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聖☆おにいさん(1) (モーニング KC) [ 中村 光 ] 価格:626円 |
歴史で有名な聖人、ブッダとイエス。
世紀末を無事に終え、東京・立川でアパートをシェアして下界でバカンス。
ところどころに「あの事かぁ~」とうなずく事間違いなしのコメディ漫画です(笑)。
イエスが天界にいた時から気になっていた場所、浅草。
揚げまんじゅうを食べてみたいと。
浅草という場所がら、しっくりくるブッダ。
「私が浅草にくるなん…巣鴨にヨン様を放つようなもんじゃないの?」
そんなブッダに写真をお願いする外国人観光客。
ブッダを被写体に、忍者ポーズ。
どうやら、外国人には「仏」より「忍者」の方が浸透しているようです。
ブッダがちょっと目を離した隙に、イエスは「新選組セット」なるものを衝動買いしていました。
無駄遣いにブッダの額がぺかーっと光り輝いていきます。
自然と手もあのポーズ。
慌てたイエス、「パジャマにするつもりだから!」と無駄遣いではないことを強調。
その言葉に、光が消えて元のブッダに。
ブッダは怒るとこわいのです。
終電。
すし詰め状態の電車内。
ホームで呆然と見ていると、駅員さんに「ほら、お兄さんたち頑張って!」と無理やり押し込められます。
イエスの頭にあるいばらの冠がおじさんにあたり、ご立腹。
ブッダは酔っぱらっていい気持ちのおじさんたちに、額をボタンのように押されるという事態に。
なんとか立川に着くものの、ブッダの長い耳を吊革と勘違いしたおじさんにがっつり捕まり降りられず。
なんとか降りれた駅近くの漫画喫茶で始発まで時間を潰すのですが、そこで見つけた手塚治虫の「ブッダ」にはまり、全巻衝動買いするのでした。
#
テーマパークに遊びに来た二人。
暑さに参っていると、冷たいポールを発見したイエス。
ブッダも何か冷たいものはないかと探して見つけたのが、自分の耳たぶでした。
「片方貸して」と言えないイエス。
イエスが乗りたいと並んだのは、ブラックサンデーマウンテン(ジェットコースター)。
響き渡る絶叫にビビるブッダ。
イエスが「大丈夫だよ」と笑顔でフォローします。
そしてついにブッダとイエスの番に。
嫌がるブッダですが、体がしっかりと固定されているのにちょっと安堵。
でも、「80歳以上の高齢のお客様は、命の危険がありますのでお乗りになれません」というアナウンスの言葉に、登っている間中お経を唱えるブッダ。
一緒に乗っているお客様も、聞こえるお経にざわつき!
急降下の時は悟っていました。
そんなこんなでナイトパレードの時間に。
「パレードやっている間にお土産をみてしまおう」と提案するブッダに、イエスが笑顔で絶句。
本当はパレードを見たいけど、さきほど強引にジェットコースターに載せてしまった事から言い出せない。
挙動不審のイエスの行動から、「もしかしてパレードみたい?」と気が付き始めるブッダ。
でも、全力で否定するイエス。
我慢しすぎで、生痕がぱっくり開いて血まみれです。
外に出て、パレードをみる二人。
「イエスのわがままに、私は救われているんだよ」というブッダ。
そんな徳の高い言葉に、思わず後光が!
暗闇なので目立ち、パレードと勘違いして人が集まってきてしまいます。
徳の下がる下世話な事を考えないと…と焦る二人。
「ティンキーベルのスカートの丈…設定に忠実っ!」とイエスがブッダの耳元でささやくと、ふっと消える後光。
帰りのモノレールの中、二人は始終無言でした。
#
商店街に買い物に来た二人。
この日は大安売りで大変な混みようです。
買い物金額に応じてもらえる福引券を3回分ゲット。
イエスが真剣な顔で、どちらがより一等の沖縄旅行を引き当てるかを検討しはじめます。
最初は死に様について比較。
イエスは磔、ブッダはキノコの食中毒。
「あれ以来、トラウマで産地のしっかりしているお高いのしか食べれなくなっちゃった」というブッダ。
普通は食べれなくなるでしょ…と、それでも食べるブッダに感心するイエス。
続いて、最近のツイていた事の比較。
イエスはいばらの冠につぼみが咲いたこと。
ブッダは、アイス「ピノ」の中に幸せのピノが2個も入ったいた事。
ピノの方が運があるとして、ブッダが引くことに。
「南無三!!」と叫びながら引くと、なんと2等が大当たり!
「すごいよー!!」と興奮しながら2等の景品をみると、ハッスル商店街の『仏像の石井』。
等身大自分フィギュアに、「…偶像崇拝、禁止しとけばよかったな…」とつぶやくブッダでした。
二人で仏像を抱え歩いていると、「ハッスル大安売りまつり」イベント実行委員スタッフから、「お笑いハッスルリングバトル」への参加しないかと声をかけられます。
どうやら、参加メンバーが足りない様子。
困るブッダですが、イエスは乗り気。
天界にいた頃から、いつかブッダとのコンビで発表したいと小ネタを温めていたと。
嫌がるブッダですが、「1位の景品はお米券じゃ!」というスタッフの言葉に出場を決めます。
二人のコンビ名は「パンチとロン毛」。
出番を待ちながら見ていると、お客さんはご老体ばかり…。
面白かったら手元にあるボールを投げ入れるのですが、拍手で対応しちゃってます。
その様子に一抹の不安を覚える二人。
予想通り、渾身のギャグをぶちかますもまったくの無反応。
メンタル崩壊しかけた二人が「ありがとうございました」と手を合わせお辞儀をした瞬間、すごい勢いで手元の物を投げ入れ始めました。
喜ぶ二人が見たのは、おまんじゅうやミカン、せんべいなど…。
いわゆるお供え物。
戦いが終わった後、二人は再選を固く誓ったのでした。
#
続く雨の日。
暇なブッダは家事ばかり。
それもネタが尽きてきて困り顔です。
ふと、いつも暇さえあればパソコンをいじっているイエスに「何しているの?」と質問すると、ドラマの感想ブログを書いていると。
「全ての局のすべての時間帯のドラマに目を通し、その日のうちにアップする!」熱く語るイエス。
まさかの1日1万ヒットの人気ブログでした。
その様子に、「神様がここまで暇なら、この星は平和なんだなぁ…」と思うブッダ。
コメント欄をみると、そこには「神降臨」。
「伏せているんだよね」「伏せているんだけどねぇ」と思案顔の二人でした。
出前を取りたいというイエスの言葉に、「ちょっと待ってて」と外に出るブッダ。
雨の中、買い出しに行かせるのは悪いと止めようとしたのですが、すぐに戻ってきます。
ブッダが用意したのは、水と石。
「私はライ麦的なパンにしかできないの!」と抗議の声を上げたイエス。
そこに大家さんが訪ねてきます。
慌てながらも対応する二人。
なにせ、身元が不明瞭なので入居も大変なもの。
ニート疑惑をなんとか否定し、安定した職業であることを説明します。
そして、本題に。
最近、鳥や猫が集まっていて困っている。
餌づけしているのでは?
…という疑いが二人にかかっていたのでした。
否定する二人に、とりあえず来いと雨の中外に。
すると、鳥が二羽飛んできて、二人の頭上に降り立ち傘代わりに。
慌てて「ぬれてないって!」と追い払います。
階下にはたくさんの猫。
大家さんから皿を持たされ、餌づけしていないかどうかをチェックされます。
イエスに寄って来る猫たち。
その様子に、「ほら、これ空でしょ!何もあげないよ!」と猫に向けて言うブッダ。
「もう、自分たちのごはんすら困ってるっていうのに…」とイエスが言うと、1匹の猫が皿の上に…。
「しないよ、そんなバーベキュー!」
「押し入れの中に乳がゆもあるからっ!」
と、必死に断ります。
この後、皆の気遣いが重いとマリア様にこぼした二人でした。
#
市民プールに来た二人。
日常的に沐浴しているブッダにとって、水泳は得意。
逆にイエスは、金づちで浮き輪使用。
「川で洗礼を受けたからてっきり…」と、てっきり泳げるものと思っていたブッダ。
洗礼時は泳ぐのも頭を付けるの断固拒否し、ヨハネさんが頭に水をかけるという形で終了。
さらに、布教時代に沈みかけた船を助けにいかなきゃいけない際には、気合で5キロ、湖面を歩いたと語るイエス。
「泳ぐ方が簡単な気がするなぁ…」とはブッダの感想。
イエスの髪の長さから、水に潜れるようになれば一発芸貞子がやれると提案すると、その言葉に水を克服する気になるイエス。
まずは、顔を見ずにつける。
これは難なくクリアー。
2世紀の間にできるようになったそうです。
続いて目を開けることにするのですが、聖痕が開いてしまってアウト。
あきらめて、目をつぶったまま頭まで潜ってみるのにトライするのですが、気合が入りすぎて水を二手に割ってしまいます。
プールにいづらくなった二人は、サウナに。
サウナ独特の一体感に、身も心も温まると至福の笑顔のブッダ。
気が付けば、イエスが隣の人と楽しそうに話しています。
なんと、背中に仏の入れ墨を入れた極道の方。
どうも、イエスを同業者と思っているようです。
「その刺し傷はどこの組のモンにやられたんじゃ…」と聞く極道のお兄さんに、「国の偉い人たちに磔刑で…」と答えるイエス。
「なんじゃ、兄ちゃんもムショ帰りかい!」と意気投合。
サウナ室の温度がどんどん下がる事に気が付かないイエス。
「裏切者の尻ぬぐいで、網走で7年よ…」という極道のお兄さんの言葉に、「ああ、それは私と同じ境遇ですね。あっ、でも私は3日で復活しましたけど」とイエス。
「三日で柵越えしよったんか!?」と驚愕するお兄さん。
「私の復活は、ただ父がそう望まれたので…」というイエスに、どこかの2代目と勘違いされるのでした。
お風呂上り、ロッカーに入れた100円が戻ってこない事を知ったブッダは悲観!
励ますために「アイスは私がおごっちゃう!」とイエス。
二人して炎天下の中、コンビニへと走ります。
駆け込んできたブッダをみたコンビニ店員は、その姿に真っ青。
なんと、ブッダは腰にタオルを巻いただけの姿で出てきていたのでした。
天界なら普段着なので、まったく違和感なくしっくりしてて気が付かなかった二人。
危うく警察を呼ばれそうになりますが、仏スマイルで回避。
家に帰ったブッダは、ショックのあまりトイレに3時間ひきこもってしまったのでした。
#
代引きでの宅配便。
どうやら、注文はイエスのよう。
届いた品物は陶芸入門セット。
代引き金額1万7千円という数字に、頭を光らせながら怒るブッダ。
でも、ブッダにと、一緒に注文していた「マンガ入門セット」を見て、頭の光が消えていきます。
「まぁ、2個の無駄遣いなら、仏の顔もあと一つ残ってるし…もう本当、ギリギリだからね!」と言いつつ、ちゃっかりもらっています。
一緒に買っておいてよかった…と心から安堵するイエスでした。
さっそくマンガを描き始めるブッダ。
実は天界にいた時にちょっと描いていたことがあるという言葉に、「見せてよ~」とイエス。
「砂絵だったからね…」と、描いていくそばから消えていくことに諸行無常を噛みしめていたというブッダ。
世界で一番悲しい4コマ漫画です。
出来上がったマンガを見せてもらうイエス。
その傑作ぶりに大受け。
奇跡が起きて、いばらの冠が満開になるほど!
ここまでウケるならどこかに投稿してみようと思うものの、「天界あるあるネタだから無理だよ」とイエスからアドバイスが。
とりあえず、天界にいるアナンダ達に送ろうかなと思案するブッダ。
読み終えてからも思い出し笑いが収まらないイエスは、飲んでいたペットボトルのミネラルウォーターをぶどう酒に。
奇跡発動!
さらに、届いたばかりの陶芸セットで作った作品を焼いたら、作品がパンになってしまったというさらなる奇跡が発動!
ブログにその事をアップしたら、「シュールすぎます」「いみふ」「今後はこういう事がないように気を付けてくださいね」とこんがり炎上したのでした。
#
近所のお祭りに来た二人。
神社のお祭りなのでブッダもイエスも関係ないとして満喫していると、市民プールのサウナで出会った極道のお兄さんとバッタリ。
「二代目じゃございませんかーーー!」という言葉に集まる舎弟。
「この方が、“3日柵越えの聖”でごぜーますね!?」と興奮。
良かったらタダで屋台(射的)で遊んで行ってくださいという言葉に、最初は断るも、ニンテンドーDSとソフト「子犬といっしょ」の同胞版があるのをみつけたブッダは俄然やる気に。
産まれた時から動物に懐かれているブッダは、一度でいいから動物に冷たくされたいと。
それが可能なのはバーチャルペットしかいないというのが欲しい理由。
関節を外して腕を長くして、見事当てるブッダ。
初めての射的なのにコツをつかんでいるブッダにその理由を聞くと、毎日の子ども達との戦いで鍛えられていると。
その話に、「さすが二代目の弟分…毎日のように修羅場をくぐってらっしゃるとは!」と、恐れおののく極道のお兄さん達でした。
近くを御神輿が通ったのをみて、はしゃぐイエス。
極道のお兄さんの計らいで、神輿を担がせてもらえることになります。
「ここの神様にバレたら、今世紀最高の苦笑いをされるよ!」というブッダでしたが、「大丈夫、バレないって!」とポジティブなイエス。
イエスの説得に、次第に盛り上がるブッダ。
個性的な掛け声で、練り歩くのでした。
階段の高いところから、花火を見ながらビールをのむ二人。
今日は完全に地元民だねとご機嫌です。
仕上げにおみくじを引こうと引くと、その結果は…「凶」。
しかも、何か意味深なセリフ。
完璧にバレていました。
さらに、帰宅してDSを箱から出すと、それは「DSライト(照明器具)」。
ソフトは消しゴムだったのでした。
【次巻】