02巻:3月のライオン

3月のライオン(2) (ヤングアニマルコミックス) [ 羽海野チカ ]

価格:524円
(2019/2/14 12:33時点)

2年目の今年、初の二連敗をくらってしまった零。
呆然としているうちに昇級するチャンスを失ってしまいます。

将棋界の歴史の中で、中学生でプロになった人間はこれまでたったの4人。
その後、すべて名人かタイトルを獲得しています。
零はその5人目なのですが…現在、絶賛スランプ中。

11月。

さらに3つ目の黒星が付き、「勝つ理由がない」と言いながらも負けると悔しい。
そんな中途半端な自分に、気持ちも落ちていました。

そんな時、街でひなちゃんに遭遇。
元気のない零を心配したひなちゃんは、久しぶりに家でご飯を食べようと誘います。




中学生に心配されるとは…

ひなちゃんは妹の面倒も見て、家やお店の手伝いも。
あかりさんは母親代わりにみんなの世話をして、和菓子のお店も銀座のお店も手伝ってと、みんながものすごい頑張っている。

自分の事だけに、すぐにいっぱいいっぱいになってしまう自分を情けないと、真っ赤になり反省する零。

…と、そこに、ひなちゃんの想い人である高橋君が。

真っ赤になって緊張したひなちゃんは、勢い余ってシェイクを自分の洋服にブチまけてしまいます。

トイレに行っている間、高橋君は怜君に「プロになってから、また学校に行かれたのはどうしてですか?」と真剣な表情で問いかけてきました。
高橋君も野球の進路で悩んでいたのでした。

その真剣な表情に、上辺の答えではなく、ほんとの言葉で答えないとダメだと悟った零。
たどたどしいく、自分の気持ちを騙ります。

その気持ちが高橋君にも通じ、涙が出るほどうれしく感じるほどでした。

高橋君のチームメイトが来たことで話は終わりますが、まだ話したそうな高橋君の気持ちを読み取り、お互いに連絡先を交換します。

 

後日。

高橋君がひなちゃんの家に来ることになりました。
残念なことにあかりさんはお店番で留守。
事前につくったカレーでおもてなしです。

そこで、高橋君が「聞きたいことがある」と持ってきた録画したビデオを鑑賞。

なんとそれは、先日おこなわれたMHK杯。
二階堂君が解説をしている、零が負けた試合でした。

その映像に驚くひなちゃんとももちゃん。
二人は、零君は部活でやっていると思っていたのでした。
内緒にしていたのがばれた瞬間です(笑)。

二階堂君の熱い解説と、テレビを通して零に投げかける熱いセリフ。

途中から参加したおじいちゃんは「青春だーーー!」と喜び、高橋君は「二階堂さんの親友を思う気持ちは本物だと思うっす!」と熱く感動。

ひなちゃんの「なんか楽しいね」という言葉に、驚きつつ初めての気持ちを味わっていました。

 

「私にも、将棋教えてくれる?」

…といひなちゃんの言葉から、将棋盤を買いにいく零君。

自分のいる世界について、誰かに興味を持ってもらえるのは嬉しいことだなと思いながら選んでいると、いつの間にか二階堂君が横にいて一緒に選んでいます。

将棋の普及に力を入れている二階堂君も加わり、ひなちゃんに将棋レッスン♪

まずは零が説明しますが、固すぎる説明に急きょ二階堂君が先生に!

持っていた将棋の絵本を元に、わかりやすく説明していきます。
これは、読者も一緒にわかりやすい!

かわいらしい&わかりやすい絵本に、その作者をみれば、なんとなんとの二階堂君。

絵も得意な二階堂君は、少しでも将棋の普及に役立てられればと自費で作り、二階堂家の新年パーティーで親族に配っていたのでした。

 

将棋会館で、一砂さんとスミスさんからも激励を受ける零。

現在、三勝三敗。
ここで踏み止まらないと、ずるずるとすべり落ちて降級点がついてしまいます。
一度ついてしまった降級点の回復は難しく、それは義父が長年一進一退を繰り返していた様子からもわかっていました。

「一回覚えてしまえば、大人も子供も関係なく、みんな真剣に楽しめる不思議なゲームね」と言ったあかりさんの言葉に、亡き父親の面影がよぎります。

そして、医者の父が諦めなくてはいけなかった、あこがれの棋士の世界に自分がいるという大事なことをなんで忘れていたんだろうと自問します。

 

考えながら帰宅すると、そこには義姉の香子が待っていました。

半ば無理やり部屋の中に入る香子。
有無を言わさぬ態度で寝る準備を始め、近状報告。
そして、帰り際にこれからおこなう対局に言及します。

対局相手は、C1クラスの松永さん。
60の中盤ほどの年齢で、義父とも対局したことが、この道40年のベテランです。

「そんなになってもやめられないなんて、ほんとに将棋がすきなのね。あなたと違って…」

「C1クラスから降級したら、ついに引退するらしいわよ」

「気が重いでしょ?長生きして老いた犬の首をしめにいくようなものだものね」

まるで呪詛のような言葉を吐きながら、部屋から出ていく香子。
電車の中でも、零の頭の中は、香子の言葉と、これから対局する松永さんの事が頭をよぎっていました。

 

そして始まった、松永さんとの対局。
松永さんの読めない作戦に辛い零。
わざと負けようにも辛い状況に耐えられず、一気に攻めて勝ちに行く零でした。

対局終了後、階段から滑り落ちてしまった松永さんに付き添う零。
なぜかそこで、松永さんに零がうなぎをおごる事になってしまいます。

酔っ払いに絡まれたような状態の零でしたが、うなぎを食べた帰り道で松永さんの本音に触れます。

最後に用意された花道を、せめて正々堂々と戦って散ろうと考えていたけれども、「負けたくない」という狂おしい気持ちが沸き起こりみっともなくあがいてしまったと。

辞めたくない、これからも続けると決心する松永さん。
それを電話で香子に零は伝えるのでした。

 

12月。

香子から再び電話。
前回来た時に、時計を忘れたというのです。

ソファベッドと壁の隙間に落ちていた時計を待ち合わせ場所に持っていくと、今度の対局の相手・安井六段について「ついに離婚がきまったらしいわね」とまたいらぬ情報を。

クリスマスまではパパと一緒にいたいという娘の言葉。
対局はまさに、クリスマスイブ。

「勝って帰ってきたパパと、負けてえ帰ってきたパパ。最後のクリスマスの思い出にピッタリなのはどっちかしら?」

と、笑顔で言い去っていきました。

 

そして迎えた対局の日。

対局はあっけなく終わり、負け惜しみばかり言う安井さん。
そのため息からかすかに匂う、アルコール。

粘ることなく簡単に勝負に見切りをつける安井さんに、「まだ勝負はわからない!こんなに容易く手放さないでくれよ!」と驚き動揺する零。

呆然する零を残して、安井さんはさっさと部屋を出ていきます。

…と、零は安井さんが忘れていったクリスマスプレゼントに気が付き、追いかけて渡します。

ところが、「オレのじゃない」と突っぱねる安井さん。
零が「安井さん!」と強く呼びかけると、安井さんは「最後のクリスマスだったのに…」とつぶやき乱暴に受け取ります。

その後ろ姿を見つつ、プレゼントを持っていた手をぎゅっと握る零。
思いっきり駆け出し、息が切れたところで心の限り叫びました。

戦う理由がないと言いながらも、戦いが始まれば生きる道へと手が伸びてしまう。
誰を不幸にしても、どんな世界がまっていても…。

涙を流しながら、心の中に閉じ込めていた言葉を乱暴なぐらいにぶちまけたのでした。

 

【次巻】

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