01巻:アクタージュー探していた役者ー

アクタージュ act-age 1 (ジャンプコミックス) [ 宇佐崎 しろ ]

価格:440円
(2019/10/21 16:29時点)

俳優発掘オーディション。
大手芸能事務所「スターズ」が開催するそれには、例年、未来を夢見る3万人を超える新人が集います。

女優部門第5次演技審査、対象12名。
課題「悲しみ」。

同じような演技に、「3万人から選び抜いてこのレベル…」とつまらなそうに見ているのは、審査員の一人、黒山墨字。

ところが、その中の一人、夜凪景をみて驚愕します。

ただ、他の審査委員には景がただ突っ立っているだけにしかみえず、「冷やかしなら帰れ!」と怒られてしまいます。

意味が分からずきょとんとする景に、「バカでもわかるように演じろ」と黒山が助け舟を出すと、「こう?」と瞬時に涙を流します。

その様子に、一同が驚愕。
黒山は「みつけた」と武者震いします。

 

後日。
景のもとに審査結果が届きますが、残念ながら不合格。

小学生の妹(レイ)弟(ルイ)にその事を伝えます。
「役者は無理なので、きちんと就職します」というと、目から涙が…。

強がりと思いきや、オーデションでの審査課題「悲しみ」の時の感情がまだ残っていただけの事。

その話に、ゾッとするレイ。
「役者さんになってね!」と強く言います。

 

夜、二人が寝た後、家計簿をみながら「今月も赤字ね」とノートをみながら思う景。
亡くなった母の写真を見ていたら、また涙が…。

この感情をリセットしないとと、向かったのは押し入れの中にある大量のビデオケース。
そのうちの1本を取り出すと、暗い部屋の中、一人鑑賞します。

父に捨てられたあの時の感情も。
母を亡くしたあの時の感情も。
ルイとレイをはじめて抱いた、あの時の感情も。

すべて役者が演じてくれる。
思い出させてくれる。
思い出すだけで誰にだってなれる。

「思い出した、笑顔の感情」

寝たふりをしながら、そっと景の様子を観察しているレイ。
「また別人みたいになっている」と、青ざめた表情でつぶやくのでした。

 

スターズの社長室にて、「夜凪景は、メソッド演技を極めている。おそらく独学で」と、黒山と話す星アリサ。

「なら、どうして落とした」と不満顔の黒山に、「役者になることが、あの子の幸せになるの?あの子の芝居は危険よ。いずれ身を滅ぼすわ」と落とした理由を述べます。

そんな星に、「思い出させてやるよ、本物の役者って奴を。この世界でしか生きられない人間の幸福を」と宣言します。

 

最終審査・無言劇(パントマイム)

翌朝、昨夜とは打って変わって笑顔の景。
昨夜見た、映画から思い出します。

そんな景に「おねーちゃんは役者さんにならないと!」と、泣きそうな顔で言うレイ。

「普通の人は、涙が勝手に流れたり、一日で別人みたくなったりしないでしょ。でも、おねーちゃんは役者さんになるからそれでいいとおもっていた。でも、役者さんにならないなら、おねーちゃん怖い」

そういって泣き出すレイ。
つられてルイも泣いてしまいます。

 

どうしようと困っていると、そこにスターズ所属の俳優・星アキラが訪ねてきます。

その理由は、俳優発掘オーディションの最終審査において、4名のうち1名が辞退したから。
代わりに景に出るように、黒山に代わって呼びに来たのでした。

合格者が辞退した理由は、景の涙を流す演技に、自分は本物の役者にはなれないと痛感したからでした。

 

喜んで車に乗り込む景とレイ、ルイ。

「これで優勝して役者になれたら、おねーちゃんのこと、もう怖くないよね」という景の言葉に笑顔のレイ。

「役者になれたら怖くない?」と不思議そうに星アキラが訪ねると、「あなたも役者ならきっと私と同じでしょう?悲しい事や辛いことがあると、つい違う自分になろうとして、本当の自分を忘れてしまいそうになるでしょ?」と。

別人になってしまう自分が、レイにはこわかった。

その話に、星アキラは「この子は何を言っているんだ?」と危機感を覚えます。

 

景が代わりに最終審査を受けることを星アリサが知ったのは、最終審査1時間前の会議。

そのまま、景を含めた4名で最終審査…無言劇(パントマイム)をおこなうことになります。

審査に入る前に、「私は幸せになれる役者しか育てない。実力は関係ないわよ」と言い切る星アリサ。
最終的な決定権はすべて星アリサにあるため、景を合格させることはないと、勝手に景を連れてきた黒山に宣言したようなものでした。

黒山が無言劇の設定を説明しようとするのを手で制し、「野犬よ。あなた達の目の前には、一匹の野犬がいるわ」と、予定していた設定とは違う内容のお題を出します。

その狙いは、過去の記憶を自在に扱う景は、喜怒哀楽を演じることはできても未体験の経験を演じるのは無理と考えての事。

実際、景は野犬をみたことがないのでイメージがつかめず、どう演じたらいいのかわからないまま。

 

と…

黒山が「お前たちは深い森に迷い込んだ」と、野犬のイメージを語り始めます。

「そいつ、腹を空かせてるぞ」という言葉にびくっと反応して構える景。

瞬時に睨みっあっての臨戦状態を作りだします。
遅れて、他の3名もめいめいに思う演技をします。

 

まるで本当の野犬がそこにいるかのような景の演技に、飲み込まれていく3名。

星アリサも「ナメていた…一体どんな半生をおくれば、想像の産物をここまで…」と苦い表情です。

他の審査員も、まるで見えているかのように引き込まれていきます。

 

レイとルイが駆け寄り、はっと現実にかえる景。

「あっ、そっか。これ、お芝居だった」という景の言葉に、「現実と芝居の境界が曖昧すぎる!やはり危険だ!」と思う星アリサとは対照的に、他の審査員は「天才だ」と拍手して絶賛します。

星アキラも、景の迫真のパントマイムに、最終審査を辞退した少女の言葉を思い出していました。
「ああ、そうか。これが本物か」と…。

初仕事

迫力ある演技でグランプリ受賞かと思われたが、結果は落選。

「おねーちゃんが落ちるなんて」と夜空をみながら落ち込んでいると、そこに黒山墨字が訪ねてきます。

「どうしても撮りたい映画があるんだ。そのために仲間を探している」と、自分の事務所に誘います。

 

翌朝。

昨日のヒゲ男(黒山墨字)を、「監督は監督でも、えっちな監督にきまってるわ」「ヒゲだし、絶対悪い奴だよ。今度来たらケーサツ呼ぼう」と、ルイとレイの心証は最悪の黒山。

「ぬか喜びするところだったわ」とため息の景。

 

黒山の誘いをスルーすることを決めた景ですが、学校に行く途中で黒山の運転する車に乗せられ、そのままCM撮影の現場に連れて行かれます。

「これ、誘拐でしょ!犯罪よ!」と暴れる景に、「違いますぅ!送迎ですぅ!」と反論する黒山。

現場で待っていた黒山の「スタジオ大黒天」の唯一のスタッフ・柊雪が、景の誤解を解くべく説明にあたりますが、それでもまったく受け入れられず。

帰ろうとする景でしたが、「せっかくお前を主演にCM撮る予定だったのにな」という黒山の言葉に、その場にとどまります。

 

CMは、新発売のシチュー。

景は「一人ではじめてキッチンにたった少女」という役で、仕事から帰ってくる父親の為に、慣れない手つきで手料理を作ります。
喜ぶ父親の笑顔を思い浮かべながら味見…で、終了。

そして、テスト。

見事な手さばきで作る景。

「達人かお前は!!」と怒り心頭の黒山。
「真剣よ!味見してみる!?」という景に、「真剣に作れじゃねぇ!真剣に演じろボケ!」と。

「おまえ、芝居を何だと思っている?」と問うと、「思い出す事?」と答える景。

親父に料理を作った事がないのでできないとうなだれる景に、黒山は「俺が撮りたいのはお前の愛情だ。誰かのために努力するお前がみたいんだ」と伝えます。

その言葉で思い出したのは、母が亡くなり、レイとルイに初めて作ってあげたカレー。

思い出した景は、先ほどとは打って変わって、子どもみたいに不器用な手つきで作り始めます。
途中、指を切ってしまいますが、心配させないように笑ってごまかすといった仕草まで。

その演技に、それまで不安そうに様子をうかがっていたプロデューサーやスポンサー、そして柊も「この子は本物だ」と目を見開きます。

そして、カット!

OKは出るものの、シチューは焦げているので別撮りに。

 

帰りの車の中で、撮れた映像を見て微笑む景。

「私って、思ったよりきれいなのね」という言葉に、「は?あんな半端な芝居しといて何が綺麗だ」と黒山はバッサリと切り捨てます。




 

他人を演じろ

スタジオ大黒天にて、先日のCM映像を見る景。

3時間、微動だにせず同じ映像をリピート再生し続け、柊の声掛けにも無反応。
その集中力のすごさに、「貞子よりこわい…」と恐怖する柊。

そして、突如、「この映像の中の私、どこか変じゃない?」と。

 

バイトの為、事務所を後にした景。

「あの子、ちょっとマジで変ですね!」という柊に、「手前の芝居の未熟さに無意識に気付いてんだ。ありゃすぐに化けるぞ」と、悪人面して笑う黒川。

そんな黒川の様子に、「最近、ずっと楽しそうですね」と微笑む柊。

「あの子ならいつか、あの役を演じられる、そう信じてるんでしょ」という柊の言葉に、「そのために作った事務所だからな。速攻、そこまで成長させてやる」と、次なるステージへと準備を進めるのでした。

 

その頃、星アリサも景のシチューのCM映像を見ていました。

「たった一日であの子から、こんなにも繊細な表情を引き出すとは。とても先のオーディションと同じ人間とは思えませんね」と驚く清水に、「我々も早々に手を打たなければいけないわ」と厳しい表情の星アリサ。

警戒しているのは、黒山墨字。

カンヌ、ベルリン、ヴェネツィア。
世界三大映画祭すべてに入賞している黒山墨字は、日本人監督としても稀有な存在。
それでも、国内でまだ無名なのは、黒山が金も名声も求めいなかったから。

「厄介よ。自分の野望のために、私たちの業界を壊しにくるわ。そのための武器を得てしまった」と言うのでした。

 

黒山に連れてこられたのは、時代劇ドラマの撮影現場。
今回は、エキストラの町娘役です。

ちなみに、今回は黒山が監督ではないので、マネージャーとして来ています。

さっそく着物に着替えた、ドラマ現場初の景に、黒山はそれぞれの役割を教えます。
黒山の説明を訂正する柊。

監督⇒偉そうにすることが仕事の他者依存。
(すべての演出権を持つ映画制作の中心)

演出部⇒大体監督の座を狙っているユダ。
(監督の右腕。監督の意思を現場全体に実行させる潤滑油)

撮影部⇒勝手に手前の妄想を絵にしやがる犯罪者。
(監督の女房とすら言われるカメラマンや技術者たち)

 

現場の役割を説明したところで、柊がエキストラについて説明します。

「エキストラとは群衆通行人。主人公たちの背後に隠れるその他大勢で決まったセリフもない。でも、必ず必要な人たち」

そこに「いわゆる売れていない役者の仕事だ。不服だったかな?」と煽る黒山に、「たとえ大勢の一人でも、向こう側の住人でしょう?役者には代わりないのに不服なんてことないわよ。ありがとう」と返す景。

黒山の煽りは、ただ景を試しただけでした。

 

そして始まる撮影。
演出部から説明がされます。

場面設定は江戸時代の町の往来。
一人の少女が蹴鞠を追いかけ、つい大名行列を横切ります。
それを咎められた少女は、その場で斬り伏せられます。

景たちエキストラは、そんな残酷な光景を前に何もできな町人役。

「とりあえず、何かそれっぽくお願いしまーす」と指示を出します。

「よく見てろ、面白いもん拝めるから」と、柊にこそっと耳打ちする黒山。

 

そして、撮影スタート!

民衆を前にして、殺されそうになる少女。

そこで景がとった行動(演技)は、斬りつけようとした侍へのまさかの飛び蹴りでした。

「大丈夫?」と子役の女の子に声を掛けますが、「はい…でも私、殺される役」と泣いてしまいます。

我に返る景。
大爆笑の黒山。

 

すぐにスタッフが景を現場から外そうとしますが、映像を見た監督が「とりあえずそのままでいいよ」と止めます。

「女の子を見殺しになんてできないわ。何か他の方法ないんですか?」という景に、「ないよ。役者にとって台本は絶対だから。少女を見殺しにする人間になる、それが君の仕事だよ」と、怒るスタッフを制して静かに言う監督。

そんな景と監督の様子に、黒山は「他人を演じろ。良い勉強の場だろ?」と楽しそう。
「いや、よその現場で…」と困り顔の柊です。

 

飛び蹴りをくらわされた侍役の俳優・高田は、「外す外さない以前に、警察に突き出すべきだ!」と大激怒。

「もう一度だけ奴を使わせてください。少し気になるんです」という監督の返事にさらに怒るも、子役の女の子の「あの人、真剣だったと思います。本気で私を助けようとしてたから」という言葉に何も言えなくなります。

 

一方、景のほうも「納得できないわ!」とお怒り。

女の子が目の前で殺されようとしているのだから助けて当然…というのが、景の主張。

景の主張に黒山は、「もし、あの場面に本当に立っていたら、思わず手が出ちまうその感情はわかる」といいつつ、「だが、それじゃ江戸時代の町人Aじゃねぇ!いつものお前だ」と素人呼ばわりします。

素人と呼ばれて「やってやるわよ!」といきり立つ景。
撮影、再びスタートです。

 

テイク2。

カチンコの音と共に、芝居の世界に没入する景。
斬られそうになる少女をみて、「ダメ!」と叫び前に出ます。

「また!」と思う皆の前で景がとった行動は、少女を庇うように座り、「お願い…この子を助けて!」と懇願する事。

その景の様子に、「やはり彼女はふざけている訳じゃなかった。本気で町人を演じているだけだ」と、監督はその危うさに気が付きます。

 

皆から少し離れた場所に座る景。
かなり落ち込んでいます。

「体が勝手に動いてしまうの…」と、レイと子役の子が重なってしまうとつらそうな景の姿に、「そういうことか…」と何かに気が付く柊。

そんな景に、黒山は何が足りないかを教えます。

 

一方、監督の方では、景を外したほうがいいというスタッフの意見が通りそうになりますが、それを高田が止めます。

「監督…あいつは何だ?」と問う高田に、「役に没入するあまり、台本とは異なる芝居をし名演技を残す役者は多いという。彼女のあれもその類でしょうが、作品には邪魔で危険なだけ」と答えます。

景を外すように指示を出そうとした瞬間、景が黒山と話している姿をみてハッとします。

黒山墨字がなぜ景と一緒にいるのか?
そして、景の表情から何か掴まされたことに気が付きます。

その様子に、「このまま…次、本番だ」と景を外さず撮影を続けることを決定。

 

テイク3。

景が黒山から言われた言葉は、「最初から勘違いしてんだよ、お前は。あのガキはおまえの妹じゃねぇ」

家族はこの江戸の町にいて、自分の帰りを待っている。
あそこで奴に逆らったら、自分だけでなく一族郎党、兄弟まで皆殺しにあってしまう。

その言葉に動くことができず、苦しそうな表情でみつめる景。

その様子に、監督はすぐに「カット!」と叫びます。

「あのエキストラを外してくれ!たった一人のエキストラに、シーンごと喰われちまう!!これじゃ主役にまるで目がいかない」と。

 

NGという結果に、「どうして!?この子、今回は何もしていない」とざわつく周囲。

そんな周囲の声など耳にはいらないかのように、涙を流しながら倒れた子役に近寄る景。

その様子に、「本当に死んでるんじゃ…」と芝居と現実の区別がつかなくなり動揺するエキストラたち。

子役の子が不安そうな表情で目を開けると、景は「ああ…そうか、これお芝居だものね」と心底安心したように言います。

監督が「君!名前は…」と声をかけようとした瞬間、ダッシュで黒山が駆け寄り、座り込んでいる景をひょいと持ち上げます。
「上出来だ!帰るぞ夜凪。お前はもう用無しだと」と、柊が運転する車に飛び乗ります。

止めようとする監督に「すまん監督!埋め合わせは必ず!!」と言い残し、嵐のように去ってしまいます。

呆然とする現場。

「利用されたんだ、俺たちの作品ごと…。あの少女の成長のために…」と、監督だけが気が付いたのでした。




 

芸術家の本質

スタジオ大黒天から、行きかう人々を見つめる景。

3時間ずっとその状態の景に、心配する柊。

景の芝居への集中力が異常であること。
景の目には、芝居の世界が現実と代わりなく視えているという事。

だとしたら、町人役の時の感情がまだ残っているのかもしれない。

「芝居に溺れて心を病んでいく役者は多い。いくら夢のためだからって、あの子が壊れてもよいと思っているなら許しませんよ」と黒山に厳しい表情でいいます。

 

と…

景が「ねぇ見て、二人とも」と突然、話しかけてきます。

道行く人の様子から、その人の事を考察する景。
「この世界には、本当にいろんな人がいるのね」と、今回の町人役で感じた事を話し始めます。

黒山の言葉で、台本通り、少女を見殺しにする人間になっていた。

これまでは、「昔の自分になる」ことをお芝居というのだと思っていた。
だから、知らない感情は演じられないと。

でも、今回の件で、自分の中にはまだ自分が知らない自分が眠っている…と。

そんな景の言葉に、「正解だ。メソッド演技だけがお前の武器じゃねぇ。芝居を通して、自分が何者かを探し続けろ。今日からそれが、お前の芝居だ」と、黒山が答えます。

 

星アリサの耳にも、先日の撮影現場での出来事は耳に入っていました。
なぜなら、景に接した子役がスターズ所属だから。

はじめはただ現実逃避の過ぎる少女に過ぎなかったのに、黒山と出会った事で無理矢理成長させられて、たった数日でこのレベルにまで至った。

「幸い監督が異変に気付き、彼女をすぐに外したというわ。しかし一歩間違っていれば…」という星アリサの言葉を、「スターズの子役が夜凪に喰われていましたね」と引き継ぐ清水。

そんな星アリサに、スターズ主催の映画「デスアイランド」の主要キャスト12名が決定したと伝えられます。
さらに、残り12名は一般から募ると。

人選に目を通さず、会議室を後にする星アリサ。

スターズでは、売れる役者しかいないように仕組んでいるので、見る必要がない。
また、スターズの天使と呼ばれる百城千世子(ももしろちよこ)を主演だから間違いなしというのがその理由でした。

 

一方、シチューのCM撮影の報酬が振り込まれ、その金額に驚く夜凪家。

スタジオ大黒天の階下にある銭湯に入っている時に、「私は父親ではなく、この子たち(レイとルイ)のためにシチューを作る演技をしてたの。台本無視よ。役者失格だわ」と、受け取れないと柊に言います。

ルイから、出て行った父がお金を振り込んでくれているけれども、そのお金は使いたくないという話を聞いた黒山は、「けじめのつけ方、間違えんなよ!」と、ギャラを受け取るようにいいます。

 

風呂上り。

スターズ主催の映画「デスアイランド」へのオーディションを勧める黒山。
テレビでも、スターズの天使が記者会見している様子が報道されていました。

 

予定では、星アキラが記者会見に臨む予定でしたが、撮影が早く終わったため、急きょ千世子が出ることに。

「より数字を取れる方を使う。当たり前でしょう」という星アリサの言葉に、「俳優は大衆のために在れ。それがスターズだもんね。ごめんね」と謝る千世子。

記者会見では、千世子の登場を待つ報道陣の意表を突き、客席から登場。
まるで天使のように椅子の間を飛びながら移動し、舞台上に上がります。

自分の商品価値、そして観客を知っている千世子。
研鑽された技術と戦略で、自分の役割を演じる天才です。

 

「今一番売れてる、若手女優だ」という黒山。

景は、「一瞬で私たちを夢中にさせた、綺麗…あのに、顔が視えない。私この人に会ってみたい」と言い切ります。

 

「デスアイランド」オーディション

1か月後。
「デスアイランド」の3次審査会場にいる景。

書類審査、映像審査を経ての演技審査。
枠12名に対して500名が残っていました。

スターズ所属の演出家・手塚の演説を聞きつつ、役者を目指す人間はこんなにもいるのかと驚く景。
その横で、監督の話に「こちらこそよろしくお願いします。地べたに転がってはいません。御期待ください」と突っ込む青年が。

沖縄出身の劇団遊戯座所属俳優、烏山武光(からすやまたけみつ)でした。

びっくりしている景に、さらに隣にいたオフィス華野所属俳優・源真咲(みなもとまさき)が「そいつバカにみえるだろ。多分違うぜ。500人いるんだ、少しでも目立たねぇと、実力も見られねぇうちに落とされかねない」と、なぜ監督の話に声を上げた理由を推理します。

「お芝居が上手なら受かるんじゃないの?」という景に「ピュアかよ」とそっけない。

源の後ろにいた、おなじオフィス華野所属俳優・湯島茜が「気にせんで、根はいい子やから」とフォローします。

そして、景がオーディション2回目と聞くと、「たったの2回目でここまで残るなんてすごいやん」と絶賛です。

 

ふと、景の脳裏に浮かぶ黒山との会話。

「夜凪、お前は一度スターズのオーディションに最終まで残っている。奴らが重視するのは、容姿やカリスマ性だ。つまりお前なら、書類審査と映像審査までなら楽に通過できる可能性が高い」

「どうせまた弾かれちゃうってば!真正な評価なんてしてくれないよ!」と心配する柊に、「大丈夫だよ。俺が何とかしておく」と不敵な笑みで答える黒山。

それよりも心配なのが3次の演技審査。

「役者を天職と信じているのは、お前だけじゃねぇ。皆死に物狂いでくるんだ。今まで通りで良いと思うなよ」と忠告します。

 

監督の話が終わると、名前が呼ばれるまで控室で待機。

「ここからが長いねんな。4人ずつしかみてくれへんのに500人おるんやから、うちらの番には日が暮れてるかも」と、同じグループになった茜がのんびりいいます。

ふと周囲を見ると、皆、同じ本を読んでいる。
「デスアイランド」のコミック原作でした。

「原作も読まずにオーディション挑むとか、ナメてんのかよ」という真咲の言葉に、「俺も読んでないぞ。あくまで俺たちは演技力と人柄で勝負すべきだ!作品に媚びても仕方ない」と言う武光。

景を間に、真咲と武光の芝居への思いが議論されます。

「作品に必要なら受かって、不要なら落ちる。それだけの話や、役者なんて」ばっさり二人の論議を切り捨てる茜。

「私は私のことさえ知れたら、どんなお芝居もできるはずだから」という景の言葉に、茜と真咲はきょとん。
武光は「面白いことをいうな」とにっこり笑います。

そこに、ちょうど呼ばれる4人。

審査室に向かいながら「500分の4。ここから一人も合格者がでない可能性もある」という真咲に、「受かるから」と答える3人。

「同じ組になったよしみや。作品の概要だけでも教えておくな」と、「デスアイランド」の大まかなストーリーを景に教えてくれる茜。

無人島に漂流した24人の生徒たちが、最後の一人になるまで殺し合う。
いわゆるデスゲームもの。

「おっかい話やんなぁ」と笑う茜に、「楽しみだわ。私、無人島に漂流した経験なんたないから」と言うのでした。

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