今日から俺は!!~勇者サガワとあの二人編~

今日から俺は!!~勇者サガワとあの二人編~【電子書籍】[ 西森博之 ]

価格:756円
(2019/5/15 13:45時点)

人気のない、林の中を頭から血を流しながら逃げる男性。
その後ろを、木の枝に石をつけた武器をもった男性が不吉な笑みを浮かべながら追いかけてきます。

逃げている男性は、佐川。
そして、追いかけている男性は義理の兄である庄字。

庄字は妹の雅(佐川の奥さん)に日常的に暴力をふるっているのですが、狡猾で喧嘩も強い男。
肝心の雅も洗脳状態で、兄からの命令には病的なほど逆らえない。

雅を救い出そうと奮闘した佐川ですが、お兄さんの策略にはまって結婚するわ命を狙われるわと大変な状態に陥っていたのです。

追い詰められた佐川。
「だめだ、俺はコイツには勝てねぇ」とあきらめかけた時、ふとすがり付いた木に見覚えが。

昔、まだ学生だった頃、道路に落ちていた小さい木を林にうめてあげた木!
思わず、「恩を返してくれ!」と木に願う佐川。

と…

突然、「ビュウウウウン…」という音ともに学生の頃の三橋と伊藤が出現!




ちなみにこの二人は、25年前、卒業式の前に忽然と姿を消して行方不明。
やくざにさらわれたとか、宇宙人に連れていかれたなどなど…いろいろと噂されていました。

その二人が、当時の姿のままで突如出現したのですからびっくりです。
庄字も二人の出現に驚き、その場からサッと姿を消します。

 

三橋と伊藤も突然の事に驚くも、競っていたゲームでの勝ち(ラーメン)を頂くため、何もなかったかのように佐川を無視してラーメン屋に向かって歩き始めます。
それを慌てて引き留める佐川。

「俺がお二人を召喚したんです。俺を助けるために過去からやってきたんですよ!」と説明するも無視。

仕方なく「ラーメン、俺がおごるから話を聞いてください」というと、やっと話を聞いてもらえる状態になったのでした。

 

ラーメンを食べおえ、会計する佐川。
その間、先に外に出て待っている伊藤が「佐川、病院に連れていくか?」と困り顔。

ところが、三橋は「いや、少しは奴の話を考えた方がいいかもしれないぞ」と真っ青です。

慌てる三橋とは反対に、伊藤は超余裕な態度。

「こんなのに引っかかったらチョーカッコ悪いぞ。ここはいつでも冷静沈着な伊藤君に任しとけ」と、会計が終わって店から出てきた佐川に、「俺にはお前が突然、現れたように見えたぜ」と言います。
つまり、佐川が過去に来たんだと。

一瞬、信じる佐川。

でも、新聞の日付を伊藤に見せることで、二人が過去から未来にタイムスリップしたことを実証します。
動かしがたい事実に、涙する伊藤さんでした。

 

ただ、三橋はタイムスリップに否定的。
その理由は…

「世の中は俺を中心に回ってんだぜ。未来のオマエらが、全世界が、俺のところにすべってきたんじゃねーのか」

との事。

とりあえず現状を説明する佐川。

暴力を受けている女の子を純粋に助けてやりたいと思った。
両親は5歳の時に交通事故で亡くなり、当時21歳だった兄が彼女(雅)の面倒を見てきたのだけれども、その兄貴(庄字)が異常な奴だったと。

佐川が真剣に説明する中、当の二人はタブレットに興味津々。
「なんだこれは!?」と大興奮。
しまいには「ドライモンはどこだ連れてこい!」とまで言う始末です。

 

夜中。
こっそりと抜け出す伊藤。
それをコウモリのように待ち伏せする三橋。

25年も帰っていない話に、伊藤は京子さんや家族に会いにいこうとしていたのです。
それに対しては三橋は、「おまえは向こうの京子を捨てんだな」と言います。

こっちの京子も家族も、25年戻ってこなかった時点で他人だ。
俺はタイムスリップした時間に戻る…と。

その話に「そーだな」とうなずく伊藤。
その二人の様子を、こっそりと佐川がみていました。

 

二人が召喚された要因。
つまりは、佐川のピンチを完全に取り除かないと帰れない。

考えた末に出た結論。

「囚われの姫っての助け出してこい」と軽い調子でいう三橋に、「悔しいけど、俺じゃ歯が立たない。強くて頭が良くて顔が良くて、いつの間にか誰もがあいつの味方になっちまう」と力説する佐川。

そんな説得もむなしく、「俺が全てを超えた超能力を使ってやるから」と、半ば強引に庄字と雅がいる家に行かされます。

 

佐川が来たことを知った庄字は、リビングの窓を開けて雅を呼びます。
そして「ウィルアムテルごっこをしよう」と、雅の頭に林檎をのせて扉のところに立たせます。

そっと庭から忍び込み、室内が見える窓のところに近寄る3人。

室内では、おもちゃの剣銃を持った庄字が、りんごを落とした雅の口の中にエアガンを向けていました。

その様子に、怒り心頭の伊藤。
三橋も手に持っていた次作の佐川操作機を握りつぶします。

たまらずに動いたのは佐川!
「このクサレ外道が!!」と室内に窓から侵入して庄字を殴ります。

 

ところが様子がおかしい。
いち早く気が付いた三橋が、続いて中に入ろうとした伊藤を止めます。

庄字は「わー、誰か助けてくれー、殺されるー!!」と叫ぶと、掴みかかってきた佐川の手を難なく払い、おなかに強烈な一発をお見舞い。
「うわあああ、やめてください!」と、佐川が倒れているのにおかまいなしに叫びます。

すかさず伊藤が助けに入るものの、庄字は不自然な動きで部屋の中をひっちゃかめっちゃかに。
その様子に、さすがの伊藤も呆然。

騒ぎを聞きつけた警察が駆け付け、三橋と伊藤はうまく逃げるものの、佐川は捕まってしまいます。




 

警察の取調室で、「DV兄です!」と説明するも全く信じてもらえない佐川。

その頃、雅は女性警官から体のアザについて聞かれていました。
兄仕込みの女優並みの演技で、女性警察官さえも信じ込ませてしまう雅。

「なにかあったらすぐ対処しますんで、またいつでも連絡ください」と正義感に燃える警察。

佐川だけが極悪人にされてしまったのでした。

 

警察から出てきた佐川が人気のないところに来ると、すかさず車に乗った庄字が追いかけてきます。

「人は社会的地位がある方を信じる。雅も最初は人に助けを求めることがあったんだよ。でも一流大に通っている僕と不登校の子じゃ信用度が違う。結局は僕の予言通りになるんだ」と。

その言葉に激高する佐川ですが、逆にボコボコに痛めつけられてしまいます。

 

自宅に戻った佐川は、三橋と伊藤に悔し涙を見せます。

「クズ扱いされて、あんな奴にボコボコにされて…こんな情けねぇ事ないっすヨ。一体どこで間違えちまったんですか」と。

それに対して、三橋は冷静に昼間の件について解説します。

見え見えの罠。
開いた窓。
怒りを生む行動。

奴はお前が来るのを知り、飛び込んできたタイミングで警察に電話。
まんまとひっかかり警察にも頼れなくしたと。

そして、伊藤のやり方でやってみろとアドバイス。
つまり、話し合いで説得してみせろと。

 

翌日。
三橋の指示に従い、庄字に電話をかける佐川。

玄関先でこれまでの暴言・暴力を詫び、「雅さんの事を考えてあげてください」と頭を下げてお願いします。
それに対して庄字は、録音されていても大丈夫なように、まるで被害者の兄のような口調で、佐川の気持ちを逆なでするような言葉を投げかけます。

それでも佐川は、「あいつが笑顔でいられるようにしてやってください!」と土下座!
思わず出てくる雅ですが、兄の一言で家の中に戻ってしまいます。

さらに挑発的な言葉をかけられるも、ぐっと我慢する佐川。
その心のうちは、「伊藤さんはこんな事でキレたりしない、もう半端はしねぇ!」という強い気持ち。
自分のプライドよりも目的(雅の解放)の為に頭を下げ続けます。

 

その姿に、隠れていた伊藤も出てきて一緒に土下座。

庄字は「信じてほしいってことだよね!?試験してくれってことだよね!?」といい、仕方ない振りで、頭を足で踏みつけます。
佐川だけでなく伊藤の頭も…。

そこに、三橋も出てきます。
三橋の気配に、本能的に危険を察知する庄字。

警戒している庄字の前に来ると、自分も土下座する三橋。
その姿に感動する佐川。

「じゃあこっちも試してみるか」と足を上げた途端、三橋は立ち上がり一発お見舞いしようとするのですが、それを予想していたのか避けられてしまいます。

…が、「ロケットキック」と靴が急所に。

「誰か助けてください!暴漢です!」と大声を上げる庄字ですが、「警察が来る前にボコボコにしてやんよ」と詰め寄る三橋。

ところが、庄字に呼ばれて出てきた雅の尋常ならざる叫び声(これも命令)に驚き、その場から退散するはめに。

 

頼んでみる作戦は失敗に終わり、商店街を歩く三人は、この時代の今井を見かけます。
その笑顔に、思わず空き缶を投げつける三橋。
驚き、慌てて隠れる伊藤&佐川。

「何してんだ!?」と詰め寄る伊藤でしたが、「あいつ、俺とオマエのいない世界で笑ってる!嬉しそう!楽しそう!」という三橋の言葉で、二人で今井の元に。

二人の姿に、今井さんびっくり。

事情がわからない今井の「落ち着けよ」という言葉を無視して、「おれは許さねぇ!なんでハゲてねーんだよ!」と髪をむんずとつかみ…なんと、そのまま取ってしまいます。

まさかのカツラ!?

カツラを取られ、ハゲであることがバレた今井は、誤魔化すために「ハゲ番長、ピカッと見参だ!」と必死に笑いに変えようとします。

見事なハゲ頭に、三橋と伊藤の怒りの火は消え、「ごめんね」と素直に謝ってカツラを返すのでした。

 

「今井はすぐに忘れる」と、場所を変えて話す三人。

正直、三橋は今イチやる気がない。
なぜなら、雅が完全に庄字の味方だから。

それに対して、「演技させられてるんですよ」と答える佐川。
まるで人形だと。

また、三橋は伊藤に対しても、「あの男は本当に強いぞ」と前回での乱闘の際、頭突きをした時の手応えのなさを指摘。
さらに、不利なものを残さないようなうまい話し方に油断がないと。

「他にも女はいるぞ」と言う三橋に、佐川は「許せないし、助けたかった」と真剣なまなざしで言い切ります。

結婚したのは助けられるかと思っての事。
入籍後に結婚式を挙げたけど、雅が全身アザだらけである事から佐川がDV夫という烙印を押され、家族すらも疑っている。
一度も自宅に来た事はなく、結婚前にデートすらしたことがない。

そう話しながらがっくりとうなだれる佐川。

デートなしエロなしの状態と知り、三橋と伊藤は「OK!今から俺はお前の味方だ」と手のひらを返すかのような反応です。

 

その頃、三橋と伊藤の存在を危惧しはじめた庄字は、かねてより考えていた計画の変更をせざるを得ないとし、雅に佐川の家に行かせます。

初めて雅が自宅に来てくれたのに戸惑いながらも嬉しい佐川。
でも、雅が持ってきた離婚届をみると激しく落ち込みます。

「私のせいで本当にひどい目にあわせてしまってごめんなさい」と謝る雅。
私のことなんか忘れて幸せになってくださいと言う雅に、「このまま放っておいたら一生忘れらんねーよ!」と引き留めます。

そこに、携帯の時間を知らせる音が…。

「もうこんな時間。家に帰らなきゃ…」という雅。
実は庄字から5時には家に帰るようにと言われていたのでした。

止める佐川の言葉も聞かず、狂ったように「帰らないと!」と叫ぶ雅の姿は尋常ではありませんでした。

 

雅が帰った後、落ち込む佐川。

佐川と雅の様子から、伊藤は「おめーが無理なら俺がなんとかする」と三橋に言うも、「オメーには無理だぜ」ときっぱり。

そして、「俺ならできる。お前らにあのクソ兄貴のまぬけ顔、拝ましてやれるぜ」と自信満々に言い切ります。

いよいよ、反撃開始です。

 

庄字が仕事に行っている間に、雅の元を訪れる3人。

庄字が帰宅すると、リビングには手を後ろに縛った状態の佐川が。
佐川の来訪に驚くもシャツの胸元にあるボールペン型盗聴器をすかさず見つけ、いつものように被害者面しながらの会話をしつつ壊します。
そして、殴る蹴るの暴行。

気持ちが落ち着くと、今度は隠し玉の存在を疑い、玄関に置かれた靴に隠しカメラが仕込まれているのを発見。
仕事を電話をする振りをしながら、見えないように靴の隠しカメラの中の中身を取り換えてしまいます。

そして、再び暴力を振るい始めるのですが、そこで佐川が「ちょっと見てほしいものがある!俺が殺すには惜しい奴だって思うはずです」といい、バカにしたような踊りを披露します。
その踊りに、庄字激怒。

一通り痛めつけると、佐川の手を縛っていた紐をハサミで切り、「襲い掛かってきたので正当防衛しましたと、ちょっと感情的になってしまいましたと言えば済む事」として、雅に警察に電話をさせようとします。

…が、そこに三橋と伊藤が「その必要はない」と入ってきます。
「こっちからいこうーぜ」と。

足ものに転がっている靴をみると、隠しカメラが仕込まれた靴の姿はなし。
庄字は「いいだろう」と言って、警察に行きます。

 

前回、事情聴取した刑事がため息をつきながら、「これを見ろと言うんですよ」と、隠してカメラの映像が入っているSDを庄字が待つ部屋に。
ケガの具合からも無視できないのでと、映像を再生します。

内心、にやりと不敵な笑みをこぼす庄字。
こっそりと庄字が秘蔵エロ映像集に変えていたからです。

ところが、そこに映ったのは雅の変な踊り。
さらに、先ほど佐川が変な踊りを披露した時の暴言がばっちり入っています。

いつしか雅の踊りも止まり、庄字の暴言に合わせたかのような体裁に…。
これには警官も疑いの眼差しを向けます。

庄字は「合成ですね」とその場をごまかします。

 

車で待つ雅の元に行くと、怒鳴りたい気持ちを必死に抑えて「なんであんなビデオを撮らせたんだ?」と、取調室で観た映像について問います。
「お兄ちゃんがやれって…」と怯える雅。

その頃、同じように「どーやってあんな事、させたんだ?」不思議がる伊藤と、警察から解放された佐川。
得意満面な笑みで「これは兄貴の命令だ♡」と脅してやらせたと答える三橋。

そこに、庄字が運転する車が突っ込んできます。

 

余裕の笑みで避けもしない三橋。
眼前で止まっても微動だにしません。

「クソガキが。お前一体、何様のつもりだ」と車から降りてくる庄字に、「王様だよ」と答える三橋。

逆に手を挙げてしまう庄字。
完全に三橋のペースです。

さらに、三橋は「あのね、お兄ちゃん。優しいあんたの代わりに、あの子にいい事言ってやった」と、雅に体罰を与える際に使っていた道具を河原にすべて捨てて来いと言ったと伝えます。
その言葉に、顔面蒼白になる庄字。

なぜなら、それらは長年使っていたもので、雅の血も皮膚もついている。
つい最近、会ったばかりの佐川のせいにはできない代物ばかりだったから。

 

河原に駆け付けるも、すでに回収されていて無し。

そんな庄字の様子から、三橋から言われた言葉を思い出す雅。

三橋は雅に、「てへっ」と舌を出してお茶目に笑えと指示。
「それができたら卒業だってよ。あんたの苦労は今日で終いだ」と。

その言葉に「本当に?」と不安そうな顔で聞く雅。
「あぁ、保証するぜ」と言い切る三橋。

言われたとおりにお茶目な笑顔を見せる雅を、庄字はおもいっきり殴るのでした。

 

「ひでえ事するなぁ…」とカメラ片手に出てきたのは三橋。
気を失って倒れる雅もばっちり録画しています。

カメラの存在に慌てて弁解しますが、状況的にどうやっても誤魔化せるレベルではない。

そう悟ると、証拠隠滅のために三橋からカメラを奪い、中のSDを取り出し粉砕!
粉々にすると、「バーカ!この間抜けどもが!」と勝利宣言。

「警察はそんなにバカじゃねーと思うぞ」という三橋の言葉にも、「あいつらはバカだ!このエリートを信じるのさ!」と余裕。

が…

これもすべて三橋の罠。

「あんた最高!心が癒えるわー」という言葉と共に、ハンディカムで撮影していた佐川が登場。

再び襲い掛かってきた庄字に「これからは金髪見たら逃げろよ」と言うと、強烈な顔面パンチをお見舞いするのでした。

 

病院から出てきた雅と佐川。
佐川は雅を離れたところに待たせると、三橋と伊藤のところに。

「雅があーなる事、わかってたんすか?」と静かに怒りながら問う佐川。
それに対して、「俺があーなるよーに仕組んだんだ。わかんねーわけねーだろ」と答える三橋。

その瞬間、佐川が殴りかかってきますが、それを受けたのは伊藤。
「三橋が平気でやったと思ってんのか」と。
その言葉に、文句言う資格すらないと我に返る佐川。

殴ったことを謝る佐川の胸の内で、いつしか「カッコいいってスゲーな。こんなに力になるんだ」と、自然と心も上向きに。

 

「これで晴れて自由だ!幸せになれよ!」と、雅に離婚届を渡す佐川。
そして、三橋と伊藤を元の時代に戻すべく、あの木のところに。

「戻れなかったらどうする?」という伊藤の問いに、「ここで遠慮なく暴れてやろーぜ」と言う三橋。
二人が木の幹に触ると、急に光りだし、お別れする間もなく元の世界に。

そこには、小さな植えたばかりの木がちょこんとあるだけ。

丁度通りかかった理子が「何してんのー?」と声をかけると、頭をポフポフと叩き「俺がここの三橋様だ!」と言うのでした。

 

<別冊>1巻:今日から俺は!!




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