07巻:呪術廻戦ー起首雷同ー

呪術廻戦 7 (ジャンプコミックス) [ 芥見 下々 ]

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夏油傑の作戦により、高専が保有していた特級呪物“両面宿儺”の指が6本と、特級呪物“呪胎九相図”の1番から3番までを、真人に持ち去られてしまいます。

危険度の高い呪物を保管する蔵は、不死の術式を持った呪術師・天元が管理。
不死とはいえ不老ではなく、その姿はただの木と同類。

しかも、結界の運用以外はノータッチ。
門番もいるけれども、雑魚レベル。

夏油の作戦では、帳が降りる前に高専で待機している術師をできるだけ倒し、花御の負担を減らし、五条悟が帳の中に意識を向けている間に天元の元に行くというもの。

また、学生を殺さなかったのは、学生の中に宿儺にとっての地雷があり、それを踏めば最悪、作戦は失敗してしまうと考えていたからでした。

 

一方、高専の教師陣で、今回の事件について被害が報告されていました。

真人が関係している事、捉えた呪詛師は要領を発言からも、取引上、協力したにすぎない駒ではないかといった見解に。

天元の元にわざわざ忍び込んだその目的に、宿儺の指による悠仁の潜在能力強化を危惧したのか、それとも呪霊たちの強化目的…と考えるも、どこかしっくりこない五条。

とりあえずその話は終わり、交流会をどうするかと言う事になりますが、「それは僕たちが決めることじゃないでしょ」との五条の言葉により、学生たちにゆだねられることになります。

 

交流会をどうするか?

「当然、続けるに決まっているだろう」と言う事で、五条の小細工から個人戦から野球に。

それぞれの個性あふれるプレーに盛り上がる(?)交流会。
そんな学生たちの和気あいあいとした雰囲気を、少し離れたベンチで見学する楽巌寺学長と夜蛾学長。

「まだ、虎杖が嫌いですか?」と聞く夜蛾に、「好き嫌いの問題ではない」と、依然として虎杖の存在を許さない楽巌寺。

個のために集団の規則を歪めてはいけないし、虎杖が生きていることでその他大勢が死ぬかもしれない…というのが楽巌寺の考え。

そんな楽巌寺に夜蛾は、「だが、彼のおかげで救われた命も確かにある。虎杖についての判断が正しいのかどうか、正直、私にもわかりません。ただ、今は見守りませんか」と静かに言うのでした。




 

 

起首雷同(きしゅらいどう)

交流会終了後。
虎杖・伏黒・釘崎の3人は、補助監督・新田明と共に埼玉県さいたま市を訪れます。

6月から9月にかけて、共通の前兆を伴う呪霊の刺殺事件が3件、発生していたから。

3人に共通していたのが同じ中学に2年間在籍していたという事。
どうやら、昔その3人が同じ呪いを受けて、時が経って発動したと考えられると。

3人の被害者と共通の知人に話を聞きに向かうのですが、その知人も件の3人と同じ死に方をした事が判明します。

 

とりあえず、通っていた中学校に向かうのですが、なんとそこは恵の母校。
しかも、偶然、居合わせていた後輩から、当時の恵が不良共をのしていた存在だった事を知ります。

後輩と、古くからいて恵の事を覚えている校務員から、亡くなった4名について話を聞くと「八十八橋のバンジー」について気になる話が。

自殺の名所として有名な心霊スポットで、深夜にそこでバンジージャンプをするのが不良少年たちの間で流行っていました。
いわゆる、度胸試し。

件の4名は、その場所で倒れているところを発見されたことがあると。
ただ、本人たちは一切何も覚えていない。

その話に、当たりを感じる悠仁たち。

ただ、心霊スポットは呪いがたまりやすいので、高専関係者が定期的に巡回している場所。
恵も訪れた事があるものの、何も感じたものはありませんでした。

 

その頃、奪った呪胎九相図を前に、「なんで壊さないの?」と首をかしげる真人。

その問いに、特級は壊せないと説明する夏油。
「生命を止め、他に害を為さないという“縛り”で、存在を保証するんだ」と。

ちなみに、宿儺の指は特別で、呪物となっただけでなく20にも分割してなお、時を経て呪いを寄せる化け物。

宿儺は器を選ぶけど、呪胎九相図は器を選ばない。

夏油の話に納得した真人は、呪胎九相図1番を取り出すと、部屋に捉えていた男に無理やり飲み込ませます。

そして、姿を変えた男…もとい呪胎九相図・血相に、お使いを頼むのでした。

 

八十八橋にやってきた悠仁たち一行。

「呪霊の呪の字も出ないじゃない」と頭を悩ませていると、そこに中学校であった後輩が、姉と一緒にやってきました。

後輩君のお姉ちゃんも、中学2年生の時に夜の八十八橋に肝試しに来たことがあり。
最近、実家で営んでいるアンテナショップの自動ドアが開きっぱなしということが続いており、何かの気配を感じると。

しかも、恵の姉である津美紀も一緒に行っていたという話に愕然とする恵。
津美紀も呪いを受けており、狙われる可能性が大です。

 

津美紀の護衛を頼むため呪術高等専門学校の補助監督・伊地知に連絡を入れると、予想以上に危険度が高いことからも撤退を勧められます。

恵自身も、3人でも危険な任務であることを自覚。
ただ、時間がない。

呪霊が襲ってくるタイプではなく、マーキングした人間の内側から術式が発動するタイプ。
それならば、側で守り続けても意味がない。

今すぐ祓うしかないと決めた恵は、「任務の危険度が吊り上がった。この件は他の術師に引き継がれる」と撤退することになったと、悠仁たちを先に帰そうとします。

が、一人で祓おうとした恵の考えを悠仁と野薔薇は気付いており、橋の下に向かったところに追いつかれてしまいます。

「せめて頼れよ、友達だろ」という悠仁の言葉に、「津美紀は寝たきりだ。この八十八橋の呪いは被呪者の前にだけ現れる。本人が申告できない以上、いつ呪い殺されるかわからない」と、今すぐ祓いたいと二人に話すのでした。

 

 

宿儺の共振

呪術的な意味を考えながら、橋の下を歩く3人。
見事、結界を探し当てます。
ウツボのような呪霊に、「祓い甲斐がありそうね」とやる気満々。

ところが、それと同時に人間に受肉した呪胎九相図の血塗が入ってきます

祓う対象が2つに増えた事で、悠仁が血塗を、恵と野薔薇が八十八橋の呪いを相手にすることに。

 

八十八橋の呪霊は、まるでもぐらたたきのような呪霊。

術式範囲・被害者数・結界と全てが本体に引き算として作用していることからも、意外と早く祓えると分析する恵。

…と、空間から突如出た黒い空間。
そこから出てきた何者かの手によって、野薔薇が引き込まれます。

「アンタはモグラを叩け」と言いおいて消える野薔薇。

その様子に、血塗も「兄者かぁ?」と続けてその先に。
悠仁も続けて追いかけ、恵と二手に分かれて対応する事に。

 

残った恵は、もぐらたたきの先手を打って見事、呪霊を一撃粉砕。

ホッとしたのもつかの間、実は本体はまだ残っており…その姿を恵の前に。
その姿は、少年院で戦った宿儺を取り込んだ呪霊とそっくり。
この八十八橋の下の呪いの正体は、宿儺の指を取り込んだ特級呪霊。

「共振だ…」と、6月の虎杖の受肉をきっかけに、それまで呪力を抑えていた宿儺が呪力を解放したと悟る恵。
しかも、少年院の時よりも格段に上。

激しい戦闘の中、五条との会話が脳裏に浮かびます。

実力も潜在能力も、悠仁と遜色ない。
意識の問題。

「恵は本気の出し方、知らないでしょ。本気でやれ、もっと欲張れ」とアドバイスする五条。

そんな五条の言葉の意味を、土壇場でつかむ恵。
特級呪霊に追い詰められたところで、不完全ながらも「領域展開」を習得。
呪霊を祓って宿儺の指の回収に成功します。

そんな恵の様子に、両面宿儺は「いい。それでいい」と満足そうに微笑むのでした。

 

 

恵と津美紀

中学生の頃の恵は、ずるがしこい奴を見かけると容赦なくぶちのめしていたことからも、不良共から恐れられていた存在。

そんな喧嘩っ早い恵をいさめていたのが、1学年上の姉の津美紀。

恵の価値観としては、悪人が嫌い。
そして、そんな悪人を許してしまうだけでなく、格調高くとらえる善人が苦手。

津美紀は典型的な善人。

 

二人は血がつながった姉弟ではなく、再婚同士の子ども。

恵を禪院家に売る事で、蒸発資金を得た消えた父親。
そして、禪院家の件を帳消しにして、恵が呪術師として働くことを担保に、恵と津美紀の高専からの金銭的援助を通したのが五条。

恵が中学3年生に上がって間もなく、姉の津美紀が呪われるという事態に。

正体不明。
出自不明。
でも、全国に同じような被呪者はいる。

それ以来、津美紀は寝たきりに。

 

手に握る宿儺の指を見つめながら、「この八十八橋の呪いは重複していただけで、津美紀の寝たきりの原因になった呪いは解けてないだろうな…」と思う恵。

「指のことを虎杖になんて…」と思案するうちに、気を失うように寝てしまうのでした。

 

 

兄と弟

恵が宿儺の指を手に入れた事は、気配として瞬時に野薔薇たちにも伝わっていました。

敵方に引き寄せられた野薔薇。
そこにいたのは、呪胎九相図・血塗の兄である壊相。
丁寧で紳士的な言葉使い、でもその姿形はちょっとヤバ目。

宿儺の指の奇手が祓われたことを察知した壊相は、野薔薇との戦いは放棄し、指の回収に向かおうとします。
なぜなら、壊相と血塗に託されたお使いとは、宿儺の指の回収だったから。

宿儺の指を取り込んだ呪霊と戦って勝ったとはえ無傷で済むはずがないと、野薔薇も壊相の後を追います。

後ろ向きに走りだした壊相に「なめた走り方しやがって!」と追いかける野薔薇。

そんな野薔薇に壊相は、「私、自分の背中がコンプレックスでして。警告です。私の背中を見たら殺しますよ」と謎の言葉をかけます。

 

…が、そんな壊相の走る前に、突如として出てきたのが悠仁と血塗。

背中を見られたことで、壊相が「殺す!」とブチ切れます。
ここで本領発揮。

 

追いかけてくる血のスピードは速く、悠仁が野薔薇を抱きかかえて射程範囲から逃れるも、先回りしていた血塗に血を浴びせかけられてしまいます。

とっさに野薔薇をかばった悠仁でしたが、そこに追いついた壊相が野薔薇に自分の血を。

壊相と血塗の術式は、蝕爛腐術「朽」。

兄弟どちらかの血を取り込み、壊相と血塗のどちらかが術式を発動させることで、浸入個所から腐蝕が始まるというもの。

うまく術にはまった悠仁と野薔薇の姿をみながら、「兄さん、呪術師は大したことないよ」と心中で、もう一人の兄を想う壊相。
少し前、受肉したときの事が思い出されます。

 

呪胎九相図1番から9番までは、特級に分類されるほどの呪物。

その発生は、明治の初め。
呪霊の子を孕む、特異体質の女性。

呪霊と人間の混血、異形の子。

身に覚えのない懐妊に始まり、親類縁者からの常軌を逸した態度に、子の亡骸を抱えて山向こうにある呪術師が開いた寺へと駆け込みました。
そこで出会ったのが、史上最悪の術師として名を残す御三家の汚点・加茂憲倫。

加茂の知的好奇心が呪霊と人間の間に生まれた子の虜になり、九度の懐妊と堕胎を行わせるまでに。
それらがどのような結末を迎えたのかは、一切の記録が破棄されています。

 

呪胎九相図に母の記憶もないし、人間にも術師に恨みがあるわけでもない。
150年間、お互いの存在を頼りに封印を保ってきた。

「呪霊が描く未来の方が、自分たちにとっては都合がいい」

その兄の言葉に、壊相と血塗は今回の“お使い”を引き受けます。
兄弟のため、兄弟が望むのであれば、私はそれに殉ずるのみ…と。

 

「辛いようでしたら、今すぐ殺して差し上げましょうか?」と言葉をかける壊相に、不敵な笑みを浮かべる野薔薇。

「当たれば勝ちの術式。強いな、おまえら。でも残念。私との相性、最悪だよ!」と、野薔薇は釘を自分の手に。
そのダメージは呪詛返しの“共鳴り”として、壊相と血塗にも。

 

我慢していればいずれは先に野薔薇と悠仁がくたばると、あくまでも術式を解かないで我慢比べをしようとする壊相。

でも、動けないはずの悠仁が動き、ダメージをくらっている血塗を攻撃してきます。

なぜなら、悠仁は猛毒・両面宿儺の器なので、あらゆる毒に耐性があるから。

 

瀕死の血塗を先に祓うべく、動く野薔薇。

二人の行動に、術式を解くか問われる壊相。

固く術式を解かないと決めるも、血塗の「兄者…」という言葉に、知らず知らずに術式を解いている壊相。

悠仁と野薔薇のよる黒閃で、片腕を吹っ飛ばされる壊相。

血塗は野薔薇に一撃をくらわそうとしますが、逆に野薔薇によってとどめを刺されてしまうのでした。

 

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