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極主夫道 2 (バンチコミックス) [ おおの こうすけ ] 価格:660円 |
最近、ちょっと太ったかもと室内でフラフープする龍。
そんな龍に、美久は「外でやろうか」とフィットネススタジオのチラシを渡します。
さっそく、近所の主婦友と一緒にフィットネススタジオを訪れた龍。
キャンペーンでいろんなレッスンが無料体験できるということで、まず向かったのはエアロビ。
「音楽に合わせて行きますよー!!」というインストラクターの声と音楽に合わせて、笑顔で踊ります。
「いやぁ、楽しいもんすね…エアロビって」という龍に、「龍さん上手だったわよ!笑顔以外」と褒める主婦友。
次にトライしたのはヨガ。
インストラクターの声に合わせてポーズをとる龍は、何かの形に似ている事に気が付きます。
「組長に木刀で派手にど突かれた後のポーズ」
「ヘタこいて指詰める覚悟決めた時のポーズ」
「運転席から『お前、この車、山捨ててこい』って鍵渡すポーズ」
「頭にキレイに弾が入った時のポーズ」
「あ、もう言わなくていいですよ~」とインストラクターさん。
終了後。
「ヨガはなんか肌に合いますね。いや~、思ったより全然楽しくて…」と着替えるために扉を開けた龍を主婦友が慌てて止めますが、時すでに遅し。
「龍さん!!ここ女性用…」
瞬間、勢いよく廊下に転がり出る龍。
壁にぶつかって止まると、今度はおでこを廊下に一撃。
駆け寄る主婦友に「姐さん!覚悟はできてきます!」と額から血を流しつつ、脚を組んで腕を背中でつかむポーズ。
「どうぞ縛って、山に埋めるなり海に沈めるなりしてください!!」という龍に、「ちょっとヨガっぽい」と思う主婦友でした。
VS 家庭栽培
べラダンに並ぶバジル、カモミール、オクラ、プチトマトの植木鉢。
「くくくっ…どう料理したろか…」と笑みを浮かべながら水やりをする龍。
そんな龍の様子を遠くから見ている二人の警官がいました。
「どうやら、通報にあったように、何か怪しい“葉っぱ”を育ててますね」と、なにやら不穏な空気。
そんな事とは梅雨知らず、「雅にもわけてやるか…」と収穫したバジルをジッパーに入れると、アタッシュケースに入れて自転車で雅との待ち合わせ場所に向かいます。
龍が出かけるのを「ブツの取引」と警察官が尾行。
さらに、雅と合流した龍が向かった先へと。
到着したのは、路地裏にある飲食店。
扉には「CLOSED」とかかれた札が。
「これはもしやでかい取引!?慎重に中の様子を…」と言う年配の警察官を無視し、若手が扉を蹴飛ばして中に入ります。
「なんだこれは!」と叫ぶ警官に、「会長のお誕生日会」と答える龍。
「ウソつけぇ!さっきそこのチンピラと怪しい取引をしていたのは分かってる!」と言葉に、「兄貴の育てたバジルとかの事?」と子袋を出す雅。
若手警官が黙ると、今度は先輩警官が「カモフラージュだな?ベテランの目はごまかせんぞ。本物のブツはそこだ!」と龍が持つアタッシュケースを指さします。
アタッシュケースから出て来てのは、会長への上納品であるモイストポプリ。
「乾燥していない花びらとかを塩で保存したブツで、香りを楽しむんや。香りがなくなったら、バスソルトとしても使える」
そう説明する龍の言葉に、ゆっくりと近くの椅子に腰かける先輩警官。
そして一言。
「女子力、高くない?」
VS フリーマーケット
猫のポーチを手に「これっていくらですか?」と尋ねる女性。
「完全手作り、純度100%。200円やで」とニヤリと龍が答えます。
事の発端は、1ヵ月前。
龍の家事グッズ(ミシン、くまちゃんかき氷など)や趣味のもの(マジカルレッグ、バランスボール、家庭用陶芸など)が増加。
部屋が手狭になってきたことから、美久が「フリーマーケットで売ってみたら?」と提案したのでした。
「なかなか難しいシノギやで」と考え込む龍のところに、「どう?売れてる?」とご近所さんがやってきます。
龍、手作り作品を披露。
…と、近くで「誰の許可得て商売してんだコラァ!」と怒声が。
施設の許可は取っているという担当者に喰ってかかっています。
すかさず龍が「暴力はやめとけ」と近づくと、すぐに“不死身の龍”であることに気が付くヤクザ。
虚勢を張りながらも、脚が震えています。
場所を移した龍は、「俺もそっち側の人間やったからのぉ…シマがあんのはわかる。タダで帰れとは言わん」と理解を示し、おもむろに取り出したのは猫ちゃんピーラー。
「なんでも剥けるでぇ」と差し出す龍の言葉に、「てめぇ、爪はいだろうかって事!?」と、倒れかかって近くの壁に手を突くヤクザ。
後ろに控えていてヤクザが「なめてんのか、こらぁ!」といたって普通の受け答えをすると、「これもどうや、シャクシャクミキサー」とさらに取り出す龍。
ノックアウト寸前のヤクザ。
「お前らもゴンタやのぉ」とさらに取り出しのは、おふろに浮かべるあひるちゃん。
これなら耐えられると思うも、「おふろにプカプカ浮かすんや」という龍の言葉に、「海に沈めるって事ぉおお!!」と完全ノックアウト。
「もう、勘弁してください…」と倒れるヤクザの兄貴。
そっと品を置く龍でした。
VS 洗濯
雅の住む部屋に来た龍。
扉を開けて見えたその光景に、「やってもうたんはしゃーない。始末つけるで」と。
そこには、乱雑に床に放り出された洗濯物の山。
「もう一気に洗濯機で」と放り込もうとする雅を、「素人がぁ!」と平手打ち。
「白いもんと、色柄もん、シマわけんかい!色移りなめとんのか」とテキパキと動く龍。
…と、その中からカレーうどんのシミが付いたシャツを発見した龍。
40度くらいの湯を用意させ、過炭酸ナトリウムと過酸化水素を配合した酸素系漂白剤を入れ、その中にシャツを入れます。
その後も次々と出てくるシミのついたシャツ。
「まとめてかかってこいヤァ!」と、歯ブラシでトントントントンと洗剤をしみ込ませていきます。
「手ぇ出すなよ、雅ぁ!!」という龍の言葉に、「さすが兄貴や。まだまだ健在やでぇ!」と感心。
それから数時間後。
青空の下、きれいになった洗濯物を干す龍。
ふうっと一息ついたの時、強風にあおられたシャツが一枚、ハンガーから外れて道路の水たまりに落ちてしまうのでした。
何もいわず、みつめる二人。
VS 試乗車
「これカッコいい!」と歓声を上げる美久に、「ご家族で乗られますか?」と声をかける販売員。
龍の姿をみると、「…で、したら、黒塗りのベンツですよね」と真顔になります。
次々と車をみる美久と龍。
フォルムがカッコいい車も「荷物の出し入れがなぁ…」。
サイズの大きい車は「スーパーとかで小回りが利かへん」。
おしゃれな車は「燃費が家計にちょっと…」。
そんな龍が納得したのは軽トラ。
「小回り利くし、何でも載るし。まぁ燃費も…」と満足気味の龍に、「イヤッ!」と今度は美久が反対。
そんな二人の様子をみていた販売員が、「こちら家庭用として大変人気でして」と、二人の希望に合った車を勧めます。
「試乗されますか?」という言葉に喜ぶ美久。
龍は周囲をうかがい車の下をのぞき込むと、「このガラス、防弾ですか?」と確認。
乗り込むと、「ほな、まず特売の店、突っ込もうかぁ」とニヤリ。
「他の店舗へはちょっと…」と止められます。
「かもしれない運転でね」との美久の言葉に、道路へ誘導するスタッフさんがヒットマンに見える龍。
銃弾を避けるためバックすると、そこに立つスタッフの方と目線がバッチリ。
刀を持って襲い掛かってくる…かもしれないとして、バックから前進。
その先にはシルバーカーをひくおじいさん。
そのシルバーカーの中から取り出したのは軽装甲火器…かもしれないで「伏せろぉ!!」と叫ぶ龍。
おじいさんが通り過ぎた後、龍は車から降りると、「今回の取引…俺は降りる」と言うのでした。
VS スイーツ
スーパーで買い物を終えた龍と雅。
「お前も特売のブツは事前に調べとけ。ちゃんと絵図描いて買い物せんと、無駄な金、使う事になる…」と言っている側で、雅はクレープをお買い上げです。
なんと、そのクレープを焼いていたのは、不死身の龍と双璧をなすと言われている超武闘派ヤクザ・剛拳の虎と呼ばれた虎二郎。
つい最近、刑務所から出てきたばかりでした。
お互いに気が付いた二人。
「久しぶりだな、龍よぉ…俺がいねぇ間に組、潰しまくってくれたそうじゃねーか?」と車から降りてくる虎二郎。
「おかげで俺ぁ、行くあてもなく今や露天商よ…。そんなおまえが…こんなところで何してやがる、おお!?」とすごむ虎二郎に、「俺は今、専業主夫や」と答える龍。
龍の答えに「喧嘩しか能のなかった奴が、専業主夫だぁ!?笑わせんじゃねぇ!!」というや、胸倉をつかみます。
「…俺は専業主夫、お前はクレープ屋。俺らの流儀は分かっとるな?」との龍の言葉に「…上等だ」と答える虎二郎。
伝説のヤクザ同士の喧嘩が始まると、息をのむ雅。
龍も負けておらず、スーパーで買った食材でうまく仕上げていきます。
そして、完成。
虎二郎の「トロピカルフルーツ・ジャンボデラックス・スペシャルクレープ」。
龍は「杏仁豆腐のフルーツジャムの苺添え」。
すかさず、スマホで写真をとりSNSにアップ。
2時間後。
イイネ(1件)が付いたのは龍でした。
VS ママさんバレー
激しい音が響く体育館。
「…ここや、ここにタマ撃ち込まんかい!」と激しく叫ぶ龍。
うまくバレーボールをレシーブ。
「ナイスーッ!!」
「声出してこー!!」との掛け声に…
「おらぁっ!」とレシーブ。
「やんのかおおっ!」とトス。
「かかってこんかい!」とレシーブ。
ちょっとミスったアタックが龍の顔面に。
「タマとったぞぉお!」
「言い方ーーー!」とすかさず訂正が入ります。
休憩中。
「最近、チームの集まり悪くってねぇ…。龍さん練習に付き合ってくれて助かったわ~」とご近所さん。
すかさず、「はちみつレモン、食べます?」と持参したタッパーを差し出す龍。
「今日、一緒に体育館を借りたチームが、練習試合しませんかって言ってて」との話に、「ママさんバレーの抗争ですね…」とつぶやく龍。
そこに、あきらかにヤクザと思われる集団が入ってきます。
ざわつくママさんたちの視線の中、組長と思われる人物が更衣室に。
舎弟が番犬よろしく扉の前に立っていると、着替えをすませた組長がでてきました。
くまさんのアップリケがかわいい、ジャージ姿。
「はじめました、みなさん。くまさんベアーズです」と、挨拶。
なんと、本日の練習試合の相手。
「いやぁ、健康の為にはじめたんやけど、はまってもうてなぁ。今日はよろしくたのんますわ」
試合開始です。
最初のサーブはママさんグループ。
「しゃあ!」とレシーブ。
くまさんベアーズの力強いアタック!
それを受け止め、龍にパス。
龍のアタックを組長が受け、トスからアタック。
激しい攻防の末、勝者はくまさんベアーズ。
「ケジメ取ります!」と土下座する龍に、手を差し伸べる組長。
皆で記念撮影です。
VS スタンプラリー
早く仕事が終わり、まだ明るい商店街を歩いている美久。
漂う良い香りに「コロッケ…食べたい」と思っていると、肉屋に龍の姿。
二人で歩き始めやいなや、「すまんけどな、今日は大事な勝負があるんや」と真剣な表情で言う龍。
向かったのは刃物屋。
「おやっさん、ご苦労様です」と中腰で挨拶する龍。
「刃物か?」と聞く店主に、「いえ…今日は例の」と答える龍。
次にクリーニング屋さん。
「あら龍さん。血の処理ならまかせてくんな」という店主に、「姐さん、今日は…」と龍。
「例のあれかい?あんたも懲りないね」と、龍が差し出したスタンプカードにスタンプを。
「くくく、見てみぃ。スタンプラリーの完成や」と、美久に見せてニンマリ。
そして向かったのは、福引抽選所。
「掃除機を求めて、今日で10回目の勝負や…」という衝撃的な告白に、美久もびっくり。
「スタンプはあつめてんだろうなぁ?」というおやじ(スタッフ)に、「イカサマはせーへん」とスタンプカードをテーブルに叩き置く龍。
「大博打じゃあ!!」
ガラガラからでてきたのは、色のついた玉。
おやじ(スタッフ)が激しくベルを鳴らします。
「はい、5等のぬいぐるみだよ~」と差し出されたぬいぐるみを、「めっちゃ、可愛いじゃん」と嬉しそうに受け取る美久。
「残念だったな、若いの。ワシの勝ちじゃ!」というおやじ(スタッフ)に、龍は不敵な笑み。
「はっ、気づいてへんのか?嫁の笑顔が本物の1等じゃあ!!」と叫ぶ龍。
もう一度繰り返そうとした龍を、「もういいもういい」と美久の強烈な一撃が止めるのでした。
VS キャッチボール
突然、美久の両親が来ることになり慌てる美久。
龍は「任しとき」とニヤリ。
訪れた両親に、見事な手さばきでお茶とスイーツを出す龍。
「カヌレとダージリンです。お口にあえば…」とニヤリ。
「すごーい、龍くん。おしゃれ~」と感激の母。
「タッちゃん、なんでも作っちゃうし」と自慢げの美久。
会話がはずみます。
その横で、会話に入れず黙っている父。
「盛り上がっちゃってさ」と寂しげな表情です。
飼い猫の銀を見て、犬を飼っていることを思いついた父。
「龍…くんは、犬は好きか?」と話しかけます。
「イヌ(刑事)にはあまりいい思い出がないんで…」と答える龍。
次に、趣味の話を持ち出しす父。
「(ワシはカラオケが好きだし…)龍くん、歌うのは好きかい?」と聞くと、「自慢じゃないですが…自分は1回も歌った(自白した)事ないんですよ」とニヤリ。
「へー…まじで?」
…と、キャッチボールに誘う父。
「もし息子がいたらな、夢だったんだよ。キャッチボール」と、持ってきたミントを手にはめます。
そして、近くの空き地に出向く二人。
「よーし、行くぞー」との父の声掛けに、「うす!!」と答える龍。
ボールを投げる父。
キャッチし、小走りで父に届ける龍。
どんな球でもすかさずキャッチし届けます。
ふいに、「いや、やめよう」とベンチに座る父。
「ど…どうしました、お義父さん!!」と焦る龍に、「キャッチボールってのはさ、親子の心の会話なんだよ。一方的じゃダメなんだ」と言います。
その言葉に、「俺…間違ってました…」とうなだれる龍。
再び、始まるキャッチボール。
「いいかい、龍くん。なんでもいいのさ。他愛のない話をしながらボールを…」と言いかけた途中で、龍の豪速球が!!
受け止めて吹っ飛ぶ父。
後ろの木に激しくぶつかります。
「大丈夫ですか」と駆け寄る龍に、血反吐を吐きながらすました顔で一言。
「内角低めのスライダー」