなるほど(殺し方やトリックが生易しく思える…)。
今度は別の作品を読んでみたいです。




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