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極主夫道 1 (バンチコミックス) [ おおの こうすけ ] 価格:660円 |
顔を洗い、スーツに着替えてサングラス。
お気に入りのエプロンをつけたら、お弁当作りスタート。
かわいいクマちゃんのキャラ弁が完成したら、記念撮影です。
そこに、「やばい!遅刻だ!!」と慌ただしい様子で会社へと向かう嫁の姿が。
「おい…朝ごはん」という龍の言葉をスルーし、騒がしく出かけていきます。
「まぁええ。とりあえず洗濯して…それから買い物に行って」と飼い猫の銀を持ち上げたところで、お弁当を忘れている事に気が付く龍。
嫁に弁当を届けるべくアタッシュケースに入れ、帽子をかぶって自転車で追いかけます。
途中、警察に呼び止められ職務質問。
「もう一度聞くけど…職業は?」
「専業主夫です」。
…と、警官の一人が、龍の過去に気が付きます。
「おまえ、まさか不死身の龍か!?」
一晩に単身丸腰で抗争相手の事務所を10ヵ所潰したと言われる伝説のヤクザ。
不死身の龍!
「その後、忽然と姿を消したって聞いてたが…」と警官が言いかけた時、さっと胸元に手を入れて何かを取り出そうとする龍。
その姿に「おい、動…」と言いかける警官。
龍が取り出しのは、クーポン券。
「ここはひとつこれで…」と渡して去ろうとする龍でしたが、「待って待って待って」と引き留められるのでした。
VS 訪問販売
「いや~チョロい!」と、したり顔で歩くサラリーマン。
年寄りをターゲットに、二束三文の包丁を売り歩いていました。
次に目をつけたのは2階建てのアパート。
チャイムを押し、開いた扉にすかさず靴先を入れて閉められないようにし、営業スマイルで名刺を差し出します
「お忙しいところ失礼しますぅ。私、瓜田と…」と言いかけて、目の前に立つ龍の姿に言葉を失います。
血がついたエプロンに、手には包丁。
「お…えっ、お取込み中でした?」と問う瓜田に、「ちょっとさばいとったもんで」と答える龍。
瓜田、無表情のまま腰を抜かして尻もち。
が、すぐに「俺もプロだ。別にびびっちゃいねぇぜ?」と体制を立て直します。
包丁の訪問販売に、「ブツは今、あるんか?お?」と詰め寄る龍。
「こちらの包丁、職人が丁寧に仕上げておりまして…」と瓜田の説明を聞きながら切れ味を確認。
「ここらで最近、二束三文の包丁を高く売りつける詐欺が流行っとるらしい。試してええか?」というや、台所に立つ龍。
見事な手さばきで作り上げたのは、ハンバーグプレート。
魚のすり身を使った優しい口当たりのハンバーグに、味付け濃い目のケチャップライス。
そして素朴な付け合わせ…食べる瓜田の心に、懐かしさがこみ上げてきます。
なんで俺、飯食ってんの?
包丁関係ねぇし。
でもこの人、何か怖いし、帰ろ。
訪問販売、成果なしでご帰宅です。
VS 雅
「兄貴が消えてから肩身が狭なったぜ…どこ行ったんや、龍の兄貴…」と思いながら歩く雅。
通りかかったスーパーで、「何い!?キャベツ一玉100円!?おお!!」と叫ぶ龍の姿を発見。
「アコギな商売しとりまんなぁ」とレジで会計をする龍に駆け寄ります。
「何してたんすか、今まで!探してたんすよ、兄貴!」とついてくる雅に、立ち止まりおもむろに煙草に火をつける龍。
「場所、変えよか…」と。
向かった先は料理教室。
手際よく調理し、主婦の皆様方から拍手喝さいを受けて照れる龍の姿に雅がブチ切れ。
「みんな不死身の龍をまってるんや!何をコロッケ揚げてお~いうて、おばはんか!!」と胸倉をつかむ雅に、「今は専業主夫や。暴力では大切なもんは守れへん」とコロッケがのった皿を差し出す龍。
「何が暴力では大切なもんは守れへんや!平和ボケしたんかぁ!」と皿を手で思いっきり叩き落します。
瞬間、龍の渾身の平手が雅に。
窓を破って外に転がり出た雅に、すかさず馬乗り。
連続の平手打ち。
「暴力!!」と叫んだ雅です。
VS バーゲン
部屋の中で、煙草を手に考える龍。
ターゲットは決まっている。
時間もルートも確認済み…あとはやるだけや。
勢いよく自転車で向かっている途中、突如現れた猫を避けるため、ちょうど通りかかった車に勢いよくダイブした龍。
なんとその車には、かつて組を潰された国巳組の組員が。
「時間くってる場合ちゃう!」と走り去る龍を、「コラァ待てやぁ!カチコミか、てめぇ!」と、乗っていた二人の組員が追いかけます。
お店に入った龍。
追いかけてきた二人に「お前はアッチだ!」と指示を出します。
そこは、安売りセールと書かれた旗が翻るワゴン。
「お前、これ持っとけ!」
「お前はこれや!」
と物を投げてよこします。
バーゲン終了後。
階段の壁に並ぶ組員。
怒りを隠せない龍。
「あほんだらぁ!大の大人が雁首そろえて…」と取り出したのは、トレーナーと手袋。
「狙ってた商品も買えとらん…子どものお使いやないんやぞぉ!!」と怒り爆発。
「バーゲンは戦場や。主夫、なめとったらあかんぞ」という龍の言葉に、「ウソつけぇ、こんな主夫いるかぁ!」と拳銃を向ける組員。
すかさず、腕をつかんで回し込み拳銃を落とさせると、その手に手袋をはめます。
「これから…寒くなるからな…」
龍の言葉に、「うちは貧乏だからこんなのしか買えないけど…」と小さい子どもの頃に母親が買ってくれた手袋を思い出す組員。
「風邪ひくなよ」と去る龍の後ろで、「…母ちゃん!!」と膝をおって崩れ落ちるのでした。
VS ハッピーバースディ
アニメのフィギュアが入った箱を手に、「どう言う事や…」とつぶやく龍。
その姿を遠くからじっと見つめる店員。
レジに来ると、持っていたアタッシュケースをレジに置き、「声は出すな、目線も外せ」と店員に伝える龍。
そして一言。
「『クライムキャッチポリキュア☆』のブルーレイBOXはあるか?」
龍の質問に一瞬固まるも、すかさず「ええ、もちろん。第何期のものでしょうか?というのもですね…」と長々と説明する店員。
理解不能に陥った龍は、店員の喉元に素早く一撃を加えると、「金ならある。とっととブツを用意してくれ!」と懐から封筒を出します。
そして「あと、ポイントカード作れるか?」
夕方、嫁が帰宅。
外玄関で待ち受ける龍は、嫁が危険物を持っていないか身体検査。
確認してから扉を開けて室内に嫁を誘導。
そこで嫁が見た光景は、まるで神事か何かをおこなうような光景。
驚く嫁の後方から、「ハッピバースデートゥーユー…」と歌いながら、ろうそくに火をともしたケーキを持った龍が。
ろうそくの炎に照らされた龍の不敵な笑顔。
神妙に座り、お神酒をそそぎ、杯を交わします。
そして、きれいに包装されたプレゼントを「あとこれ…納めてくれ!」と妻に差し出します。
嬉しそうに受け取る妻。
さっそく開封。
出てきたのは『ポリキュア』のブルーレイ。
「うそ!買いに行ってくれたの!!ありがとう、嬉しいよ」と喜ぶ妻の顔を嬉しそうに見つめる龍。
…と、言いにくそうに妻が言葉を続けます。
「あ、あとまぁ、その…ほんとこれ全然いいんだけど…これ、持ってるやつだわ」
その言葉に固まる龍。
次の瞬間、包丁を取り出し、「けじめぇぇ!!」と小指を切り落とそうとするのを、妻がすかさずラリアットで止めます。
ガラスをぶち破って外に投げ出され、事なきを得ました。
VS ルンバ
龍の元に、「会長が来る」という電話が入ります。
「会長が来る前に、一仕事やってもらう」と、最近新入りしたものの元に向かう龍。
「えらい腕を買われとるみたいやけど、俺はまだ認めてへんぞ」と言いながらスイッチを入れたのは、自動掃除機ルンバ。
「そっちのシマはお前に任せたぞ」と言うも、コードのある隅をスルーするルンバに「もっと角ん所、カチコまんかい!」と、すかさずお手本を見せます。
「所詮は美久(嫁)が義理事(結婚式)でもうてきた素人やの。主夫舐めとったらあかんぞ」とドヤ顔です。
「俺はプロや。たとえ血でも、足あと指紋、どんな痕跡もきれいに…」とせっせと別部屋の掃除に取り掛かった龍の邪魔をする飼い猫の銀。
「もう!」と、ひっぺがし廊下に。
放り出された銀の近くをルンバが通りすぎる際に、銀の尻尾を巻き込んでしまいます。
驚いた銀は飛び上がり、炊飯器を落とし、棚の上のビン類を落下!
音に驚いた龍に、瓶の中身がぶちまかれ、辺りは大惨事に…。
丁度その頃、「この辺ですよ、会長」と付き添われて歩く婦人会の会長。
「一度お会いしてみたかったよ~」と龍の家に前に来た時、中から凄まじい音が。
「どーしたの、龍さん!?」と扉を開けると、そこには走り続けるルンバと倒れている龍。
「ぎゃあ!!」と叫ぶ会長に、「すんまへん、会長…。ヘタこきましたわ…。生意気な若いのが入って来たもんで…」と答えたのでした。
VS お留守番
急にPTAの仕事が入ったということで、亮太くんを預かることになった龍。
部屋に入るなり、「さぁて…亮太君、何して遊ぼか?」と不敵に笑う龍。
座りかけた亮太君はもう一度立ち上がると、「お世話になりました」と丁寧に頭を下げて出ていこうとします。
すかさず「おい、待たんかい!甘~いのいらんか?」と、これまた不敵な笑み。
焼いていた手作りクッキー(クマちゃん)を出します。
おいしいクッキーにちょっと気持ち(恐怖心)がほぐれたところで、ゲームで遊ぼうと誘う龍。
「ゲームあるの!?」と嬉しそうにする亮太君ですが、出てきたのはサイコロ・花札・麻雀などなど…。
部屋の隅に座り込むと、手を額に当てて「思ってたのと違う!」と心の声がだだ漏れです。
そんな亮太君の姿に、「もしかして、おねえちゃんとかおった方が良かったんか…?」と見当違いな事を思う龍。
…と、棚に飾られていた嫁のポリキュアフィギュアに気が付く亮太君。
「あっ、ポリキュアのコバルトポリスだ!」と嬉しそうに持って部屋の中を走ります。
が、転んでしまい、嫁が大事にしているポリキュアフィギュアを真っ二つに!
「ケガしてへんか、亮太君!」と駆け寄る龍に、「ごめんなさい…」と差し出すポリキュアフィギュア。
それをみた龍は、「しっかりせぇ!ポリキュアの青いの!!」と声を掛けますが、当然、返事なし。
「ど、どうしよう…」と困り顔の亮太君。
龍は優しく、「心配すんな。ケツモチは任せろ」とアパートの隣にある広場に。
「失敗は誰にでもある。大事なのはその後…どう取り返すかや」と言うや、おもむろに手袋をはめる龍。
ポリキュアフィギュアを蓋つきケースに入れると、「うちの親父もよう言うとった」と持ってきたシャベルで土を掘って穴を掘り始めます。
そこにガムテープでがっちり固めたケースをそっと置くと、土をかけて終了。
「やってもうたんなら埋めたらええ」と、亮太君にニッコリ。
そこに、「何してんの?」と嫁が帰宅。
龍は目にもとまらぬ速さで、土下座するのでした。
VS DIY
肩がぶつかったと、ヤクザもんにいちゃもんつける雅。
そこに、『主婦も始めてみよう簡単DIY』を読みながら、エプロンと手には木工を持った龍が近づいてきます。
すかさず龍に駆け寄る雅。
「お前らもう終わりや!龍の兄貴!あいつらやったって」と言いますが、龍はそんな雅をビンタ。
「自分で売ったケンカやろ。自分で片つけんのが筋ちゃうんか!」
「Do it yourself!!」
英語がさっぱりわからない雅。
そんな二人の様子をみていたヤクザグループの一人が龍に気が付きます。
「天東会があいつには手を出すなって…」という言葉に、「わーってる、行くぞ」と興味を無くしたようにその場を去りかけます。
が、雅が龍の後ろから「逃げんのか、三下ぁ!」と叫ぶと、「あー、なんか言った?」とゆっくりと近づき、龍が持っている木の棒を一つ取ると、すかさず龍の頭を殴打!
倒れはしないものの、サングラスは吹っ飛び頭から血を流す龍。
ところが、「さすが、2×4(ツーバイフォー)材の木…頑丈やのぉ。椅子にぴったりや、ふふ…」と不敵な笑みを浮かべます。
その様子に、木刀を取り出し「舐めんなぁ、コラァ!」と切りかかるヤクザ。
刃は龍が持っていた本に刺さり無傷。
「木材を切るのに刃物や工具を使う時…周りに人がいないかちゃんと確認しましょう!」という龍の言葉に、ヤクザたちは走り去っていきます。
「命拾いしたな!」とえばる雅でしたが、龍の何事もなかったかのように落ちた木材を拾い歩き出す姿に「もしかして、主夫とヤクザは表裏一体…!?」と何かを悟ります。
主夫の道とヤクザの道は繋がってるんや…!!
そう気が付いた雅は、「ついていきます」と龍に頭を下げます。
「兄貴!俺にも教えてください!!」と真剣な雅に、「何を?DIY?」と龍。
アパートに戻り、買ってきた材料で作り上げたのは、かわいいクマの椅子でした。
VS 服選び
ショッピングモールに買い物に来た龍と美久。
「すいません。白い粉の棚ってどこですかねぇ」と聞く龍に、「ないです」と無表情で答える店員さん。
慌てて「多分、小麦粉とかの事だと思います」と美久がフォロー。
ショッピングカートにコーラを勝手に入れる美久に、「まだある」と戻す龍。
でも、こっそりと龍の目を盗んでまたカートに入れます。
その後もゲーム、フィギュア、VRとねだる美久。
「アカン」と言い続ける龍に、「もう、ちょっとぐらいいいじゃん!ちょびヒゲ!グラサン!」と怒る美久。
それに対して龍は、「わがまま言う子には、もうゲーム買わへんで!」と徹底抗戦です。
そんな二人の様子をみていた周囲の人が「やだ見て、ヤクザよ…」とひそひそ。
いち早く気が付いた美久は、龍を別の場所に連れて行き、怖がられていると伝えます。
「そんな訳あるかい。ご近所さんとも上手くやっとるし、ひょうきん者で通ってるんや」と否定する龍。
「アヤつけようっちゅうんか」とゴルフクラブを持ちながら言う龍の姿に、声を掛けようとしていた店員が不自然にスルーします。
「その服装がダメなんじゃない?」と、服を探してくるように命じる美久。
でも、どの服装も龍が着ると一緒。
威圧感ありあり。
「主夫なんだし、もっとこう、かわいげっているか、わかんない!?」という美久の言葉に、再び探し始める龍。
不死身の龍と呼ばれ、裏の社会を生き抜いてきた。
「そんな俺にかわいげやと?」と思いながら歩いていると、龍の目にあるものが飛び込んできます。
ハッと目を見開く龍。
「これは!」
再び洋服を探しに行った龍を、椅子に座って待つ美久。
「まぁでも、出会った時と比べたら…だいぶマシになったんだけど」と昔の龍を思いだしていた美久ですが、新しい恰好で戻ってきた龍の姿に思考が飛びます。
「ポリキュアエプロンじゃん!」と飛びつく美久に、「ええやろ?」と得意げな龍。
「お縄をゲットだよって言ってみて!」とポリキュアのセリフをせがむ美久と、要求を再現しようとする龍。
それを見ていた子どもが「あのふたりやばいよ」と母に言うのでした。